シトロエン DS5 試乗レポート/渡辺陽一郎(2/2)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
- カメラマン:オートックワン編集部
シトロエン DS5…日本車とは価値観のまったく違うクルマ
エンジンは直列4気筒の1.6リッターにターボを装着。シトロエンC4などに幅広く使われるタイプで、最高出力は156馬力(6000回転)、最大トルクは24.5kg-m(1400~3500回転)となる。
動力性能は2.5リッターのノーマルエンジンと同等だが、低い回転域でも高いトルクを発揮するため、発進直後から扱いやすい。4000回転を超えた領域の伸びも良く、ATが6速タイプでギヤ比の割り方が細かいから、フル加速時には高回転域を保って効率の良い加速が行える。
車両重量は1550kg。軽いボディとはいえないが、日本車でいえばセレナやヴォクシー&ノアなど、2リッターエンジンを搭載した背の高いミニバンと同程度だ。1.6リッターターボの搭載により、市街地から高速道路、峠道まで、幅広いルートで運転がしやすい。
走行安定性は、ほかのシトロエンと同様に良好だ。後輪の接地性が高く、不安定な挙動に陥りにくい。パワーステアリングは少し重めだが、操舵する時の安定感を高めている。
機敏に向きを変えるタイプではないが、鈍さも感じさせず、舵角に忠実に向きを変えるタイプ。リラックス感覚も伴い、運転がしやすい。
乗り心地は、時速50km以下で街中を走ると少し硬めに感じたが、速度が上昇すると快適になる。硬めに感じる速度域でも、サスペンションの伸縮性が優れ、粗い乗り心地にはなっていない。
注意したいのは取りまわし性だ。全長は4535mmだからミドルサイズに収まるが、全幅は1870mmとかなりワイド。ボンネットがほとんど視野に入らず、斜め後方や真後ろの視界も良くない。裏道の右左折、縦列駐車、車庫入れなどでは気を使う。この点を考えて、サイド&バックカメラを装着したこともあるだろう。
その代わり、シトロエンDS5のボディスタイルは、先に触れたとおり彫刻のようなダイナミックな仕上がりだ。実用指向を離れたことで、ほかのクルマとは違う特別なデザインを構築できた。コンパクトなシトロエンDS3、ミドルサイズのDS4にもこの傾向は見られるが、フラッグシップのDS5になると、インパクトはさらに強い。
シトロエンDS5のような、日本車とは価値観のまったく違うクルマが手に入ることは、輸入車を選ぶ一番の楽しさだろう。ドイツ車は高機能で魅力的だが、上質な移動のツールという印象が強い。
その点、シトロエンDS5は、デザインの楽しさとリラックスできる乗り味に重点を置いており、ドイツ車とは指向性が大きく異なる。
個人的には、余裕があったらシトロエンDS5のようなクルマを選ぶのも良いと思った。服装をオシャレに変えたい、休日をもっと楽しく過ごしたいと思っても、腰の重い性格だからなかなか変化を付けられない。
しかし、シトロエンDS5が愛車になれば、今の筆者の私生活とは世界観のギャップが激しすぎる。愛車の手前、何とか格好を付けたいと、アレコレ考えるのではないか。
クルマで人生を変えるとは情けない話だが、シトロエンDS5を眺めていたら、ちょっと頼ってみたい気分になってきた。
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