カーシェアはコロナ禍で需要増! 一番の理由は「公共交通機関を避けた移動」が手軽にできることだった
- 筆者: 篠田 英里夏(MOTA編集部)
- カメラマン:パーク24/Anyca/MOTA編集部
長期休み中、レジャーなどでも密にならないよう、自家用車を所有していない人でもクルマを利用して外出しようと考えている人がいるかもしれない。
1年半以上に及ぶ新型コロナウイルス感染拡大による影響で、カーシェアやレンタカーサービスの利用者や利用率に変化はあるのだろうか。またコロナ対策として、どのような対策が講じられているのだろうか。
今回はカーシェア大手のパーク24とDeNA SOMPO Mobilityの2社に話を聞いた。
カーシェア事業のタイムズカーでは移動手段の代替利用が最も多い
タイムズカーを運営するパーク24では、利用方法に変化はあるが、タイムズカーの会員数は順調に増加しており、2019年8月末から2021年8月末の2年間で約40万人増加したという。2021年8月末時点の会員数は167万人以上と好調だ。
この要因として、人と密接する可能性が高い公共交通機関などの利用を控え、「カーシェアを移動手段として代替利用する」人が増えていることが大きい。個人会員では買い物、法人会員では通勤などでの利用が増えているようだ。
法人会員は、テレワークを導入される企業が増えたことで、自宅近くからカーシェアリングを利用し、直行直帰するなどの利用も増加しているという。
個人会員では買い物や送迎など近場の利用が増えていた
タイムズモビリティでは2020年7月に「緊急事態宣言期間中のカーシェア利用意向に関するアンケート」を実施。コロナ禍にカーシェア利用が増えた人のうち、約8割が電車の代替えとして利用していたという結果もある。利用が増えた要因としては「買い物」が最も多く、次に「駅などの送迎に利用」、「出勤に利用」と続いた。
また、コロナ感染対策としては、定期巡回時にユーザーが手を触れる部分を中心に清掃・消毒作業を強化している。また、使い捨ての除菌ウェットティッシュを車載し、ユーザー自身でも清掃を行えるようにしている。
個人間カーシェアAnycaはドライブや近場の旅行にも使われている
次に紹介するのはDeNA SOMPO Mobilityが運営する個人間カーシェア「Anyca(エニカ)」。2021年6月末時点での累計登録台数は1000車種以上、2万台以上、累計登録会員数は50万人以上と順調に伸びている。
その要因として利用者側としては、「コロナ禍で公共交通機関を避けたい」「自宅近くでシェアできる」「マイクロツーリズム(地元など小規模なエリアで行う限定的な旅行)の流れ」「どこか目的地に行くためではなく、オープンカーやスポーツカーの運転を楽しみたい」といったニーズがある。
また、貸し手側からも「コロナ禍で使われなくなったクルマをシェアして維持費を軽減したい」などといったニーズがあるようだ。昨年の緊急事態宣言時にはオープンカーの利用が伸びていたという。
コロナウイルス感染防止策としては、個人間同士でカーシェアするクルマ最大300車種のカギをスマートフォンで開けることができるシステム「AnycaKEY」を導入。個人間カーシェアの最大のネックである受け渡し時の煩わしさを解消でき、コロナ対策としての非対面ニーズも取り込んでいる。
また、コロナ禍で使用されなくなった法人車両のカーシェアも自治体や地場企業などに募集をかける実証実験も実施している。
新型コロナウイルスの感染拡大によって人々の生活が変化するなか、カーシェア事業においてはクルマを所有していない人を中心に需要が増えているようだ。
また今回紹介した2社では感染対策もしっかりと講じられており、ユーザーとしても安心して車両を使えることが、利用増につながっているのではないだろうか。
【筆者:篠田 英里夏】
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