ホンダ フィットシャトル 試乗レポート/渡辺陽一郎(3/3)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
- カメラマン:茂呂幸正/オートックワン編集部
徹底した工夫を施して、フィットと同じ燃費を叩き出した!
燃費にも注目したい。フィットシャトルはひとまわり大きな荷室とひとクラス上の快適性を備え、ボディを70kg重くしながら、10・15モード燃費は1.5リッターが20km/L、ハイブリッドが30km/Lだ。フィットと同じ数値になる。タイヤサイズも拡大したから、さまざまな工夫を施して燃費の悪化を抑えた。
まずはハイブリッドだが、モーター駆動時には、燃料ポンプや点火システムを停止。電力消費を抑え、モーター駆動の走行時間を長くして燃料消費量の増加を食い止めた。 1.5リッター仕様については、ボディの底面にハイブリッドと同様の空力パーツを装着。フロントバンパーの形状も見直し、テールゲートスポイラーも加えて、空気抵抗を低減させた。
さらに両タイプとも、エンジン内部の摩擦、ブレーキの回転抵抗などを軽減し、フィットと同じ燃費性能を維持している。
いい換えれば、「車両重量対燃費性能」のバランスは、フィットシャトルの方が優秀。フィットの「上級版」であると同時に「進化版」ともいえるだろう。
価格は1.5リッターの15Xが165万円。ハイブリッドの標準仕様が185万円になる。初期受注の86%を占めるハイブリッドで見ると、フィットに対して26万円の価格上昇だ。
ただし、フィットシャトルでは2WDの全車に横滑り防止装置のVSAが標準装着され、ホーン(クラクション)も主力グレードでダブルタイプになる。装備の違いを差し引くと、ボディの変更に基づく価格上昇は実質的に20万円だ。コルトとコルトプラスの場合だと実質的に9万円前後。
フィットシャトルは割高に感じるが、前述のように乗り心地、静粛性、シートの座り心地なども向上している。
ひとクラス上の乗車感覚が手に入ることを考えれば、スペースの拡大に費やす価格アップは20万円の内の10万円くらい。損得勘定は妥当だろう。
広い荷室と快適な乗り心地に魅力を感じたなら、フィットシャトルも買い得だ。
今後の展開としては、フィットの乗り心地を、フィットシャトルの水準に近づけて欲しい。今ではデミオ13スカイアクティブが30km/Lの10・15モード燃費を達成し、フィットのセールスポイントはリアシートの居住性と荷室の使い勝手になった。
1.3リッターで見る限り、燃費の優位性は薄れつつある。そこで走りの質を高めれば、フィットの立場は再び強固なものになる。
■「 ホンダ 新型フィット シャトル/フィット シャトル ハイブリッド」
街のユーザーたちの試乗レビュー・口コミ・ホンネ情報はコチラをチェック!
・日本版コンシューマレポート-ホンダ フィットシャトル ユーザー試乗レビュー-[2012年3月26日]
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