ジャガー 新型Eペイス 試乗│いままでのジャガーには得られなかった“愛らしさ”(1/2)
- 筆者: 森口 将之
- カメラマン:茂呂 幸正
オンロード重視のSUVとして、ベイビー・ジャガーが登場
2月22日は猫の日。2匹の黒猫とともに暮らす我が家にとっては特別なこの日に合わせてデビューしたのが、ジャガー Eペイスだ。しかもキャッチコピーはベイビー・ジャガー。10年前に我が家にやってきたばかりの黒猫たちの姿を思い出しつつ、どんなクルマなんだろう?と気になる存在になった。
もちろんモータージャーナリストとして冷静に眺めれば、Eペイスもまた最近のSUVブームに乗って登場した車種のひとつであり、このブランドにとっては2年前に発売したFペイスに続く2台目のSUVとなる。ライバルはBMWのX1やボルボ XC 40あたりになるだろう。
10年前にはSUVのかけらもなかったジャガーが、なぜここまでSUV攻勢を掛けているのか。これはジャガーに限った話ではなく、同じイギリスのベントレーやイタリアのマセラティなどにも言える話だが、ひとつはSUVの歴史がセダンに比べて新しいことが挙げられるだろう。
セダンは第2次世界大戦前から存在していたのに対し、SUVという言葉が使われはじめたのは1960年代。しかも現在のトレンドである、オンロード指向のプレミアムSUVという新しいジャンルを築き上げたのは、1997年に登場したレクサス RX(日本ではトヨタ ハリアーとして発売)なのだから。
さらにジャガーの場合、同じグループ内のランドローバーがオフロード性能を重視したSUVだったので、現在のトレンドであるオンロード重視のSUVというジャンルに切り込むには、ジャガーのほうがふさわしいという判断もあったのだろう。
ということで登場したEペイス、プラットフォームやパワートレインの基本はレンジローバー・イヴォークと共通なので、現行ジャガーでは唯一のスティールモノコックと横置きパワートレインを持つことにもなる。
実車の姿に、歴史的背景や技術のことは一瞬忘れて魅了されてしまった
エンジニアリング主導でクルマを見る人たちは「ケシカラン!」と思うかもしれない。でも今年の春に市販型がデビューしたジャガー初の電気自動車I(アイ)ペイスもまたSUVであり、モーターを横置きした4WDである。
ジャガーはトラディショナルなブランドと理解している人が多いかもしれないが、今から50年前にデビューした初代XJや1961年発表のEタイプは、当時としては革新的なクルマだった。その伝統が今も生きていると言うことができる。
それに鎌倉を拠点とした試乗会で初めて実車を見たら、歴史のことや技術のことを一瞬忘れて、その姿に魅了されてしまった。
全長4410mm、全幅1900mm、全高1650mmというボディサイズは、たしかに日本では幅の広さが気になるものの、長さは日本車で言えば三菱 エクリプスクロスとほぼ同じ。Fペイスより340mmも短い。
そこにジャガーネスがぎゅっと凝縮してあって、顔つきも若い感じで、まさにベイビー・ジャガーのたたずまい。
フロントウインドウの隅やドアミラーが灯すアプローチライトには、隠れジャガーの親子をモチーフにしたイラストが配してあるけれど、仮にそれがなくてもベイビー・ジャガーと理解できる。
たぶん女性から可愛いと声を掛けられる初めてのジャガーではないだろうか。しかもスポーツカーのFタイプからインスピレーションを得たという説明のとおり、スポーティにも見える。
兄貴分のFペイスはジャガーSUV第1弾ということもあって、顔やお尻はこのブランドだとすぐに判別できるものの、サイドウインドウは似たようなカタチの車種をいくつも思い浮かべることができた。
その点Eペイスは違う。切れ長のサイドウインドウのグラフィックはFタイプに限りなく近いうえに、後端の角度はテールゲートと揃えてあって、リアフェンダーの盛り上がりともども、かなり入念にスタイリングを作り上げたことが伝わってくる。
インテリアもセダンとの近さを感じさせたFペイスとは一変。センターコンソールの脇にグラブハンドルを斜めに渡して運転席と助手席を仕切り、囲まれ感のあるコクピットを構築している。
フォーマルなセダンと比べるとSUVはカジュアルな存在であり、むしろスポーツカーに近いキャラクターだと個人的には感じているので、この造形には賛同できる。
それでいて後席は身長170cmの自分であれば楽に過ごせる空間を持つ。座面や背もたれの角度も適切だ。荷室も後席を立てた状態で577リットルとかなり広い。トノカバーを前後2分割としてアクセスしやすくしていたり、センターコンソールはiPadが入るほど大容量だったり、使い勝手にもかなり気を遣っていた。
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