車名から”フィット”の名を取った理由とは ~ホンダ 新型 シャトル・シャトルハイブリッド 試乗レポート/渡辺 陽一郎~(4/5)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
- カメラマン:茂呂幸正
初期の「フィットハイブリッド」に比べかなり改善された「Sport Hybrid i-DCD」
ハイブリッドは反応が素早いモーター駆動を併用するので、巡航中にアクセルペダルを少し踏み増した時などは、意図したとおりの加速を得やすい。この時の動力性能は、底力を感じさせて1.6~1.8リッター並みだ。ノーマルエンジンに比べると、アクセルペダルの踏み具合が全般的に控え目になるから、ノイズも抑えやすい。
ハイブリッドのトランスミッションは、2組のクラッチを備えた7速DCT。発売当初のフィットでは、エンジン回転が下がった状態で加速に移ったり、中途半端にアクセルペダルを踏み増すとギクシャクする動きを見せた。この点はシャトルではかなり改善されている。
低速でモーター駆動のみで走行中、アクセルペダルを踏み増してエンジンが始動した時などは前後方向の揺れを少し感じるが、気になるほどではない。
思いのほか「良く曲がる」ハンドリング特性
試乗して意外に思えたのは、操舵感と走行安定性であった。
今日のクルマの多くは、車両を曲げることよりも後輪の接地性を重視する。直進時を含めて安定性が高まり、カーブを曲がる時の操作も正確に行えるからだ。しかしシャトルは少し異なり、味付けの範囲ではあるが、曲がりやすい設定にした。危険の回避を想定した車線変更を行ったり、カーブを曲がっている時にアクセルを閉じたりすると、後輪の横滑りを若干だが誘発しやすい。横滑り防止装置が装着されるから運転の難しい状態にはならないが、車両の動きとしては個性的だ。
この点を開発者に尋ねると、「シャトルの場合、(操舵角以上に車両の向きが変わりやすい)オーバーステア的な性格を少し強めた。従来の設定だと、雪道などで旋回軌跡を拡大させるお客様も多く、曲がりやすさに配慮した。運転の好きな人は、この(比較的良く曲がる)特性を生かして、走りを楽しめると思う」とのことであった。
上記の傾向はハイブリッドよりもノーマルエンジンが少し強い。前後輪の重量配分は、2WDの場合でノーマルエンジンのGが63:37、ハイブリッドは59:41になる。さらに「ハイブリッドX」と「ハイブリッドZ」の各グレードには、前後輪の足まわりに振幅感応型ダンパー(ショックアブソーバー)を装着したことも影響した。ちなみにダンパーは全車にわたりザックス製だ。
実用性の高さにばかり目がいくが、質感の高さにも注目したい
乗り心地は、最近の1.5リッタークラスでは優れた部類に入る。サスペンションの伸縮性が全般的に優れ、粗さや突起を乗り越えた時の突き上げ感を抑えた。
タイヤの指定空気圧は、ノーマルエンジンは前輪が230kPaで後輪は220kPa、ハイブリッドは前後輪ともに220kPaだ。燃費を重視するものの、むやみに空気圧を高めて転がり抵抗を減らす設定にはしていない。特にハイブリッドXと同Zは、振幅感応型ダンパーの採用もあって重厚な印象だ。
シャトルは、冒頭で述べた「上質で特別感があり、使い勝手も良い」という特徴を確かに備えている。荷室が広いために実用指向のワゴンと受け取られやすいが、実際は居住性、内外装、乗り心地などを上質に仕上げた。それだけに魅力が複雑で、試乗しないと分かりにくい。
[ホンダ シャトルのオススメグレードは・・・次ページへ続く]
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