プレミアムワゴン 徹底比較(3/4)

プレミアムワゴン 徹底比較
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ラゲッジスペースの隅々の仕上げまでハイクオリティ

インパネフロントシート

A6アバントのフロントシート周りのデザインは、当然ながらベースとなったセダンと全くの同様だ。メーターパネルと一体化されたセンターパネル部分の最上部には、標準装備のナビゲーション・システムに加え各種情報を映し出す7インチのモニターがやはり標準で装備をされ、ATセレクター手前にはそれをコントロールする“MMI”のコントローラーがレイアウトされるという特徴点にも変わりはない。

本革シートは8気筒エンジンを搭載する『4.2クワトロ』に標準で、6気筒モデルにはオプション設定。シートヒーターも同様の設定だが電動調整機構はすべてのモデルに標準。後席での居住スペースはセダンのそれと同等。やはり8気筒モデルに標準、6気筒モデルにはオプションとなるリアサイドとリアウインドウのサンシェードは、アバント専用のアイテムだ。

ラゲッジスペースは、そのボディサイズから期待をするほどに「広大」という印象ではないものの、それでもちょっとした泊り掛けの家族バカンス分程度であれば難なく収容が可能というボリュームの持ち主。そして、そんなラゲッジスペースの隅々の仕上げまでがキャビン部分に全くヒケを取らないクオリティでまとめられているのは、さすがはアウディの手掛けたワゴンという印象だ。

リアシートラゲッジサンシェードステアリングラゲッジ

ガラスハッチ機構を併用する「積めるワゴン」

インパネフロントシート

ライバルたちの場合と同様5シリーズ・ツーリングのインテリア・デザインも、基本的にはベースとなったセダンのそれを忠実にトレースしたもの。ナビゲーション用モニターをダッシュアッパー中央部に置き、そこにメーター・クラスターと並べたフードを与える事で“ふたこぶラクダ”風としたダッシュボードのデザインも、もちろんセダンのそれと同一だ。

もっとも、今回の撮影車のようにオプション設定の『Mスポーツ・パッケージ』を選択すると、ワイドタイヤやエアロパーツ類がダイナミックな外観をアピールするのと共にインテリアでもグンとアクティブなイメージが高まる。スポーツシートや専用ステアリング・ホイール、アルミインテリア・トリムなどがセットで装着されるこのパッケージ・オプションは、いかにもBMW車らしさを強調するために吟味された内容という印象だ。

最大のライバルをEクラス・ワゴンと考えるモデルだけに、ラゲッジスペースのデザインでは「積めるワゴン」を目指したのがこのモデル。ゲートとは別にリアウインドウが開閉するガラスハッチ機構を併用するのも、5シリーズ・エステートの特徴だ。

リアシートラゲッジリアシェイドガラスハッチガラスルーフ

ステーションワゴンとしての多用途性の高さ

インパネフロントシート

インテリアのデザインは最近のメルセデス流儀を感じさせるもの。すなわち、優れた実用車としてのちょっとビジネスライクな基本デザインの中に、より若い人々を取り込みたいという願いが感じられるスポーティで躍動的なイメージもプラス。例えば後者は、3連丸型のメーター・デザインなどにその一例を認める事が可能だ。

シートはグレードに応じてファブリック、レザー、あるいはそのコンビネーションという設定。ただし、レザーが標準V8モデルに加え、その他のモデルでもオプション装備としてレザーシートが用意をされる。

このクルマのインテリアで特筆すべきは、やはりステーション・ワゴンとしての多用途性の高さにある。リアのシートバックは、ダブル・フォールディング機構によって低い位置でラゲッジ・フロアと一体化。こうしてシートアレンジを行うとそもそも広かったラゲッジスペースは最大時で1910リッター(VDA計測法)にまで拡大される。これは、BMW5シリーズの1615リッター、A6アバントの1660リッターを大きく上回る優れたデータだ。

リアシートラゲッジリアシェイドセンターコンソールアンダーボックス

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河村 康彦
筆者河村 康彦

1960年東京生まれ。工学院大学機械工学科卒。モーターファン(三栄書房)の編集者を経て、1985年よりフリーランスのモータージャーナリストとして活動を開始し、現在に至る。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員、ワールド・カー・オブ・ザ・イヤー選考委員、インターナショナル・エンジン・オブ・ザ・イヤー選考委員 などを歴任。記事一覧を見る

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