「WTCC(世界ツーリングカー選手権) in SUZUKA」レポート/遠藤イヅル(1/3)
- 筆者: 遠藤 イヅル
- カメラマン:プジョー・シトロエン・ジャポン/ホンダ
あのセバスチャン・ローブとシトロエンがWTCCへ乗り込んできた!
タイヤがむきだしになっているF1などのフォーミュラーカーと異なり、市販車に近い姿のまま戦う「ハコ」のレース。そのトップカテゴリーが、10/26(日)に鈴鹿サーキットを舞台に開催された「WTCC(世界ツーリングカー選手権)」です。WTCCは、かつてのETCC(ヨーロッパツーリングカー選手権)が世界選手権となってから今年で10年目を迎える歴史あるカテゴリー。5大陸で12レースを行うというビッグイベントで、激しいぶつかり合いが見られる白熱したバトルが繰り広げられることから、欧州を中心に世界でたいへん人気があります。
今年2014年には、WTCCには大きなトピックがありました。それはWRC(世界ラリー選手権)の常勝チーム「シトロエン・レーシング」と、そのエースドライバーだったセバスチャン・ローブがWTCCに乗り込んでくることでした。
参戦初年度のシトロエン、ドライバー・マニファクチャラーズ共に年間タイトルを獲得か!?
シトロエン・レーシングは第10戦中国ラウンドまでに19レース中15勝を挙げ、参戦初年度にしてなんとマニュファクチャラーズ・タイトルを獲得するという快挙を成し遂げ、最終戦の日本ラウンド・鈴鹿で残りドライバーズタイトルを決めるのみとなったのです。そんなシトロエンの鈴鹿での走りを応援すべく、シトロエン・ジャポンが企画された「GO!CITROEN鈴鹿観戦ツアー」に参加して参りましたので、こちらではその模様も併せてお届けいたします。
フランスの自動車メーカーの中でも特に独自性がありユニークなクルマを創り続けて来たシトロエン。モータースポーツのイメージはあまりないと思いますが、実は古くから積極的にラリーに参戦してきたメーカーです。あの名車DSも果敢にラリーを踏破し、好成績を収めてきました。そして昨今ではWRC(世界ラリー選手権)でセバスチャン・ローブが前人未到の9連覇を達成。もはや無敵のチームとなっていました。
そこで彼らは活躍の場所を、新しいフィールドとなるWTCCに移すことに決めました。ラリーではめっぽう強いメーカーでしたが、サーキットは意外にも初のチャレンジなのです。
ラリーのみならず、サーキットでも強かったシトロエン
でも、やはりシトロエンは速かった!
10/25(土)の15:30、決勝に向けて予選がスタート。WTCCの予選はまず20分間の「Q1」で13位以下の順位を決定、続いて10分間の「Q2」で今度は6位~12位を決め、最後は残り5台で最終順位のために1周のみアタックする方法を取ります。Q3でのたった1周の走りは、見ているこちらも手に汗握るものがありました。
結果、シトロエンはトップ3までを独占。1位はアルゼンチン人のロペス、2位は昨年のチャンピオン・ミューラー、そして3位にはローブが入りましたが、この3人の差はなんと0.15秒! 4位以下は2012年のメイクス覇者シボレー クルーズ、地元開催で気合いが入るホンダ シビックが続きます。
[いよいよ決勝戦! 手に汗握る波乱の展開は・・・次ページへ続く]
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