フェラーリ FF 試乗レポート/石川真禧照(1/3)
- 筆者: 石川 真禧照
- カメラマン:オートックワン編集部
フェラーリ初の4駆は、しっかりと座れる4人乗り!
フェラーリの最新モデルの名称はFF。
その意味はフェラーリ・フォー。フォーという意味はいくつかある。まず4人乗り。これまでのフェラーリもカタログ上では4人乗りは存在した。456Mや612スカリエッティだが、これらはリアシートがある、というレベル。とても大人が長時間座れる広さではなかった。ハンドバッグやジャケット置き場と割り切ったほうがよいスペースだった。
しかし、FFのリアシートは違う。2ドアなので、出入りこそフロントドアからだが、一度座ってしまえば、ロングドライブも可能なほどのスペースが確保されている。
もうひとつの「フォー」は四輪駆動を採用したこと。もちろんフェラーリ初の四駆。フロントエンジン、リアドライブをベースに独自の技術を導入している。V12、6.3L、660PSのパワーだが、雨や雪の日でも安心して、安全の乗ることができるフェラーリなのだ。
クラウンよりも長く、アルファードよりも広く、そしてレクサスLSよりも長い!?
フロントマスクは、最新の458などと同じ縦長のヘッドライトにLEDのポジショニングライトを配し、低い位置で大きく拡がったグリルが印象的。しかし、サイドに周りこむとこれまでのフェラーリにはないボディラインで、ルーフがボディの後ろまで延びている。まるでステーションワゴンのようだ。
このような高級なスポーツカーをワゴンのようにするのは、ヨーロッパでも特にイギリスでシューティングブレイクと呼ばれ、貴族や富豪が狩猟をする時の足にするクルマとして、認知されている。
フェラーリFFは一応“人が4人乗れる”というコンセプトだが、広い荷室のフェラーリという捉え方もある。だから開閉出来るリアゲートも備えているのだ。ちなみにリアゲート付きのフェラーリというのも史上初だ。
ピニンファリーナのデザインしたボディは、かなり大きい。国産車と比較してみると、全長はクラウンよりも長い4907mm、幅はアルファードよりも広い1953mm、そしてホイールベースは2990mmなので、レクサスLSよりも長いのだ。
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