ダイハツ 新型ムーヴキャンバスのオススメグレードは新設定のターボ! 可愛いだけでなく実用性も高まった新型の実力とは
- 筆者: 竹花 寿実
- カメラマン:森山 良雄/ダイハツ工業/MOTA編集部
約6年ぶりにフルモデルチェンジし2代目となったダイハツ 新型ムーヴキャンバス。可愛らしい軽ワゴンとして女性を中心に幅広い世代に人気のモデルですが、新型では初代の可愛らしさを継承しつつ、すっきりと洗練されたモデルに生まれ変わりました。
新型ムーヴキャンバスの進化度合いを実際に試乗したジャーナリストの竹花寿実さんがレポートします。
新型ムーヴキャンバスは幅広い世代に受け入れられるよう、見た目以上に中身が進化!
デザイン
2016年に初代が登場し、ハイトワゴンとスーパーハイトワゴンの中間的な全高に、使い勝手の良いリアスライドドアを組み合わせた、美味しいとこ取りのダイハツ ムーヴキャンバスが、6年ぶりに2代目へ進化しました。
ちょっとレトロで丸みを帯びた可愛らしいデザインやカラーリングで女性ユーザーを中心に人気を博すモデルですが、年月を経てユーザーニーズや社会状況も変化してきました。
新型ムーヴキャンバスはそれらに対応するべく、広範囲にアップデートしています。今回は千葉県木更津市で行われたメディア向け試乗会で、その出来栄えを確認することができました。
初代ムーヴキャンバスは、女性ユーザーが約9割を占め「母と娘でシェアする」という提案が成功。一方で、その使い勝手の良さから「父と娘」や「母と息子」、さらにはシングル層や若いファミリー、子離れ層など、様々なユーザーも獲得しました。
そうなると、男性ユーザーから「かわいすぎる」という声も上がってくるようになりました。また2016年当時と現在では、女性のみならず男性のファッションも変化。家電や家具といったプロダクトデザインのトレンドも変わり、消費者の目を引くモノのテイストは、この6年で様変わりしています。
新型ムーヴキャンバスは2種類のボディタイプを設定! ついにターボモデルも追加
ボディサイズ、グレード、外観、インテリア、エンジン、燃費、装備
そこでダイハツは新型ムーヴキャンバスに、従来から用意されている2トーンの「ストライプス」のほか、モノトーンの「セオリー」を全グレードに設定。
セオリーは、インパネ周辺をブラウン、シートを濃いブルーとして、シックな雰囲気に仕立てられています。より現代風にイメージチェンジしたと言えるでしょう。
エクステリアはあまり変わっていないように見えますが、先代より全体的に曲面を多用してボリューム感が増した印象を演出。
またフロントマスクは、グリルとヘッドライトの位置関係が、先代より縦に伸びて見えるように修正され、若干ですがキリッとした顔つきになりました。先代を「子供」とすれば、新型は「少年」といったところでしょう。
インテリアも、水平基調のデザインは先代から踏襲していますが、機能性は一層向上しています。スマホのワイヤレス充電機能を備えたインパネセンタートレイや、飲み物の保温機能を備えた軽自動車初の「ホッとカップホルダー」などを採用。ストレージはありとあらゆるところにあります。質感もさらに向上し、とても“今”の空気が感じられる空間となっています。
そして従来は自然吸気エンジンのみだったムーヴキャンバスですが、今回ついにターボモデルのGターボが用意されました。競合モデルとなるスズキ 新型ワゴンRスマイルはマイルドハイブリッドが選べるだけに、ターボの追加は必然だったと言えます。
新型ムーヴキャンバスに搭載されたターボエンジンはCVTが組み合わされ、駆動方式は2WD(FF)と4WDを設定。どちらもストライプスおよびセオリーが用意されます。
スペックは最高出力が64馬力/6400rpm、最大トルクは100Nm/3600rpmで、WLTCモード燃費は2WD車が22.4km/L、4WD車は20.9km/Lとなっています。新型ワゴンRスマイルのマイルドハイブリッド車(2WD:25.1km/L、4WD:23.6km/L)には及びませんが、選択肢が増えたことは、ユーザーには喜ばしいことです。
また、新型ムーヴキャンバスのボディサイズは全長3395mm×全幅1475mm×全高1655mm(2WDのみ。4WDは全高1675mm)とサイズ自体は先代と同等です。
新型ムーヴキャンバスは街乗りでも高速走行でも余裕を感じられるターボがオススメ!
試乗インプレッション、価格
今回は、まずストライプスのG(自然吸気エンジン搭載の上級グレード)の2WD車に試乗。エンジンスペックは52馬力と60Nmなので、高速走行時では常に3~4000rpm以上に回転が上昇してしまい、それなりに騒がしく、動力性能に特筆すべき点はありませんが、CVTとのマッチングは良好で、街乗りは「コレでイイかも!」と十分に思える仕上がりです。
ダイハツ独自のDNGAプラットフォームの採用により、シャシー(基本骨格)のしっかり感や乗り心地の上質感もしっかりレベルアップしています。街乗り中心の使い方であれば、自然吸気モデルは価格も149万6000円~とリーズナブルなので、選ぶ価値は十分にあります。
次にステアリングを握ったのは、セオリーGターボの2WD車。こちらはやはり、発進時から明らかに力強さが感じられます。トルクに余裕があるので、エンジン回転数が抑えられ、静粛性も高いです。シックな雰囲気のセオリーにはターボが合っているという印象でした。
Gターボは高速走行も好印象。静粛性の高さと落ち着きのある乗り心地は、軽トップレベルと言えます。またタイヤサイズは自然吸気モデルと同じ155/65R14ですが、銘柄がダンロップ エナセーブEC300+であることからか、乗り味にとてもコシがあり、ロールやピッチングも少ないので、コーナリングも楽しいです。総じてドライバーが満足感を得られるのはGターボと言っていいでしょう。
価格(税込)についても触れておきましょう。新型ムーヴキャンバスはストライプス、セオリーともに自然吸気モデルが149万6000円〜179万8500円、ターボモデルが179万3000円〜191万9500円となっています。
一方、ライバルとなる新型ワゴンRスマイルは自然吸気モデルが129万6900円~、マイルドハイブリッドが147万2900円~となっているため、正直に言って価格面だけでは太刀打ちできません。
しかし、充実した機能装備・快適装備や先進安全装備や、Gターボの力強い走りは、新型ムーヴキャンバスの強力な武器であり、エクストラコストを払ってでも選ぶ価値のあるクルマに仕上がっているという印象です。
【筆者:竹花 寿実】
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