ジャガー XFR 試乗レポート/清水草一(2/2)

  • 筆者: 清水 草一
  • カメラマン:オートックワン編集部
ジャガー XFR 試乗レポート/清水草一
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お値段1200万円は安い!?

ジャガーXFR

ということで、ジャガーの征服王たるXFRですが、さすがアレキサンダー大王。エンジンはV8の5000cc。そこにスーパーチャージャーをブチかまして、最高出力は510馬力です。まさにインド遠征を思わせるパワフルぶりではないでしょうか。

ただしお値段は1200万円ポッキリ。非常に切りのいい数字です。ライバルのE63AMGが1495万円なので、それに比べると300万円も安い。

しかし、XFの一番お安いモデル(3.0ラグジュアリー)に比べると、ちょうど2倍。そっちはあの日本刀みたいなのもつくし、燃費もいいし、ぜんぜんお買い得かも……というケチ臭いことを思うと同時に、なぜかムクムクと対抗心が湧いてきました。

ジャガーXFR

実は私の現在の愛車「フェラーリ512TR」も、水平対向12気筒で5000㏄なのですよ。ただしスーパーチャージャーはついてないので、カタログ馬力は428ps。ジャガーに負けてる……。

フェラーリ様がジャガーに負けるなんて許せん!という怒りが込み上げて参りました。人間と言うのは不思議なもので、本能としては、やっぱ魚はいっぱい釣れた方が自慢できるし、インドまで征服した方がエライ!のです。

実は私もちょっとだけその気がありまして、つい先日、自分のフェラーリにコンピュータチューンをブチかまし、実馬力測定で447馬力を叩き出しました。チューンする前は412馬力だったので、35馬力も上がりました。

ただ、それで実際乗っても、「エンジンが軽やかになったなぁ」くらいの感じで、加速がアップした!とまでの実感はほとんどないのですが、やらずにはいられないのが男の性なのです。

俺はちょっと違うぜ!と思う方はぜひ

ジャガーXFR

このように、征服病に取りつかれた男は、たとえ実質的な意味がゼロでも、人に負けたくないという理由だけでモアパワフルなクルマに乗りたいわけなのですが、ジャガーXFRの場合は、はっきり加速が違います。

それはやっぱりスーパーチャージャーだから!

スーパーチャージャーをブチかますと、馬力も上がるけどトルク、つまり加速力がダイレクトに上がる。XF5.0とXFRを比べると、馬力は385から510へ。あ、こっちもメチャメチャ上がってるわ……。そしてトルクは515Nmから625Nmへ。これはエンジン排気量を6200ccにしました、というくらいの違いですから、コンピューターをちょっといじくったくらいじゃどうにもならない加速の差が生まれます。

ジャガーXFR

で、このXFRで、アクセルを床まで踏み込むと、「ダルルルルルルルルル!」と吼えまして、爆発的な加速をお見舞いします。低い回転から高い回転まで、ずっと爆発的な加速です。さすがスーパーチャージャー。街乗りではかなり固めの足回りも、高速域ではビシッと安定して、見事に510馬力を受け止めます。

ただ、このレベルまで来ると、本当に加速がどれくらい違うのかは、実際にヨーイドンをしてみないとよくわからないのも事実。この510馬力、俺様の447馬力と加速はだいたい同じだべ、俺様のマシンの方が軽いから、というようなどうでもいいことを考えてしまいました。

このテのクルマの場合、実際の加速より、「510馬力」という勲章が大事。その510馬力が1200万円で手に入る。大事なのは、どれだけ位の高い勲章が、どれくらいのお値段で手に入るか!というコストパフォーマンスなので、その点、このXFRはかなり有利です。

数的にも、ドイツのライバルたちより圧倒的にレアですし、ジャガーのジェントルかつ高級なイメージもある。内装もアバンギャルドで、AMGがカッペに思えてくる。多くの日本人は、ジャガーをベンツやBMWより「貴族っぽいのでなんとなく位が上」と考えてるという実態もあります。

AMGに乗っている人間は多すぎる!俺はちょっと違うぜ、というパワフルゾーンの住人の皆様。このジャガーXFRを選択肢に加えてみてはいかがでしょう。

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清水 草一
筆者清水 草一

1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。代表作『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高はなぜ渋滞するのか!?』などの著作で交通ジャーナリストとしても活動中。雑誌連載多数。日本文芸家協会会員。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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