クライスラー 300 SRT8(2013年モデル) 試乗レポート/岡本幸一郎 -6.4リッターの強烈な加速Gに度肝を抜かれる!-(1/2)

クライスラー 300 SRT8(2013年モデル) 試乗レポート/岡本幸一郎 -6.4リッターの強烈な加速Gに度肝を抜かれる!-
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「Street and Racing Technology」を意味する「SRT」

旧モデルのクライスラー 300(日本名300C)クライスラー300 SRT8

クライスラーというのは、もともと古くからパワーをウリにしてきたメーカーだ。 1950年代、当時のアメリカ車として初めて300馬力を達成したことから、このクルマの遠い祖先に当たるモデルに「300」というネーミングが与えられた。

その後の話は長くなるので省くが、2004年に登場した旧型の300(日本での車名は「300C」)は北米で大ヒット。日本でも派手にカスタマイズした車両をよく見かけたものだった。

そして、旧300の後を受けて2012年11月より日本に導入されている現行300にも、旧300の後年と同様、ハイパフォーマンスモデルの「クライスラー・300 SRT8」が追加された。

「SRT」とは「Street and Racing Technology」の略称だ。

もともとクライスラーグループにおいてハイパフォーマンスモデルを手がけていた部門に、この名称が与えられたのが2002年のこと。以降、クライスラーグループのさまざまな車種のトップフパフォーマンスモデルに、この名称が与えられてきた。

そして2011年、SRTはグループ内で最高のパフォーマンスカーを開発および販売するブランドとして独立。2013年初頭に開催された東京オートサロンの場で、新生SRTブランドの第一弾として、「クライスラー300 SRT8」と「ジープ グランドチェロキー SRT8」を日本に導入する旨が発表された。

プレスリリースによると、SRTでは「驚愕のパワートレイン、卓越したライド、ハンドリングおよび機能性、ベンチマークとなっているブレーキ性能、アグレッシブさと機能性を兼ね備えたエクステリア、レースからインスピレーションを得たハイパフォーマンス・インテリアという5つのパフォーマンス指標に基づいて開発したモデルを手がける」としている。

ようするにSRTが訴求するのは、あくまで「パフォーマンス」ということだ。今回紹介するクライスラー・300 SRT8にも、上記のように全方位にわたってファイチューニングが施されている。

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HEMIが生む強烈な加速Gに度肝を抜かれる!

クライスラー300 SRT8クライスラー300 SRT8

今回の300 SRT8には、旧型よりも約300ccの拡大となる排気量6.4リッターのV型8気筒OHVエンジンが搭載されている。

エンジンスペックは、最高出力347kW[472ps]/6100rpm、最大トルク631Nm[64.3kgm]/4150rpmを誇る。

「HEMI(ヘミ)」というネーミングは、「Hemispherical」すなわち半球形を意味し、これは燃焼室の形状が効率に優れる半球形になっていることに由来する。さらに、最新のHEMIには気筒あたり2本のスパークプラグを持つデュアルイグニッション、可変バルブタイミングなどの性能向上のための機構が与えられている。

さっそく走らせてみた。

軽くアクセルを踏んだだけでも、2トンを超える車体であること感じさせないほどを軽々と車速を上げていき、タダモノではないことをうかがわせる。いかにもV8らしいビート感はあるが、いわゆるアメリカンV8というよりも、もっと現代的な調律された印象のサウンドを奏でる。

速さだけでなく聴覚的にも、この音を味わえるところもこのクルマの楽しみのひとつだ。そしてグッと踏み込んでみたところ、強烈な加速Gに度肝を抜かれた。

クライスラー300 SRT8

突き抜けるような速さ!

0-100km/h加速は4秒台後半とのことで、もちろんかなり速いのだが、体感的にはさらに速いのでは感じたほどだ。

いまやガソリンエンジンのダウンサイジング直噴ターボ化が進んで、ドイツの高性能モデルを見渡しても、自然吸気エンジンというのは減りつつあるところだが、気持ちよさでいうと、大排気量の自然吸気エンジンに勝るものはないのでは?ということをあらためて痛感した次第である。

一方で、フューエルセイバーテクノロジーとアクティブエキゾーストバルブシステムなどを盛り込んだ。負荷の少ない状況で4気筒を休止させてもスムーズな走りを実現している先進的なエンジンでもある。

大人しい走り方も試してみたところ、メーター内に「ECO」と表示されることで気筒休止していることが確認できるのだが、まったく違和感を覚えることはなかった。

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岡本 幸一郎
筆者岡本 幸一郎

ビデオ「ベストモータリング」の制作、雑誌編集者を経てモータージャーナリストに転身。新車誌、チューニングカー誌や各種専門誌にて原稿執筆の他、映像制作や携帯コンテンツなどのプロデュースまで各方面にて活動中。記事一覧を見る

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