ホンダ ビート[ホンダアクセス] 試乗レポート/岡本 幸一郎(3/3)
- 筆者: 岡本 幸一郎
- カメラマン:オートックワン編集部
現代のタイヤに合わせセッティングされたスポーツサスペンション
スポーツサスペンションがラインアップされたことも朗報だ。「スポーツ」と名づけられているが、実際には本格的にスポーティさを追求したものではなく、あくまで重視したのは快適な乗り心地。その上でちょっとスポーティな走りを意識した味付けとしたとのこと。
ただし、ビートの現役当時に比べると、ごく一般的なタイヤのグリップレベルが上がっているので、マッチングは図ったという。
さらに、ビートはフロントカウルを上げた際のサスペンションの露出部分が大きいのだが、その際の見え方まで考慮し、赤いスプリングに白いダンパーというカラーリングを施したという。
ドライブしてみると、まったくコメントのとおり、乗り心地はいたって快適。しかも、このサスペンションとタイヤのおかげか、むしろ現役当時よりも走りがしっかりしているように感じられたほどだ。
8500rpmまで回り、自然吸気ながら64psを達成したビートのMTREC 12Vエンジンは、けっしてパワフルではないが、自分の手の内で操る楽しさがある。今の軽よりもずっと小さい、このサイズ感自体が楽しいし、どこにも人工的な印象のないプレーンな感覚の乗り味が実に楽しい。
今のところ増産予定なし! 欲しいならとにかく急げ!
その他の内外装アイテムについて述べると、「フューエルリッド」は、オリジナルの凹凸の付いたデサインを踏襲しながら、素材をアルミとするなど表面処理に変更が施されており、見た目の質感も高い。グレー地で縁をブラック/イエロー/レッドの3色から選べる「フロアカーペットマット」や、フロントにシンボルマークの入った「ハーフボディカバー」、「BEAT」のロゴと「MTREC」で構成された「エンブレム」なども、よりビートを所有する喜びを高めてくれることだろう。
発売20年というタイミングで思いがけずビートを借り出し、若かった頃を思い出してちょっと感傷にひたりながら、しばしのドライブを楽しむことができたわけだが、このクルマに惚れ込んで手放さない人が少なくないことをあらためて納得するとともに、今後もずっと乗り続けるであろう彼らにとって、今回のホンダアクセスが放ったアイテムは、願ってもない朗報といえる。
販売されるアイテムの限定数量を見るにつけ、現存するビートの数に対しちょっと少ないのでは? という気もするところだが、前出の田渕氏いわく、「すぐに売り切れるかもしれないし、売れ残って(オーナーズ)ミーティングを回って売り歩かなければならないかもしれないし(笑)、まったく未知数です」とのこと。
しかし、こんな時代だから情報は一気に行きわたり、必要としている多くのビートオーナーが飛びつくことも予想されなくもない。 しかも今のところパーツの増産予定はナシというから、早くしないと売り切れて後悔することになるかも…?
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