すでに受注1万3千台!シエンタに挑む、ホンダ新型「フリード」の進化を試乗で徹底チェック!(5/5)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
- カメラマン:和田清志
居住性も快適で走行性能と乗り心地も向上
フリードとフリードプラスの差は小さくない。フリードプラスではリアゲートの開口部が下側に向けて広がり、ボディ剛性を確保しにくい。そこで操舵に対する反応を鈍く抑え、車両の向きを変わりにくくすることで安定性を確保した。
それでも後輪の接地性は下がる。街中を走る時には違いを感じにくいが、峠道では差が生じるだろう。特にボディの重いハイブリッドのフリードプラスは、安定性で不利になりやすい。
乗り心地は、粗さは感じないが少し硬めでコツコツする。タイヤサイズは15インチ(185/65R15)で共通化され、指定空気圧は前輪が240kPa、後輪が230kPaだから極端に高くはない。
グレード間の比較では、フリードの乗り心地はボディ剛性の違いもあってフリードプラスよりも快適だ。ノーマルエンジンとハイブリッドでは、ボディが重いためかハイブリッドが少し勝る。
新型フリードは3列目のシートを含めて先代型に比べると居住性が快適になり、走行性能と乗り心地も向上した。ステップワゴンの商品力には勝てないが、価格は40~50万円安い。
安全運転支援システムはステップワゴンより上
そして安全装備では、安全運転支援システムのホンダセンシングをフリードとして新採用。ホンダの上級セダンでは採用していたが、歩行者と衝突しそうな際(約10km/h~約40km/hで走行中)、音と警告を表示し、ステアリング制御で回避操作も支援する「歩行者事故低減ステアリング」もつき、ステップワゴンのホンダセンシングよりも高機能とした。1.5リッターエンジン搭載車の中では、安全装備のレベルが高い。
外観などは地味だが、コンパクトミニバンの機能を幅広く向上させ、安心して使える比較的割安なミニバンに仕上げた。
なお3列目シートの快適性、フリードプラスの荷室などは、使い方によって評価が異なるからディーラーで細かく確認して欲しい。
今は地域によってはホンダの販売店が貸し出すレンタカー(有料)も用意され、そこには新型車がそろっている。できれば生活の中で実際に使い、購入の判断をすると良いだろう。
[Text:渡辺陽一郎 Photo:和田清志]
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