フェラーリ FF 試乗レポート/石川真禧照(3/3)
- 筆者: 石川 真禧照
- カメラマン:オートックワン編集部
パフォーマンススペックはまさに天文学的数値
V12エンジンは6.3L、660PS、683Nm。フェラーリ史上最強のパワーと、7速F1デュアルクラッチで、0~100km/h加速3秒台、最高速は335km/hという天文学的数値を達成している。
しかし、ハンドルを握り、アクセルを踏み込んだ時の印象は、そんな高性能なスポーツカーという感じはしない。自重1.8トン近い車重と、唐突に不快な急加速をさせない制御が、このスーパースポーツを一見大人しそうなクルマに感じさせるのだ。
もちろんアクセルを踏み込む右足に力を加えれば、間髪をいれずに頭の血が後ろに吸い取られるような加速Gを体感させてくれることは言うまでもない。V12、6.3Lエンジンが一気に8000回転まで上昇する時のエンジン音やスピード感は、尋常ではない。まるで、別世界にワープするかのようだ。
コーナリングもかなり速い速度で走っても何も起こらない。FFの実力を公道上で試すことは、超一流のレーシングドライバーに任せた方が無難だろう。それほどFFのハンドリングはハイレベルだ。
荷室はリアシートの背もたれを前に倒せば、ゴルフバッグも縦に積みこめるほど広い。床面はフラットではないが、十分に実用的。リアゲートを使えば、さらに利用範囲は広がる。
3200万円のスポーツワゴンの使い勝手は悪くなかった。
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