【解説】「何これ?カッコイイじゃん!」の一言で量産車に!ホンダ N-BOX SLASH(スラッシュ)(2/2)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
- カメラマン:茂呂幸正・本田技研工業株式会社
N-BOXスラッシュの本命といえる「インテリアカラーパッケージ」
グレード構成は、「G」「G・Aパッケージ」「G ターボAパッケージ」「X」「X ターボパッケージ」の5種類を設けた。
「G」は最もシンプルな仕様で、「G・Aパッケージ」になると、あんしんパッケージ(赤外線レーザーを使った時速30km以下で作動する衝突回避の支援機能+サイド&カーテンエアバッグ)が標準装着され、IR&UVカットガラスなどが付く。「G ターボAパッケージ」はターボに加えてパドルシフトなども採用。
そしてN-BOXスラッシュの本命といえるのが、「X」と「X ターボパッケージ」に用意された「インテリアカラーパッケージ」だろう。
北米のカジュアルなダイナーレストランをモチーフにした「ダイナースタイル」、渋いライブハウスのイメージでデザインされた「セッションスタイル」、サーフィンの明るいイメージを持つ「グライドスタイル」を設定した。
「X」と「Xターボパッケージ」では、サウンドマッピングシステムを装着したことにも注目したい。8個のスピーカーにサブウーファーを組み合わせて、良好な音質をめざした。
ディーラーオプションでは、ボディの制振性や吸音性をチューニングするピュアサウンドブースも設けている。
価格は標準タイプに位置付けられる「G・Aパッケージ」が「146万円」。最上級の「Xターボパッケージ」が「176万円」(いずれも2WD)。
ほかのNシリーズの価格は、N-WGNのG・Aパッケージが「128万5715円」。N-BOXのG・Lパッケージに、あんしんパッケージを加えて「143万9898円」だ(スライドドアの電動機能が付く)。
N-BOXスラッシュは、前述のように後席のシートアレンジを充実させ、電子制御式のパーキングブレーキも装着した。ほかのNシリーズに比べて充実する機能はあるが、価格も相応に高い。スペシャルティ感覚の軽自動車に仕上げた。
ターゲットが若年層で、オーディオに凝ったところはトヨタのbBを連想させるが、N-BOXスラッシュは人気車のN-BOXがベース。N-BOXは高い天井と後席のスライドドアが特徴だが、N-BOXスラッシュでは、その天井を低くしてドアを横開き式に変えたパロディ感覚が面白い。自社製品をギャグのネタにしたともいえるだろう。
N-BOXスラッシュは、日本が誇る「軽自動車」に登場した新たなジャンル
2014年のヒット作になった軽自動車のスズキ ハスラーは、鈴木修会長兼社長が、生産を終えたスズキKeiのユーザーから「Keiの後継に相当するクルマはないのか」と質問を受けたことで企画がスタートした。
N-BOXスラッシュも、前述のようにエクステリアデザイナーのスケッチから話が始まった。このような小さな出来事から企画がスタートするのは、軽自動車の特徴かも知れない。メーカーの開発者にとっても、軽自動車は生活に溶け込んだ存在で、日常のヒトコマから始まることもあるわけだ。
過去を振り返れば、1970年に登場したバモスホンダも似たような経緯で誕生した。ホンダ車のサービスを行うホンダSF(サービスファクトリー)が、思いつきで軽トラックのTN360を改造。それを見たホンダの社員が「面白いじゃないか」と商品化した背景がある。
ガチガチに真面目に開発された実用車から、「カッコイイじゃん!面白いじゃないか」まで、企画のスタートもいろいろあるのが軽自動車。やはり日本が誇るジャンルなのだろう。
N-BOX SLASH 価格一覧
G/(FF)1,380,000円(4WD)1,500,000円
G・Aパッケージ/(FF)1,460,000円(4WDX)1,580,000円
G・ターボ Aパッケージ/(FF)1,590,000円(4WD)1,710,000円
X/(FF)1,650,000円(4WD)1,770,000円
X・ターボ/(FF)1,760,000円(4WD)1,880,000円
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