【解説】「何これ?カッコイイじゃん!」の一言で量産車に!ホンダ N-BOX SLASH(スラッシュ)(1/2)

  • 筆者: 渡辺 陽一郎
  • カメラマン:茂呂幸正・本田技研工業株式会社
【解説】「何これ?カッコイイじゃん!」の一言で量産車に!ホンダ N-BOX SLASH(スラッシュ)
ホンダ N-BOX SLASH(スラッシュ) ホンダ N-BOX SLASH(スラッシュ) ホンダ N-BOX SLASH(スラッシュ) ホンダ N-BOX SLASH(スラッシュ) ホンダ N-BOX SLASH(スラッシュ) ホンダ N-BOX SLASH(スラッシュ) ホンダ N-BOX SLASH(スラッシュ) ホンダ N-BOX SLASH(スラッシュ) ホンダ N-BOX SLASH(スラッシュ) ホンダ N-BOX SLASH(スラッシュ) ホンダ N-BOX SLASH(スラッシュ) 画像ギャラリーはこちら

商品化の発端は「遊び半分で描いた1枚のスケッチ」

新型車の開発には、200~300億円の投資が必要だといわれる。プラットフォームや基本部分を共通化した派生モデルであれば、100億円を下まわることもあるが、多額の開発費用を要する商品に変わりはない。しかもクルマは、開発費用と同様に価格も高い。なので数車種の新型車が続けて販売不振に陥れば、赤字が一気に膨らむ。過去には、大企業の自動車メーカーが、新車の人気低迷によって倒産の危機に見舞われることもあった。

だから車両の開発は、入念な計画に基づいて行われる。市場の分析から生まれた商品と、メーカーが提案した商品に分類できることは確かだが、後者にしても、市場の動向に無関係ではあり得ない。大半の場合、開発の意図を理解しやすい。

ホンダ 新型 N-BOX SLASHホンダ 新型 N-BOX SLASH

ところが2014年12月22日に登場したホンダN-BOXスラッシュには驚いた。エクステリアデザイナーが遊びで描いた1枚のスケッチが、「何これ?カッコイイじゃん!」と興味を持たれて商品化に至ったという。つまりは生産計画に乗っていない突発的な商品化であった。

もちろんプロ集団の自動車メーカーだから、遊びで描いたスケッチであっても、商品化できる潜在的な可能性を併せ持つのは当然だろう。ほかの人達も、スケッチから即座に商品化の可能性を読み取ったに違いない。

難しいのはむしろこの後で、通常では、開発を進めていくうちに、洗練された良い意味で常識的な商品になっていく。前述のように車両の開発は失敗が許されないから、ターゲットユーザーを想定して各種の機能を煮詰め、工場での生産のしやすさ、販売店での売りやすさなども考慮して角が丸くなっていく。

普通の商品はそうあるべきだが、「何これ?カッコイイじゃん!」で生まれた場合は、丸くなると大切な個性を失ってしまう。だから最初の出発点をそのまま形にできるよう、開発を進めたという。

いわゆるN-BOX「チョップドルーフ」

N-BOXスラッシュは、簡単にいえばホンダ N-BOXの天井を低く抑え、後席のドアをスライド式から横開き式に変えたクルマだ。全高は1,670mm(前輪駆動の2WD)だから、ベースのN-BOXに比べて110mm低く、天井を後方に向けて下降させた。

そして後席の横開きドアは、ウィンドウの下端を持ち上げて、天井が低く、ウィンドウの上下幅が狭いことを強調している。アレンジの手法は、天井を下げるドレスアップの「チョップドルーフ」に近い。ちなみにN-BOXスラッシュの全高は、ホンダ N-WGNの1,655mmに近い。

室内高もN-BOXスラッシュが1,290mm、N-WGNが1,300mmになる。

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「後席アレンジ」が便利に

ホンダ N-BOX SLASH(スラッシュ)
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インパネなどの造りはN-BOXと同様だが、N-BOXスラッシュで注目されるのは「後席アレンジ」だ。

ベースのN-BOXでは、床面へ落とし込むように小さく畳んだり、座面を持ち上げることは可能だが、前後のスライド機能が装着されない。一方、N-WGNの後席は、前後のスライドは可能だが、後席の下に大型のトレイを配置したことで、小さく畳んだり座面を持ち上げる機能はない。

N-BOXスラッシュでは、この2車種のシートアレンジを兼ね備える。小さく畳んで広い荷室を確保したり、座面を持ち上げて車内の中央に背の高い荷物を積めて、なおかつ後席を左右独立して前後に190mmスライドできる。今後、N-BOXがマイナーチェンジなどで、N-BOXスラッシュと同様に後席の左右独立スライドを追加すると、多くのユーザーに喜ばれるだろう。

またN-BOXスラッシュでは、パーキングブレーキが電子制御式になった。エンジンを停止させると、自動的にパーキングブレーキが作動。エンジンを始動してアクセルを踏むと、自動的に解除される。後輪はドラムブレーキだが、アクチュエーターを組み込んで自動化した。

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渡辺 陽一郎
筆者渡辺 陽一郎

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心がけている。記事一覧を見る

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