ハリアーとRAV4、これってホントに兄弟車!? 巧み過ぎる造り分けにビックリな人気SUV2台を比較
- 筆者: トクダ トオル(MOTA)
- カメラマン:茂呂 幸正・島村 栄二・TOYOTA
2019年4月にデビューした5代目「トヨタ RAV4」と、2020年6月にデビューした4代目「トヨタ ハリアー」は、共に同社を代表する人気SUVだ。アウトドア派に支持されるタフなイメージのRAV4と、エレガントな都会派ハリアー、この2台が実は同じTNGA GA-Kプラットフォームを共有する兄弟車ということを知らない人は意外と多い。見事なまでの造り分けには驚くばかりだ。今回はそんな2台を改めて比較してみる。
共に“世界を変えた”歴史に残るSUV! トヨタ RAV4とハリアー
そもそも1994年にデビューした初代トヨタ RAV4は、乗用車プラットフォームをベースに誕生したクロスオーバーSUVの草分け的存在だ。ハシゴ型の強固な独立フレームを基本とする従来のSUVに比べ、乗用車同様のモノコックボディとしたことで、大幅な軽量化を実現。SUVの動力性能や燃費などのレベルを大幅に引き上げた。その手法はその後、世界的に波及し、今ではほとんどのSUVが同様のスタイルとなっている。
そんな乗用車ベースのSUVを、さらにプレミアムカーとして成立させたのが、1997年末に登場した初代ハリアーだった。海外ではレクサスブランドで「レクサス RX」として売られ、瞬く間にレクサス車TOPの稼ぎ頭にまで成長を遂げている。
乗用車ベースのプレミアムSUVという手法はその後、メルセデス・ベンツなど世界中のプレミアムブランドが追従したのもご承知の通り。
その後ハリアーは2013年登場の3代目から日本独自の車種に発展。4代目となる現行型では、アメリカでもトヨタブランドとして「ヴェンザ」の名で売られている。
最新モデルは同じTNGAプラットフォームやパワートレインを共有化
兄弟車というと、外観デザインこそ異なっていても、どことなく全体のフォルム(シルエット)が似ていたり、ディテール部に共有する部品が散見されたりするものだ。しかしRAV4とハリアーの場合は、外観を見比べてみてもその共通項は全くと言って良いほど見当たらない。実はこういった例は、世界的に見てもなかなか無いことだ。
現行型RAV4は、トヨタの最新プラットフォーム「TNGA GA-K」をベースに開発された。ボディサイズは、全長4600mm×全幅1855mm×全高1685mm(Adventureは4610mm×1865mm×1690mm)。
日本仕様に搭載されるのは、直列4気筒 2リッター 直噴ガソリンエンジンと、2.5リッター+THS II ハイブリッドの2タイプとなる。
これに対し現行型ハリアーは、RAV4のプラットフォームを共有。ボディサイズは、全長4740mm×全幅1855mm×全高1660mmと、RAV4に比べ長く、そして少し低い。
数値で見比べても、RAV4が室内や荷室の広さを重視し、ハリアーがスタイリング重視のクーペ風フォルムを採用したことがわかる。
搭載されるパワートレインについては、ハリアーも2リッターガソリンと、2.5リッターハイブリッドと、RAV4と全く同じ内容となっている。
ただしRAV4の場合、ハイブリッドを含め全部で3タイプの4輪駆動システムを採用。中でも、Adventureグレードなどに採用する「ダイナミックトルクベクタリングAWDシステム」は、走行状況に応じて前後輪や後輪左右のトルク配分をそれぞれ制御する凝った仕組みを採用し、悪路走破性や舗装路面での優れた操縦安定性を実現させている。
ちなみにハリアーは、RAV4の残り2タイプ(ダイナミックトルクコントロール4WDとE-Fuor)と同様だ。
他社もお手上げ!? RAV4とハリアーは内装もキャラクターの違いを色濃く表す!
外観以上に、内装は2台の違いを色濃く表している。
RAV4は、アメリカのトヨタ車の中でも最も売れているというベストセラーカーだ。内装は、シンプルな直線基調をベースとした機能的なデザインが特徴。前席、後席、そして荷室がみな広々していて実用性が高い。前後左右の窓もそれぞれ大きく、解放感もあるのも魅力的だ。
その点、ハリアーは全く対照的。高級感を前面に押し出したインテリアは、乗馬の鞍(くら)をイメージしたという、丸みを帯びたセンターコンソール部の独特な形状が印象的だ。こちらも荷室は十分に広いが、アウトドアギアをガンガン積み込むのはちょっと躊躇するほど、ラゲッジルームに至るまで上質に仕立てられている。
価格は、トヨタ RAV4が274万3000円から402万9000円まで。ハリアーは299万円から504万円まで(価格は全て消費税込)と価格帯は近接している。
ただし複数のトヨタ販売店の方に訊いてみても、RAV4とハリアーはあまり競合することはないと共通した答えが返ってくる。
このように同カテゴリーに2つの異なるキャラクターの兄弟車を投入する例は昨今ではあまりみられなくなった。しかもそれが、いま流行りのSUVで、共に売れ行き絶好調なのだ。ライバルメーカーにとっては非常に羨ましく感じているに違いない。トヨタの独走状態はこの先もしばらくは止められそうにない。
[筆者:MOTA(モータ)編集部 トクダ トオル/茂呂 幸正・島村 栄二・TOYOTA]
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