無免許運転の罰則は? もし無免許で事故をして捕まったらどうなる? | 罰金・点数や欠格期間、同乗者の処罰について

  • 筆者: MOTA編集部
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無免許運転とは運転免許がない状態で車などの運転をしてしまうことです。

もし無免許運転等の違反をしてしまったらどのような違反点数が付き、そしてどのような処分や罰則があるのでしょうか。罰金や点数、欠格期間に加え、同乗者の処罰についても解説します。

無免許運転についての知識を付け、無免許運転を知り、不要な違反を避けるようにしましょう。

目次[開く][閉じる]
  1. 無免許運転の定義とは?|免許を取得せずに車やバイクを運転することだけではない
  2. 無免許運転はどんなケースで起こる?|無免許運転に分類される具体例を6つ紹介
  3. 無免許運転をしてしまったらどうなる?|罰金、点数、欠格期間について
  4. 免許取り消し期間や免停期間中に無免許運転を行った場合は?|欠格期間が延長される
  5. 無免許運転の車に同乗した、車を貸した人に罰則はある?|ドライバーが無免許であることを知っていたかどうかで大きく変わる
  6. 無免許運転で逮捕される場合もある!|別の犯罪と重なると懲役刑となるケースも
  7. 免許不携帯(忘れた場合)は無免許運転ではない!
  8. 免許条件違反は無免許運転とどう違う?|免許の条件にはない車を運転すると該当
  9. 無免許運転で事故を起こしたらどうなる?|被害者は救済されるが運転者に保険はおりない
  10. 無免許運転している人がいたら通報(タレコミ)すべき?|情報提供する際は名前や住所、ナンバーを伝えよう
  11. 年間2万件近い無免許運転が重大事故を生んでいる
  12. 関連リンク

無免許運転の定義とは?|免許を取得せずに車やバイクを運転することだけではない

「免許を取得せずに車やバイクを運転するのが無免許運転」と多くの方は思うでしょう。しかし、無免許運転には実はいくつか種類があります。まずは無免許運転の定義についてご紹介しましょう。

道路交通法 第64条での無免許運転の定義

無免許運転は道交法では下記のように定義されています。

「第64条 何人も、第84条第1項の規定による公安委員会の運転免許を受けないで(第90条第5項、第103条第1項若しくは第4項、第103条の2第1項、第104条の2の3第1項若しくは第3項又は同条第5項において準用する第103条第4項の規定により運転免許の効力が停止されている場合を含む。)、自動車又は原動機付自転車を運転してはならない。」

法律の内容では専門的過ぎるので、無免許運転の具体例を紹介します。

無免許運転はどんなケースで起こる?|無免許運転に分類される具体例を6つ紹介

無免許運転とは、運転免許が無い状態で車などの運転をしてしまうことです。

単純な状況としては自動車学校にも通ったことなく、試験にも受かっておらず、免許を受けていない状況で運転をしてしまうことが想像できますが、これ以外の場合でも様々な状況で無免許運転の違反として取り締まりを受けてしまうことがあります。

具体的な例をいくつか紹介しましょう。

有効な運転免許証の交付を受けずに運転する

教習所などに通わず、運転免許を取得していないのに車やバイクを公道で運転することがこちらに該当します。

免許証の取り消し処分を受けている人の運転

過去に免許証は交付されていたものの、取り消し処分を受けている人が運転することも無免許運転となります。

免許証の取消は交通違反の累積点数によって決まり、累積点数に応じて免許の再取得ができない欠格期間が設けられます(1年~10年)。この欠格期間中に「元々運転していた車だから大丈夫」などの勝手な判断で運転する人がまれに検挙されています。

免停期間中の運転

過去の交通違反や事故で違反点数がつき、累積点数が一定基準に達すると免停処分となります。免停中に運転してしまうのも無免許運転となります。

免停期間は累積点数によって30日、90日、120日、150日、180日の6種類の免許停止期間があります。この免停期間中に運転してしまうと無免許運転で免許取消となってしまうので、くれぐれも運転しないようにしてください。

運転資格のない自動車の運転

免許証は交付されているものの、運転資格のない車やバイクなどを運転することを指します。例えば、普通自動車運転免許しかないドライバーが中型・大型バイクや大型トラックなどを運転すると無免許運転となります。

有効期限切れ

運転免許の更新を受けず、運転資格が停止した人が運転するのも無免許運転です。なお、失効日から6ヶ月以内の場合は講習を受講すれば視力、運動能力などの適性試験のみで免許証が交付されます。

その他、無免許運転となるケース

その他、滅多にない例ですが、下記のようなケースも無免許運転に該当します。

・運転免許試験に合格したものの、免許証交付前に運転してしまった

・日本では無効な免許証での運転

・他人名義の免許証、偽造免許での運転

一般のドライバーの方が気を付ける必要があるのは、免許証の有効期限が切れた状態での運転することでしょう。

免許証の有効期限が切れる1ヶ月ほど前になると、免許更新のお知らせが免許記載住所に必ず送られてきます。お知らせのハガキが届いたら、忘れずに免許更新手続きを行いましょう。

無免許運転をしてしまったらどうなる?|罰金、点数、欠格期間について

行政処分の累積点数と欠格期間について

過去3年以内の運転免許の停止の回数

0回

1回

2回

3回以上

免許の停止

6〜14点

4〜9点

2〜4点

2点又は3点

免許取消 欠格期間1年

15〜24点

10〜19点

5〜14点

4〜9点

免許取消 欠格期間2年

25〜34点

20〜29点

15〜24点

10〜19点

免許取消 欠格期間3年

35〜39点

30〜34点

25〜29点

20〜24点

免許取消 欠格期間4年

40〜44点

35〜39点

30〜34点

25〜29点

免許取消 欠格期間5年

45点以

40点以上

35点以上

30点以上

無免許運転の罰金と点数

無免許運転では罰金(反則金)はありません。軽微な交通違反では反則金を納付すれば刑事罰が免除されます(青い違反切符を切られるので青キップと呼ばれています)。

無免許運転は軽微な違反ではありません(赤い違反切符を切られるので赤キップと呼ばれています)。刑事罰と行政処分が下されます。

無免許運転をすると「3年以下の懲役または50万円以下の罰金」と重い刑事罰が下されます。2013年までは「1年未満の懲役または30万円以下の罰金」でしたが、無免許運転による重大事故が続いたため、2013年12月に法律が改正、罰則が強化されました。

次に行政処分ですが、違反点数は25点です。25点は行政処分の中では最も重い罰となっています。無免許運転が非常に重い罪なのはこの違反点数からもわかるでしょう。

無免許運転で発生する欠格期間

無免許運転を行うと最低で25点の違反点数となりますので、免許取消は避けられません。しかし、過去の行政処分の点数によって、免許の再取得ができない欠格期間が変わってきます。無免許運転での欠格期間は最低でも2年~となりますが、詳しくは上記表で確認してください。

免許取り消し期間や免停期間中に無免許運転を行った場合は?|欠格期間が延長される

運転免許取消中の人が再び無免許運転を行ってしまうと、欠格期間が1年~2年延長となります。

例えば、欠格期間が1年だった人が取消中に運転してしまうと罰金を科せられた上、3年経たないと免許証を再取得できなくなります。欠格期間が2年~4年だった場合は1年延長となります。

無免許運転の車に同乗した、車を貸した人に罰則はある?|ドライバーが無免許であることを知っていたかどうかで大きく変わる

無免許運転ほう助行為に該当

ドライバーが無免許で運転していることを同乗者や車の所有者が知っていた場合、同乗者・車の所有者も「無免許運転ほう助行為」に該当し、刑事罰、行政処分の対象となります。

「自分は運転しないから関係ない」では済まされない法律になっているので、同乗者、車の所有者がどのような罰を受けるのかについて、ご紹介します。

同乗者が罪になる条件と罰則

ドライバーが無免許運転だと知っていて、そのドライバーが運転する車に同乗した人には「2年以下の懲役または30万円以下の罰金」の刑事罰が科せられます。

さらに行政処分として、欠格期間2年の免許取り消し処分が科せられます(処分前歴があれば欠格期間が長くなることがあります)。

無免許運転者に車を貸した場合も罪に問われる可能性アリ!

無免許だと知りながら車を貸し出した人も同様に「無免許運転ほう助行為」となります。車両提供者は刑事処分として3年以下の懲役または50万円以下の罰金となり、さらに行政処分として欠格期間2年の免許取り消し処分となります。

無免許運転で逮捕される場合もある!|別の犯罪と重なると懲役刑となるケースも

無免許運転は行政処分だけでなく刑事処分を受ける可能性アリ

無免許運転は3年以下の懲役又は50万円以下の罰金という刑事処分を受けることは先ほど紹介しました。ただ、通常の無免許運転では実刑判決となり懲役刑になるケースは少なく、ほとんどの場合は罰金刑となります。

しかし、下記のようなケースでは逮捕され、懲役刑となることもあります。

・過去に無免許運転での前科・前歴がある

・常習的に無免許運転を行っていた

・無免許運転で人身事故を起こした

・検問などで無免許運転が発覚しそうになり逃走した

・スピード違反や飲酒運転など、その他の交通違反や犯罪行為をしていた

・執行猶予期間中だった

無免許運転で逮捕された後の流れ

無免許運転で逮捕されると48時間以内に警察の捜査が行われます。逮捕後には一度だけ弁護士を呼ぶことができます。

警察の捜査が終わると、身柄が検察庁に移され、24時間以内に検察から捜査を受け、起訴されるかどうかの判断となります。なお、逮捕されてから検察の捜査が終了するまでは弁護士以外は原則的に面会できません。

逮捕後の勾留期間は原則的に10日間ですが、検察の捜査が長引いたり、被疑者に逃亡や証拠隠滅の恐れがあったりする場合は勾留請求が行われ、身柄の拘束期間が最大20日間まで延長されることがあります。

なお、検察の捜査の結果、不起訴処分となった場合でも、警察の捜査対象となった前歴は残ります。

免許不携帯(忘れた場合)は無免許運転ではない!

車やバイクを運転する場合、免許証は必ず携帯する必要があります。

もし、車を運転していて警察に運転免許証の提示を求められた際に、免許証を所持していないと「免許証不携帯」となります。その車やバイクを運転するために有効な免許証をその場に所持していないだけなので、これは無免許運転ではありません。

免許不携帯の罰則と点数

免許証不携帯は違反点数無し、反則金3000円となります。

免許条件違反は無免許運転とどう違う?|免許の条件にはない車を運転すると該当

2017年3月12日以降(改正後)の免許の種類

免許の種類

限定

車両総重量

最大積載量

乗車定員

大型

11.0トン以上

6.5トン以上

30人以上

中型

11.0トン未満

6.5トン未満

29人以下

8トン限定

8.0トン未満

5.0トン未満

10人以下

準中型

7.5トン未満

4.5トン未満

5トン限定

5.0トン未満

3.0トン未満

普通

3.5トン未満

2.0トン未満

無免許運転の「免許外運転」に似た違反行為に「免許条件違反」があります。例えば下記のような例が免許外運転に該当します。

・AT限定の普通免許証をもつ人がマニュアル車を運転した

・「中型車は中型(8トン)に限る」条件の人が8トン以上の中型自動車を運転した

・眼鏡等の条件付きの運転免許で眼鏡やコンタクトレンズを着用せずに運転した

免許証に記載された種類に該当しない車を運転したり「免許の条件等」に記載された条件を守らずに運転したりした場合が免許条件違反です。

免許条件違反の罰則と点数

免許条件違反の違反点数は通常2点(酒気帯び0.25mg未満は14点、0.25mg以上は25点)、反則金は大型9000円、普通7000円、二輪6000円、原付5000円となります。

無免許運転で事故を起こしたらどうなる?|被害者は救済されるが運転者に保険はおりない

無免許運転で事故を起こしてしまった場合の罰則

無免許運転で交通事故を起こすと「3年以下の懲役または50万円以下の罰金」、違反点数25点が科せられます。さらに下記表のように交通事故の内容に応じて付加点数がプラスされたり、刑事罰が重くなったりします。

交通事故の種類(被害の程度)ドライバーの不注意によって事故が発生した場合左記以外の場合

死亡事故

20点

13点

治療期間3カ月以上または後遺障害を伴うもの

13点

9点

治療期間30日以上3カ月未満

9点

6点

治療期間15日以上30日未満

6点

4点

治療期間15日未満または建造物損壊

3点

2点

無免許で事故を起こした場合、被害者に保険金は下りるのか

万が一、交通事故に遭ってしまい加害者が無免許運転であっても、自賠責保険や任意保険の契約者であれば対人賠償保険、対物賠償保険は有効となります。無保険車でない限り、被害者や被害者の所有物である自動車、家屋も補償対象となります。

無免許運転で起きた事故の場合、加害者(ドライバー)や同乗者に保険金は下りるのか

無免許運転で交通事故を起こした場合、加害者であるドライバーには保険は一切適用されません。同乗者の場合はドライバーが無免許運転であると知っていたかどうかで保険対象になるのかが変わります。

ドライバーが無免許と知っていた場合(無免許運転ほう助)は、人身傷害補償保険や搭乗者傷害保険などは支給されなかったり、減額されたりすることがあります。

同様に無免許だと知っていて車両を貸し出した場合も、車両保険は適用されず、車の修理代は所有者の実費となります。

無免許運転している人がいたら通報(タレコミ)すべき?|情報提供する際は名前や住所、ナンバーを伝えよう

身近に無免許運転をしている可能性がある人がいたら、警視庁総合相談センターもしくは所轄の警察署に相談してみるのがいいでしょう。無免許運転をしている人の名前や住所、車のナンバーなどを伝えます。

通報した事実がばれることはある?

もし、無免許運転をしている人を告発したとしても、警察は違反者に誰が告発したのかという話をすることはありません。

年間2万件近い無免許運転が重大事故を生んでいる

車の安全性能が向上した結果、交通事故の発生件数そして死亡者の数は年々減少傾向となり、交通事故死者数は3000人を切るようになりました。

しかし、無免許運転による交通事故は減少していません。2021年の交通統計を見ても1万8844件の無免許運転の摘発が行われています。

財団法人交通事故総合分析センターが2013年に発表した統計によれば、無免許運転の結果、発生する交通事故では有効な免許を持つドライバーの事故に比べ、重大事故(死亡事故・重傷事故)になる割合が2.7倍になるというデータがあります。

同じ統計データでは無免許運転のドライバーの方が有効な免許を持つドライバーに比べ、事故時の速度超過の割合が高いデータも出ています。

無免許運転がどれほど危険なのかはわかっていただけたでしょうか。自身が無免許運転をしないことは当然のこと、家族や友人など周囲のドライバーにも無免許運転をさせないよう、くれぐれも注意してください。

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