新型シビックタイプRはなぜ商談が“抽選” なのか [新型車解説](1/2)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
- カメラマン:和田清志
初のターボエンジン搭載により、前モデルと比べて85馬力の出力向上
新型シビックタイプRは、2リッター直列4気筒 VTECターボエンジンを搭載する。従来型は1.6/2リッターの自然吸気エンジンであったが、ターボエンジン採用により動力性能は大幅に高められた。
最高出力は310馬力(6,500回転)、最大トルクは40.8kg-m(2,500~4,500回転)で、8代目シビックセダンに用意された2リッターのタイプRに比べると85馬力/18.9kg-mの上乗せだ。比率に換算すれば最高出力が138%、最大トルクは186%に達し、シビックタイプRとしてはきわめて高い動力性能を得ている。
VTECの採用で吸排気バルブのタイミングを連続的に変化させ、排気バルブのリフト量も可変式になり、幅広い回転域で機敏な加速が行える。
アダプティブ・ダンパー・システムやブレンボブレーキなど走りを高める豪華装備
プラットフォームは欧州シビックと共通で、燃料タンクを前席の下に搭載するフィットなどと同じセンタータンク方式。
フロントサスペンションはストラットの独立式、リア側はトーションビームを使う車軸式になる。サスペンションの形式はオーソドックスだが、造り込みは大幅に見直され、リア側のロール剛性も高められた。駆動方式はこれまで通りFF(前輪駆動)でありながら、最大トルクが40.8kg-mということからも大幅な強化は当然だろう。
ショックアブソーバーは4輪とも可変式で、ピストン内部の電磁コイルによって減衰力を制御する(アダプティブ・ダンパー・システム)。制御の幅はワイドで、市街地走行が快適な硬さからスポーツカーのレベルにまでおよぶ。
さらにブレーキはブレンボ製で、タイヤサイズは19インチ(235/35ZR19)。ホイールを装着するハブなどを含めて、各部をスポーツ指向で徹底的に造り込んだ。ボディの基本骨格も、補強を加えて剛性を高めている。
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