ホンダ MDX 試乗レポート
- 筆者: 西沢 ひろみ
- カメラマン:佐藤靖彦
北米で先行発売、カナダで生産されるプレミアムSUVが日本に上陸。
3列シートを持つ7人乗りの大型サイズであり、世界に誇る価値を備えたプレミアムSUVとして誕生したのがMDX。国内市場は冷え込んでいるが、北米や欧州では人気のラグジュアリーSUVだ。カナダで生産されるMDXは、まず00年に北米で先行発売。国内へは、今年2月から輸入が始まっている。コンセプトは「あらゆる場面での高いコントロール性能と、上質なゆとりと快適の高次元での融合」だ。ベースは、同じく北米生まれのミニバンであるラグレイト。ボディは全長&全幅をひと回り小さくしたサイズで、ホイールベースも300mm短縮されている。とはいっても、日本の道路環境で日常の足として使うにはいささか大きすぎるというのが率直な感想。03年は1700台の限定販売というが、受注状況が気になるところだ。
低床とショートノーズ化により、3列7人乗りのパッケージングを実現。
MDXの威圧感あるスタイルは、サイがモチーフ。シンプルなインテリアは、モダンな建築様式をイメージしたという。一見してボディのデカさを感じるが、運転席に座ると意外に1955mmの全幅は気にならなかった。装備は、本革シート、左右独立式のデュアルエアコン、バックモニター&リヤ用液晶モニター付DVDナビゲーションシステム、コードレスヘッドフォンを標準装備する。高級感は備わっているが、約500万円のクルマに相応しい気品はもう少し欲しいところだ。
居住空間に目を移すと、フロントはたっぷりとしたシートサイズを確保。セカンドシートも、足元から頭の上までゆったり座れるスペースがある。サードシートはプラス2の設定と考えた方がいいが、ランクルやパジェロの3列シートに比べれば大人2人の短時間の乗車は十分に可能だ。ハリアーやBMW・X5、メルセデス・ベンツのMクラスといった2列シートのライバル車に対しては大きなウリと言える。ラゲッジは7人乗車時で280リットル、サード&セカンドシートを倒せば最大1104リットルの大容量スペースが生まれる。ただし、サードシートはヘッドレストをはずす必要がある。
走行フィールの核は、新開発の電子制御可変トルク配分4WD「VTM-4」だ。
オールロードで思いのままにコントロールできる走行性能を身につけるため、新たに開発されたのが電子制御可変トルク配分4WD「VTM-4」だ。この駆動システムは定速走行時にはFFで走行、加速時や滑りやすい路面では後輪に適切な駆動力を100:0~50:50まで自動的に配分する。さらに横滑りを制御するVSA(車両挙動安定化制御システム)と組み合わせることで、優れた操縦安定性を実現しているのだ。
実際の走行フィールは、オンロード重視の乗り味に感じられた。多少のロールは伴うものの、安定感はしっかり伝わってくる。乗り心地も、オールシーズンタイヤを履いているせいで路面の凹凸を拾うきらいはあるが、基本的にフラットな味付け。大柄ボディを感じさせない挙動変化も好感が持てた。ただ、今回の街中を中心とした試乗コースでは、VTM-4の真価を確かめることはできなかった。オン/オフともに、もう少し攻めた走りをためしてみたい気持ちが膨らんだ。
力強い加速は、ライバル車に優るパワーウェイトレシオの賜物。
エンジン&ミッションは、新開発の3.5リットルV6・VTEC+5速ATの組み合わせ。MDXの車重は2tを超えるが、アクセルを踏んだ瞬間からしなやかで力強い加速が訪れる。低中速域のトルクは十分にあり、変速もスムーズで、物足りなさや乗りづらさを感じる場面はまったくなかった。さらにホンダ車らしい高回転域まで切れ味のいいの吹き上がりと、ロングクルーザーとしての静粛性も持ち合わせている。
北米マーケット専用に開発されたMDXは、数多くの栄冠を獲得したヒット作だ。確かにルックスはかっこいい。幹線道路を走っているぶんには、ボディの大きさを持て余すことはない。けれども街中へ一歩足を踏み入れれば、ハリアーより110mm、ランクルよりも15mm幅広いボディサイズに閉口するのもまた事実。ユーザーの居住地域、駐車場事情に販売が左右されても仕方ないがそれを補う魅力はある。
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