国産スポーティSUV 徹底比較(4/4)
- 筆者: 岡本 幸一郎
- カメラマン:茂呂幸正
充実内容のわりに抑えた価格設定
SUV市場は日本では縮小傾向だが、北米市場をはじめ世界的には好調といっていい状況だ。
また北米市場では、これまでトラックベースの大柄なクロカン車を愛用していた層からも、こうした比較的小柄で小排気量エンジンを積むクロスオーバーSUVに乗り換える動きも見られる。
そうした、足替わりのクルマとして日本のメーカーが手がけたSUVの人気は、ちょうどよいパッケージングや、優れたコストパフォーマンスなどが評価され、高い人気を獲得している。
ただし、海外に主眼を置いて開発されたクルマが、こうしてほぼそのまま日本市場でも販売されているため、日本では少々もてあますサイズ感となっているのは否めない。
もともと北米市場をメインターゲットに開発されたCX-7もまさにそうで、日本での売れ行きは芳しいとはいえない。しかし、こうした割り切ったクルマであるからこそ、日本でも熱心なファンが存在する事実もある。
今回、多方面にわたって手が加えられたことで不満点が解消され、より洗練されたことを歓迎したい。また、俯瞰で考えると、充実した内容のわりに抑えた価格設定となっていることに、あらためて気づかされた次第である。
基本の軸足はユーティリティビークル
CX-7と反対というか、もともとCR-Vは日本専売モデルとして開発されたものが、海外に出されたところ好評を得た経緯から、2代目以降は海外市場も視野に入れたものとされた。
現行の3代目もまさにそうで、北米や欧州など海外を主体としたクルマとなった。結果、かつてのCR-Vのイメージからすると、かなり上級移行したクルマとなっているが、ライバル車の動向も含め日本でもなんとか使えるサイズ感を維持しているといえるだろう。
今回のほかの2台と異なるのは、スポーティなテイストこそ備えているものの、基本の軸足はユーティリティビークルである。それは、ウォークスルー可能な室内フロアや収納スペースの設定、前後席の居住空間の考え方などに表れている。
こうして並べると、同カテゴリーのライバル車に比べてスポーティなように思えるCR-Vが、意外やクロカンテイストを持っていることを再認識されたのは意外だった。
また、CX-7がライバル車と並べたときに相対的に買い得感があるように思わせるのに対し、CR-Vは単独で見たときも、この価格でこれだけのバリューを身につけていることに感心させられる。上級モデルはそれなりに高価だが、そのぶん装備の充実ぶりは素晴らしい。
総じてコストパフォーマンスの高さは特筆できる。
国産スポーティSUVのトップエンド
スカイラインクロスオーバーは、スポーツカーとSUVを掛け合わせたというCX-7のコンセプトを、さらに発展させたようなクルマ。
SUVとして異様に低いボディに、上級装備がふんだんに与えられているだけでなく、非常に華のあるエクステリアデザインを得たことで、このクルマの価値がグッと高まっているのは見てのとおり。
現時点で、国産車メーカーが手がけた、スポーティなSUVとしてのトップエンドに位置しており、価格帯もそれなりに上だが、ラグジュアリーカーとしてのテイストも持ち合わせている。
そうした要素を併せ持った、これまで日本にはなかった新感覚のクルマである。日本市場における客層は、他の2モデルとはだいぶ異なるような気もするところだが、日産自身も、このクルマの目標販売台数を月販200台と低く抑えていることからして、ニッチな層に応えるクルマと位置づけているようだ。
とはいえ、本来なら400~500万円台の国産セダンあるいは輸入セダンを愛用するであろう層にとっても、目を向けるべき価値のある1台だと思う。
そうしたセダンに対して、このクルマに乗ることで得られるものは、プラスアルファの利便性だけではないはずだ。
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