シトロエン DS5 試乗レポート/渡辺陽一郎(1/2)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
- カメラマン:オートックワン編集部
DS5って、どのジャンルに分類されるんだ!?
「このクルマは一体、どのジャンルに分類されるんだ!?」。シトロエンDS5を最初に見た時、筆者はそんなことを考えた。
クルマを趣味の対象とすれば、ジャンル分けなど大した意味を持たない。筆者の場合、合理的に車種選びをする方法ばかり考えているから、すべてのクルマをジャンルに当てはめようとする。悪いクセだ。
説明のためにあえて表現すれば、5ドアハッチバックとステーションワゴンの中間に位置付けられそうだが、外観のインパクトはジャンルを超越するほどに強い。フロントマスクには「ダブルシェブロン」と呼ばれるシトロエンではお馴染みのグリルが付くが、その両脇に備わるディスチャージヘッドランプとLEDポジションランプは、切れ長で精悍なデザインになる。
さらにボンネットの両脇には、「サーベルライン」と呼ばれる文字どおり剣のようなシャープなメッキパーツを装着。「ボンネットを長く見せる効果がある」と説明を受けたが、造形の斬新さに驚かされた。
ボディサイドでは、下側にもサーベルラインと呼応するようなクロームサイドモールが装着され、サイドビューに強いアクセントを与えている。 前後のフェンダーやドアパネルにはメリハリのある陰影が付き、クルマのボディというより彫刻のような印象を受けた。 このデザインは、「大きな岩を削ること」からスタートして、各部に磨きをかけ、柔らかい形になっていったのだという。「岩を削る」とは難しい表現だが、芯のある力強い造形であることは分かる。
後ろ姿も凝っていて、特にテールランプ付近は彫りの深いデザインだ。ズッシリと硬質な印象が伴う。
ちなみに今の日本車の外観を見ると、風船のような膨張感があったり、手触りの柔らかい樹脂を連想させるようなデザインが多い。気兼ねなく使えるように配慮したのだろうが、ジックリと見入るような造形ではない。シトロエンDS5の外観は、ほかのどのクルマにも似ていないが、とりわけ日本車との隔たりが大きいように感じる。
内装デザインのイメージは航空機のコクピット!
内装は外観ほどではないが、かなり個性的だ。デザインのイメージは航空機のコクピット。天井には3分割されたガラスルーフが備わり、車内の採光がとても良い。サンシェードのスイッチはフロントシートの頭上に装着され、これも航空機を思わせる。左右のフロントシートの間に収まるパワーウインドーのスイッチも同様だ。
フラットボトムなステアリングホイールは、操縦桿を思わせるデザイン。メーター上部の奥側には、透明のヘッドアップディスプレイが装着され、前方視界を損なわずに走行速度やクルーズコントロールの設定速度などを表示できる。
日本仕様のみの装備としては、ルームミラー内部の左側に、死角を補うカメラ映像を表示する機能も採用。ボディの背面、左前輪の左側の様子を映して安全性を高めている。
シートにも注目したい。クラブレザーシートをオプション装着すると、座面やバックレストが「ウォッチ・ストライプ」と呼ばれる腕時計のベルトをモチーフにしたデザインになる。これもなかなかオシャレだ。
居住性は、フロントシートはサイズが十分に確保されて快適。試乗車にはクラブレザーシートが装着されていたが、座り心地は柔軟で、体が適度に沈んだ部分でしっかりと支える。頭上の空間にも不足はない。
リアシートは床と座面の間隔が不足気味。身長170cmの同乗者が座ると、膝が持ち上がって大腿部が座面から離れる。フロントシートの下側に足が収まるのは良いが、もう少し床と座面の間隔を広げて欲しい。
このあたりは外観のデザインを優先させた結果でもあるが、シートの造り込みは良いから、工夫次第で快適になるだろう。
荷室の広さは、Lサイズの5ドアハッチバックらしく十分な容量を持つ。天井が後方に向けて下降するデザインだから、背の高い荷物は積みにくいが床面積は十分。リアゲートも大きく開き、使い勝手は良好だ。
愛車の売却を、もっと楽に!もっと高く!
-
一括査定はたくさんの買取店からの電話が面倒?
これまでの一括査定は、たくさんの買取店からの電話が面倒でした。MOTA車買取なら、最大20社の査定額をwebで簡単比較。やり取りするのは査定額上位の3社だけ。車の査定が楽に完結する仕組みです。
-
一括査定は本当に高く売れるの?
これまでは、買取店に会わないと査定額がわからず、比較がしづらい仕組みでした。MOTA車買取は最短3時間後、最大20社を簡単比較。加えて、買取店は査定額上位3社に選ばれるために競い合うから、どうしても高く売れてしまいます。