安くても“Jeep”輸入車で最も安価な4駆SUVが登場！「ジープ レネゲード」[詳細解説](2/2)

ポップで空間効率にも優れた室内空間

内装も同様で色使いはポップな印象。リアゲートの内側に、フロントマスクの7スロットグリルをデザインモチーフとしてあしらうなど、楽しい雰囲気を感じさせる。エアコンの吹き出し口などは、スキーのゴーグルといったアイテムからイメージを得た。

使い勝手で注目されるのは最低地上高（路面とボディの最も低い部分との間隔）が170mm（トレイルホークは200mm）と相応に確保しながら、床を比較的低く抑えたことだ。乗降性が良く、シートに座った時も床と座面の間隔が確保されている。

室内高は十分にあり、前席は広くて快適。後席の膝先空間は、身長170cmの大人4名が乗車して握りコブシ1つ半くらいになる。十分な余裕とはいえないが、大人4名の乗車は可能だ。

座り心地は座面を比較的柔らかく仕上げた。後席は座面の前方をもう少し持ち上げると、大腿部のサポート性がさらに向上するだろう。それでも全長はCX-3よりも短いのだから、コンパクトなSUVでは空間効率が優れている。

選べる2種類のエンジン、2.4リッターにはスモールSUV初の「9速AT」を搭載

エンジンは2種類。

前輪駆動の2WDを採用するオープニングエディションとリミテッドには、直列4気筒の1.4リッターにターボを装着したマルチエアが搭載される。フィアットによる小排気量のターボで、最高出力は140馬力（5000回転）、最大トルクは23.5kg-m（1750回転）。トランスミッションは2組のクラッチを使った6速ATとなる。

JC08モード燃費はオープニングエディションが「15.5km/L」、リミテッドは「14.6km/L」。ターボの装着で動力性能は2.4リッター並みだが、燃費は2リッターエンジンを搭載した国産SUVと同等の数値だ。

4WDのトレイルホークは“タイガーシャーク”と呼ばれる直列4気筒2.4リッターのノーマルエンジンを積む。これは以前からJeepに搭載されていたユニットで、基本部分はアウトランダーなどの三菱製2.4リッターに準じる。かなり手を入れているが、内径と行程の寸法はアウトランダーなどと等しい。

動力性能は175馬力（6000回転）／23.5kg-m（3900回転）で、トランスミッションはトルクコンバーター式の9速ATだ。JC08モード燃費は「10.4km/L」になる。

安全装備では前面衝突の危険が生じた時に警報を発するクラッシュミティゲーション、ブライドスポットモニターがリミテッドに装着される。

レネゲードには圧倒的に割安なグレードが！買うならコレ！

価格はオープニングエディションが297万円、リミテッドが313万2,000円、トレイルホークが340万2,000円になる。Jeepブランドを前提に考えると4WDのトレイルホークを選びたいが、内装／装備／価格のバランスではリミテッドが圧倒的に割安だ。

オープニングエディションに比べて16万2,000円の価格上昇だが、前述の安全装備のほかにディスチャージヘッドランプ、フルカラーマルチビューディスプレイ、さらに電動調節機能を備えた本革シートなども加わる。通常であれば40万円くらいの価格上乗せに相当する内容となった。

リミテッドの価格は、国産SUVであればCX-5のXDプロアクティブなどに近く、売れ筋価格帯で充実した装備とJeepブランドが手に入る。つまりリミテッドの値付けは戦略的と考えて良いだろう。街中であまり見かけない個性的なクルマで、なおかつ実用的な車種が欲しいと考えるユーザーにとって、レネゲードは気になる存在だと思う。

SUVの世界は、いろいろなブランドと車種が入り乱れて、ますます面白くなってきた。