ホンダ 無限ステップワゴンスパーダ(2012年マイナーチェンジモデル) 試乗レポート/岡本幸一郎(2/2)
- 筆者: 岡本 幸一郎
- カメラマン:オートックワン編集部
ノーマルよりもしなやかで乗り心地が良い無限のスポーツサス
2012年4月のマイナーチェンジでは、ベース車も走行性能に関する変更はアナウンスされておらず、無限のハンドリング系やパフォーマンス系のパーツについても従来からの変更はない。ただ、筆者はこれまで無限のステップワゴン スパーダのデモカーに乗ったことがないので、この組み合わせを味わうのは初めてだ。
「スポーツサスペンション」はFF専用で、ステップワゴンとスパーダの両方に適合する。車高は約25mmのダウンで、ノーマルは減衰力が低めの、スプリングに頼ったセッティングとなっているところ、無限ver.では逆にスプリングレートをノーマルよりも下げて、減衰力を伸び側、圧側ともかなり上げているのが特徴だ。
また、ベース車ではスパーダのみに付くリバウンドスプリングをフロントに装着。ノーマルでは、せっかくリバウンドスプリングがあるのに、初期で大きくストロークしてしまうために活かしきれていない感のあるところ、無限ver.ではよりリバウンドスプリングに仕事をさせ、トラクションを稼ぐようにしているという。
味付けの方向性としては、フル乗車で荷物満載よりも、2人程度で乗ることを想定し、乗り心地をある程度は確保しながら、よりドライバーズカーとして運転を楽しめるよう心がけたとのことだ。
試乗前にそのように聞いていたので、それなりの乗り味をイメージして臨んだが、いざドライブしてみると、実際には予想とは違って、まず乗り心地がイイことに驚いた。
スプリングがノーマルパーツよりも柔らかくて、ダンパーのフリクションが小さく初期から良く動くおかげで、むしろしなやかという印象だ。
舗装のよくない路面を走っても、あまりドタバタすることもない。高速道路を巡航するとダンピングの効いたフラット感のある乗り心地を提供してくれる。
2列目や3列目にも乗ってみたところ、凹凸での若干の当たりの固さは感じることもあったものの、むしろ縦横の揺れや姿勢変化が小さく抑えられていることのほうがありがたかった。
さらに直進安定性も高い。無限の開発者によると、横風に対しても非常に強くなっているという。
また、少々攻めた走りを試しても、初期ロールが抑えられているので不安感も小さい。それでいて突っ張った印象もなく、Gの高まりに応じてコーナー外輪が自然に沈み込むので、クルマの動きが非常に掴みやすい。
また、エコタイヤを履いていたのに、心なしかグリップが高いように感じられたのも気のせいではないだろう。
後席乗員に不快な思いをさせず、ドライバーも楽しめる無限スポーツサイレンサー
エンジン関係では、スポーツサイレンサーをはじめ、全5色から選べるオイルフィラーキャップ、開弁圧を高めるハイプレッシャーラジエターキャップ、強力な潤滑皮膜を生成するエンジントリートメントオイル、ろ過効率を高めたハイパフォーマンスオイルエレメントなどが装着されている。
上記のうち、交換による変化を実感できるものはというと、やはりスポーツサイレンサーだろうが、その味付けも絶妙だ。
スロットルを開けると心地よい乾いたサウンドが高まり、それを運転している間ずっと楽しむことができる。性能的な変化は微々たるものであるはずだが、そのサウンドのおかげで速く感じられたほどだ。
また、ドライバーにとっては、ある程度は音が聞こえたほうが楽しいものだが、ミニバンとなれば、後席の同乗者がどのように感じるかも大事。そこでデモカーの全席を移りながら確認したところ、全体的に音量は控えめで、ありがちな後席での音のこもりも気にならず、とくに不快に感じることはなかった。それでいて、ドライバーはマフラーを換えたことの醍醐味は楽しめるという、ちょうど良い設定だと思う。
ブレーキについては、“タイプ ツーリング”というブレーキパッド、ハイパフォーマンスブレーキフルード、リザーバータンクカバーが与えられている。
もともとホンダ車全般のブレーキは、踏力に対して比較的リニアに効き、フィーリングが良いものが多いのだが、上記パーツの与えられたデモカーは、それに輪をかけて良くなっていた。
ペダルワークに対して初期の食いつきがよく、コントロール性にも優れる。もちろんドライバーにとっても楽しいが、コントロールしやすければ同乗者にとっても不快な思いをする機会が減るに違いない。
こうした箱型の背高ミニバンは、走りについてはあきらめざるをえない部分が多々あって当然だと思っていたが、もし筆者が近々ミニバンを買うとしたら、お世辞抜きで、まさにこの仕様にしたいと思ったほどの上々の仕上がりであった。
念を押すと、無限の機能系パーツの大半は、ステップワゴンとスパーダの両方の新旧に共通する。こうした優れたパーツの数々がすでに存在することを、少しでも多くの現オーナーさらにはオーナー予備軍の方々に、ぜひ知って欲しいと願う次第である。
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