BMWのDNAを色濃く引き継ぐBEVグランクーペ「BMW i4」がデビュー! 人気ライバル輸入車2台と比較
- 筆者: 岡部 和男
BMW社は2022年2月16日、ミドルクラス4ドアクーペのBEV(バッテリー電気自動車)の「BMW i4(アイフォー)」を日本で発売しました。「i3」「iX」「iX3」に続く4車種目となった「i4」は、BMWが本気で仕上げたBEVとして今大注目です。本記事では「i4」の魅力をたっぷりとお届けしつつ、さまざまな切り口からライバル車と比較していきます!
BMW初のグランクーペBEV「BMW i4」が日本上陸!
待ちに待った日本仕様のBMW i4は、全長約4.6m~4.8のDセグメントに属するBMW初のグランクーペBEVです。気になるグレードはスタンダードモデルの「i4 eDrive40」、Mスポーツの純正アクセサリーでカスタマイズされた「i4 eDrive40 M Sport」、Mモデルの「i4 M50」の3ラインアップ。
■BMW i4 車両本体価格
・BMW i4 eDrive40:750万円
・BMW i4 eDrive40 M Sport:790万1000円
・BMW i4 M50:1081万円
「i4 eDrive40 M Sport」は、スタンダードモデルに「Mエアロダイナミクス・パッケージ」「Mスポーツ専用18インチホイール」「Mスポーツ・シート(運転席&助手席)」「ステアリングホイール」が装着されたモデルです。
「i4 M50」は「Mサスペンション」、「Mスポーツブレーキ」に加え、「スポーツ・ブースト・モード」を搭載。2つの電気モーターによって、最大544psという圧倒的なパワーを発揮するMモデルに相応しいチューニングが施されたモデルです。
4ドア クーペのボディは全長4785mm×全幅1850mm×全高1455mmで、ベース車の「4シリーズ グランクーペ」とほぼ同サイズです。フロントバンパーのサイドからフェンダー後部にエアインテークを装備し、ブレーキ冷却効率と空力性能の向上を具現化しています。
フロントマスクには伝統の「キドニー・グリル」を備えていますが、エンジンを冷却する必要がないBEVなので開口部はありません。その代わりにカメラやレーダーなどの各種センサーが設置されています。
整流効果のあるリアディフューザーを標準で装備し、リアビューにもしっかりとスポーティさを演出。ただ、BEVなのでマフラー(テールパイプ)はありません。ラゲッジスペースは通常で470Lと十分な容量を確保しつつ、リアシートを倒せば最大1290Lまで拡大します。
BMWらしさが詰まったスタイリッシュなインテリア
インテリアも4シリーズ グランクーペとほとんど共通で、ホールド性の高い上質なスポーツシートを運転席だけでなく助手席にも装着されています。また、12.3インチの「インフォメーション・ディスプレイ」と、14.9インチの「コントロール・ディスプレイ」で構成されたフレームレスの「BMWカーブド・ディスプレイ」を採用されており、スタイリッシュなインテリアとなっています。シフトレバーにはBEV車専用のブルーアクセントがワンポイントとして入っているなど、i4ならではの要素も。
充電規格と航続可能距離
BMW i4はボディ床下に83.9kWhのリチウムイオンバッテリーを搭載しています。充電規格はAC200Vの普通充電とCHAdeMO(チャデモ)方式の90kW急速充電に対応。近年徐々に増えつつある90kW急速充電を利用すれば、わずか約40分で0%から80%まで充電可能です。
フル充電状態での航続距離は「i4 eドライブ40」で604km、「i4 M50」は150kW急速充電に対応し、546km走行できると公式で発表されています。
安全機能、運転支援システムで快適なドライビングをサポート
BMW i4は全グレードに「ドライビング・アシスト・プロフェッショナル」と呼ばれる運転支援システム、ドライバーがハンドルから手を離して運転できる「ハンズオフ機能」、音声でドライバーと車両をシームレスにつなげる「BMW コネクテッドドライブ」を標準搭載。快適性と安全装備がインストールされた環境により、究極のドライビングを体感できます。
補助金を受けられ、自動車重量税などの減税も
もちろん、BMW i4は電気自動車なので補助金が受けられます。日本政府からの補助金は最大65万円、加えて自治体独自の補助金にも期待できます。
適用期間などの条件付きですが、自動車重量税(エコカー減税)や環境性能割(旧:自動車取得税)、自動車税(グリーン化特例)の減税対象になるのもBEVならではの特権です。
>>「エコカー減税および補助金制度の詳細」はこちら(BMW公式サイト)
BMW i4 スペック
走行性能にかかわるモーター出力と駆動方式は、グレードで異なります。
■BMW i4 eドライブ40&M Sport
・RWD(後輪駆動/AT)
・最高出力:250kW(340ps)/8000rpm
・最大トルク:430N・m(43.8kgm)/0−5000rpm
■BMW i4 M50
・4WD(AT)
・最高出力:400kW(544ps)/8000rpm
・最大トルク:795N・m(81.0kgm)/0−5000rpm
ライバル比較:世界で一番売れている電気自動車「テスラ モデル3」
2019年5月末に日本での受注を開始した「テスラ モデル3」は、アメリカのテキサス州に本社を置くTesla(テスラ)が生産するBEVです。
BMW i4と同じくDセグメントに属するセダンタイプで、2021年度の世界累計販売台数50万台以上を記録したワールドベストセラーBEVとして圧倒的な人気を誇っています。
グレードはスタンダードモデルの「RWD」、航続距離の長い「ロングレンジ」、高性能モデルの「パフォーマンス」の3つ。RWDモデルはシングルモーターのRWD(後輪駆動)で、残りはデュアルモーターのAWD(全輪駆動)です。
■テスラ モデル3 車両本体価格
・RWD:596万4000円
・ロングレンジ:709万1000円
・パフォーマンス:793万9000円
※2022年7月執筆時点
テスラは複数回に渡り価格改定を行っています。日本をはじめ、欧州や多くの国でジワジワと価格が上がり……現在では最安値を記録したときより100万円程度の差があるグレードも。ただ、もっとも安いRWDモデルなら「BMW i4 eDrive40」より約150万円ほど安く購入できるのは魅力です。
ボディサイズはBMW i4とほぼ同じですが、最上位グレードの車両重量を比較すると「BMW i4 M50」の2240kgに対して「テスラ モデル3 パフォーマンス」は1850kgと390kgも軽量。この差は大きく、0-100km/h加速性能は「M50」を0.6秒上回る3.3秒を計測します。
コックピットにはメーターやスイッチが一切なく、ダッシュボード中央に備わる15インチのタッチスクリーンですべて操作する斬新なコンセプト。天井には前から後部座席まで広がる超巨大ガラスルーフが備えられており、解放的なドライブが楽しめます(ただし開かない)。シンプルで未来的なインテリアは好みが分かれるところでしょうか。
最高出力はパフォーマンスモデルで377kW(510ps)、最大トルク660N・m(67.3kgm)と十分にハイスペックです。航続距離はもっとも長く走行できるロングレンジモデルで689km。これは、BMW i4の最高値604kmを85kmも上回ります。BMW i4はスポーツカー志向の強いクルマですが、テスラ モデル3はより万人向けのクルマとなるでしょう。もちろん、BMW i4と同じく補助金制度の対象車種です。
ライバル比較:シンプルな仕様がニーズに合うかがポイント「ポールスター2」
ポールスターはスウェーデンを拠点とするボルボ・カーズ傘下のブランドで、2017年に「ポールスター1(PHV)」がデビューしました。続く第2弾モデルとして2019年に登場したのがBEVの「ポールスター2」です。BMW i4やテスラ モデル3のライバルとして外せない存在と言えます。
ポールスター2はBMW i4と同じくDセグメントに属するミッドサイズスポーツセダンです。スタイリッシュで派手過ぎない外観が特徴的で、グローバル市場では数々の輝かしいタイトルを受賞しています。
グレードは「シングルモーターFWD」と「デュアルモーターAWD」を設定し、メーカー希望小売価格はシングルが4万8400ドル(執筆時の為替レートで約670万4000円)、デュアルが+3500ドル(+約48万円)です。
モーターパワーは、前後に2つのモーターを備える「デュアルモーターAWD」が最高出力300kW(408hp)、最大トルク660N・m(67.3kgm)となっており、「BMW i4 M50」と比較すると若干下回ります。しかし、0-100km/h加速は4.5秒(M50は3.9秒)と、強力なパワーを有していることに違いはありません。
バッテリー容量は78kWhを搭載し、航続距離はシングルモーターでもBMW i4より短い270マイル(約434km)。とはいえ、航続距離は自分の行動範囲にマッチするかが重要なので、長い短いの判別はユーザー次第でしょう。「自宅に充電器を設置できるか」「近くに充電スポットがあるか」など、充電環境も考慮する必要があります。
コックピットにはタッチスクリーンが装備されており、テスラ モデル3に近い作りとなっています。ただ、多くのクルマに標準装備されているアダプティブクルーズコントロール(定速走行・車間距離制御装置)や、ドライビングアシスト機能を付けるには、オプションで+3400ドル(約47万円)を追加で払う必要があります。
考え方を変えると、ニーズに合わせて装備・機能を選択できるのは、ユーザーにとって好都合になるかもしれません。あらゆる機能や標準装備されたBMW i4と差別化するポイントになるでしょう。
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