ホンダ エアウェイブ 試乗レポート(石川真禧照)
- 筆者: 石川 真禧照
- カメラマン:原田淳
しなやかなハンドリングが魅力なスポーティコンパクトワゴン
ホンダから新しいコンパクトカーが登場した。フィットで実用化した低床フレームを利用したモデルは、すでにコンパクトミニバンのモビリオがある。新しいクルマを開発するにあたり、次のボディ形状を何にしようか、考えた結果、ステーションワゴンにしたのだ。
2ボックスハッチバック、ミニバンとラインナップしたので、次はワゴン、というわけだ。ボディサイズはフィットよりも全長505mm長く、全幅は20mm広い、ホイールベースも100mm長い、全高だけは20mm低いというプロポーション。フロントからサイド、リアにかけてスポーティで、上級感のあるデザインは最近のホンダ車のなかで、ナンバー1だ。
特徴は天井をガラスにしたスカイルーフ仕様が設定されたこと。
エンジンは4気筒1.5L110馬力だけ。ミッションは、CVTを基本に、上級グレードは7速マニュアルシフトモード付を装備している。
上級グレードのLは、1.5L110馬力エンジン+7速スポーツモード付CVTの組み合わせ。タイヤ/ホイールも195/55R15、15インチアルミホイールを装着する。
試乗したのはスカイルーフ仕様。まずDレンジで走り出す。0→100km/h加速は11秒台。1.5Lワゴンとしてはやや速いタイムだ。100km/h走行時のエンジン回転数は2900回転。このエンジンは高回転でも音の高まりは少ない。比較的静粛性の高い高速巡航が可能だ。
一方、ハンドルスポークのマニュアルモードスイッチを押すと7速MT車に早変わり。シフトはハンドルの裏側にあるレバーで行なう。左がシフトダウン、右がシフトアップ専用だ。7速シフトは通常は2速からスタートする。シフトダウンして1速を選択し、加速すると、6000回転まで上昇する。
ハンドリングは直進性が強く、コーナーでのロールはやや大きめ。乗り心地は上下動がキツめで、かためだった。
ノーマルグレードのGは、マニュアルモードのないフツーのCVTを搭載している。100km/hはDレンジで2600回転、Sレンジで3300回転になる。エンジン音は3000回転からやや高まる。トルクは4000回転から若干、盛り上がり、アクセルレスポンスがよくなる。
ハンドリングはしなやかさのあるボディのロールと、やや軽めの操舵力で、安定感がある。スポーティなコンパクトワゴンだ。
居住空間だが、フロントシートはやや高めの着座だが、乗り降りはしにくくない。頭上は、ガラスルーフが拡がる。内側には電動スライド式のハードタイプのボードが用意されている。これなら、夏の陽ざしも完全に遮断できそうだ。リアシートは床面は中央の盛り上がりもなく、ほぼフラット。足元は広い。シェードを開ければ室内はくもりの日でも明るく開放感がある。
リアシートは座面がチップアップするなどのシートアレンジも豊富。ワンアクションで荷台とフルフラットにもできる。
エアウェイブのグレード構成はGと上級グレードのLの2グレード。それぞれにFF、4WD、ノーマルルーフ、スカイルーフが用意されている。
GとLの違いは、ミッション、タイヤ/ホイールサイズのほかに、フルオートエアコン、自然発光式独立5連メーター、外気温計などの有無。基本的なスペックは変わりない。
駆動方式はFFと4WD。4WDはデュアルポンプ式のリアルタイム4WDで、車重はFF車にくらべて50kg重い。大人1人分だ。動力性能はFF車のほうが軽快だ。
さらに、GとLの2グレードのどちらにするかだが、価格差は14万9100円(消費税含)。この価格差よりも、7速マニュアルシフトの必要性や、15インチタイヤでの乗り心地のかたさなどを考慮すると、GのFF車で十分。スカイルーフは10万5000円高だが、ファミリーユースなら、装着したい。撥水表皮や荷物がすべりにくく、泥など拭き取りやすいラゲッジスペースをパックにしたアクティブパッケージ(9万1350円)も魅力的だ。
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