人気のCR-Zをジャーナリスト5名が斬る!/河村康彦編(1/2)
- 筆者: 河村 康彦
- カメラマン:オートックワン編集部
5年以上も前からスタートしていた「小型スポーツモデル」構想
「かつてのCR-Xを意識しなかったといえばウソになるが、それをオマージュとして開発したわけではない」――デザイン責任者からそんな声が聞かれた、CR-Zの開発プロジェクト。
しかしそれは、意外にもこのモデルの“一番の売り”であるハイブリッド・システムの搭載を前提にスタートしたものではなかったという。
今や数多くのミニバンを勢揃いさせ、そうしたモデルこそが基幹車種とも受け取られそうなホンダの現ラインナップ。しかし、これまで世界で賞賛を浴びたモデルは、やはりS500/S600やCR-X、そしてNSXやS2000などのスポーツ・モデルであった事は明白。
そしてもちろん、将来に語り継がれるスポーツモデルを作りたいという思いは、最近のホンダ社内にも連綿と生き続けていたという。“V10スポーツ”のキャンセルという例の残念な事態の裏側で、熱いホンダスピリットは脈々と流れていたのである。
実は、5年以上も前にスタートを切っていたというホンダの小型スポーツモデル構想。
それがこうしてハイブリッドシステムを搭載しつつ実を結んだのは、世界で厳しさを増す燃費規制のクリアと共に、ヨーロッパのコンパクトスポーツモデル群と対等に戦える走りのパフォーマンスを、それによって高いレベルで両立出来ると判断されたためだ。
ちなみに、CR-Zの性能スペックは「まず欧州の測定モードで115g/kmというCO2排出量をクリアし、0-100km/h加速タイムは10秒を切る」という順番から決められたという。
結果、エンジンはインサイト用の1.3リッター2バルブユニットではなく、フィット用1.5リッターユニットのブロックに同1.3リッターユニットの1吸気バルブ休止メカを持つ4バルブヘッドが組み合わされたものになっている。
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