人気のCR-Zをジャーナリスト5名が斬る!/清水草一編(2/2)
- 筆者: 清水 草一
- カメラマン:オートックワン編集部
おじさんにウケが良い「もう一つの理由」
もうひとつおじさんにウケる理由、それはハイブリッドカーであること!
おじさんとは、極めて社会的な動物だ。世間様との折り合いを付けつつ生きている。世間の空気が逆風だと、それに逆らってまで進むおじさんは数少ない。しかし順風なら割合ホイホイと買う。
つまり、おじさんの消費活動には大義名分が必要なのだ!CR-Zのハイブリッドカーという要素は、最高の大義名分。誰がなんと言おうと、現在ハイブリッドカーは正義なので、スポーツカーであっても正当化できる。今「ハイブリッドカー」という言葉には、マツダのi-stopの10倍の破壊力があると見ていいだろう。
懐かしくも果たせなかった思いと、ハイブリッドカーという大義名分。おじさんにとって、これ以上の要素はない。
「あまり速くない」というのも、腕が錆びつつあるおじさんにはかえってプラス材料かもしれない。あんまりパワフルなスポーツカーじゃ、買うのビビッちまうもんね!
実は私も、マニュアルのCR-Zがけっこう欲しくなってしまった。2代目CR-Xに憧れていたし、ハイブリッドのマニュアル車という唯一の存在感に惹かれてるんだよね。
現在の受注では、30~40代が中心で、20代も十数パーセントいるとか。私も40代だが、40代の購入者はおそらく上記の分析のような消費行動なんではないか。そこがユーザーの中心層になるだろうと、ホンダも予想していたわけだ。
実際に今スポーツカーを買ってるのはほとんどおじさん層だから無理もない。が、意外と20~30代も多かったのは、純粋にあのデザインが新鮮に見えたのと、あとはやはりハイブリッドカーであることが後押ししたのだと想像できますな。
最近は若者の方が、おじさんより空気を読んだりするらしいからね。
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