ダイハツ イース 試乗レポート/松下宏(2/2)

  • 筆者: 松下 宏
  • カメラマン:小林岳夫/松下宏
ダイハツ イース 試乗レポート/松下宏
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クルマの軽量化を前提にすることで、走りと低燃費を高い次元で両立

エンジン性能やCVTのギア比設定なども、クルマの軽量化を前提にすることで、走りと低燃費を高い次元で両立させることにつながるからだ。

タイヤも今回試乗したプロトタイプ車には横浜ゴムのブルーアースが装着されていた。

全グレードにこのタイヤが装着されるとは限らないが、ブルーアースなら転がり抵抗とウェットグリップが程よいレベルで両立されている。

このほか、減速して時速が7kmにまで低下するとエンジンが停止する改良型のエコアイドルも燃費に貢献する要素。すでにスマートなどがこうした手法を採用している。

問題は止まりかけてエンジンが停止したが、すぐに再加速するといったシーンで、どれくらいスムーズに仕上がっているか、このあたりがポイントになる。

今回は偽装ペイントを施した発売前のプロトタイプ車に試乗してエコランを競った。プロトタイプ車といっても、クルマとしての完成度はほぼ市販車レベルに仕上がっていると見られるクルマだった。

試乗は限られたコースを8分以内に5周以上周回するという前提で、これを3回繰り返す形で実施された。

4台が時間差でスタートし、ラップごとの燃費データはお互いに知ることができる設定でのエコランだった。

1回当たりの走行距離3~4km程度なので、あまり断定的なことはいえないが、エアコンをオンにした状態でも25km/L以上、エアコンをオフにした状態での最高燃費は34.11km/Lを記録することができた。

4台で競った中ではトップの数字で、イースの低燃費車としての実力が高いレベルにあることが分かった。

走りの元気の良さは十分に試せる状態にはなかったが、エコラン中のアクセルレスポンスなどは上々のレベルにあった。

走りの鈍い低燃費車ではないことは確認できた。イースは“第三のエコカー”として9月に発売される予定。

ベースグレードの価格は80万円を切る水準に設定され、中心グレードも100万円を切るという。燃費性能だけでなく価格の面でも魅力的なクルマになりそうだ。

低価格の軽自動車なので、インテリア回りの仕様などはシンプルなものだったし、試乗車には後席のヘッドレストレイントがなく、市販車もそのようになるのではないかと思わせたが、文句をつけたいのはこの点くらいのもの。

全体的な商品力として相当に期待が持てるクルマといえる。

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松下 宏
筆者松下 宏

自動車そのものはもとよりクルマに関連する経済的な話題に詳しい自動車評論家。新車、中古車を含めてユーザーサイドに立った的確な購入アドバイスを語ることで定評がある。記事一覧を見る

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