クライスラー 300 SRT8/ジープ グランドチェロキー SRT8 2013年モデル 試乗レポート/渡辺陽一郎(1/2)

クライスラー 300 SRT8/ジープ グランドチェロキー SRT8 2013年モデル 試乗レポート/渡辺陽一郎
ジープ グランドチェロキー SRT8(左)とクライスラー 300 SRT8(右) クライスラー 300 SRT8(左)とジープ グランド チェロキー SRT8(右奥)の走行シーン クライスラー 300 SRT8[ボディカラー:グロスブラック] クライスラー 300 SRT8 エクステリア・フロント正面 クライスラー 300 SRT8 エクステリア・サイドビュー クライスラー 300 SRT8 エクステリア・リア正面 クライスラー 300 SRT8 エクステリア・リア クライスラー 300 SRT8 リアコンビランプ・「SRT8」エンブレム クライスラー 300 SRT8 245/45ZR20タイヤ+20インチアルミホイール クライスラー 300 SRT8 アダプティブバイキセノンヘッドライト+LEDクリアランスランプ クライスラー 300 SRT8 V型8気筒OHV 6.4リッター「HEMI」エンジン 画像ギャラリーはこちら

超高性能版「SRT8」2モデルに緊急試乗

クライスラー 300 SRT8 リアコンビランプ・「SRT8」エンブレム

新型6.4リッターHEMIエンジンを搭載した、最新「クライスラー 300」/「ジープ グランドチェロキー」の超高性能モデル「SRT8」がいよいよ日本にやってきた! SRTとは「Street and Racing Technology」の略。レースフィールドのみならず、公道でも実感できる驚きのハイパフォーマンスについて、神奈川・大磯で行われたJAIA試乗会場から興奮のレポートをお届けする。

床までアクセルを踏み込むのが恐い!

という気分にさせられたのが、「クライスラー300 SRT8」。凄いですよ、この加速感は。軽くアクセルを踏んだだけでも、「ズバッ!」と前に飛び出そうとする。後退する時も同じ。昨今のいろいろな状況を考えると、ATレバーが「R」に入っている時は、もう少しスロットルを絞っても良いだろうと思ったくらい。

クライスラー 300 SRT8[ボディカラー:グロスブラック]クライスラー 300 SRT8 エクステリア・フロント正面クライスラー 300 SRT8 エクステリア・サイドビュークライスラー 300 SRT8 エクステリア・リア正面クライスラー 300 SRT8 エクステリア・リア

21世紀の新しい設計思想で造られたV8 6.4 OHV「HEMI」エンジン

クライスラー 300 SRT8 V型8気筒OHV 6.4リッター「HEMI」エンジンクライスラー 300 SRT8 245/45ZR20タイヤ+20インチアルミホイール

搭載する「HEMI(ヘミ)」エンジンは、V型8気筒の6.4リッターOHV。21世紀に入ってから登場した新しいOHV(オーバー・ヘッド・バルブ)だ。

今の日本車や欧州車のエンジンは、どれもDOHC(ダブル・オーバー・ヘッド・カムシャフト)かSOHC。シリンダーの上部にカムシャフトを通してバルブを開閉する。ところが300SRT8の6.4リッターエンジンは、OHVだからカムシャフトがシリンダーの脇にある。長い棒状のプッシュロッドを介してバルブを動かす仕組みだ。シリンダーの上部が動弁機能で複雑になる前の、シンプルだった時代のレイアウトを踏襲した。

そこに可変カムタイミング機能など、最新の技術を投入したのだから面白い。デジタル時代のフィルム式カメラ、アナログレコードのようなこだわりが感じられ、昭和ドップリなオジサンはゾクゾクしてしまう。

その力、まさに2リッター車3台分・・・!

クライスラー 300 SRT8 試乗レポート3

まずは発進すると、1500回転くらいでトロトロと走らせながら耳を澄ませる。あのOHV特有のシャカシャカしたメカニカルノイズは聞こえるだろうか…。

耳を澄ませるほどに、太い排気音とか、いろいろな音が耳に入ってきた。ちょっとうるさいね、このエンジン、ってそういう話ではなく、聴きたいのは懐かしいOHVの音なのだが、判別しにくかった。

低い回転域でも、300SRT8はズンズンと力強く進んで行く。やがて広い道に出たのでアクセルを踏み増すと、2500回転も回せば、もはや加速性能は十分だ。最高出力は472馬力(6100回転)、最大トルクは64.3kg-m(4150回転)で、排気量と同じく2リッターエンジン3台分に相当する性能だから当然か。

クライスラー 300 SRT8 試乗レポート4

ならばフルにアクセルを踏み込めばどうなるのかと試せば、ドゥヴァバババ~ッ! という排気音とともに駆動力が沸き上がり、まさに怒涛の加速が始まった。タイムを競えばGT-Rの方が速いのだろうが、粗削りな迫力、異次元感覚なら断然300SRT8。4000回転を超えた領域ではさらに加速力が増し、「ホントにOHVですかぁ?」と驚く。

2速にシフトアップしても怒涛の加速は続いたが、速度の上昇も物凄く、4000回転を超える前にそそくさとアクセルを戻した。一般公道でフル加速を試すのはチト危ない。

大径20インチの走り、乗り心地はどうか

クライスラー 300 SRT8 運転席・インパネ周り

乗り心地はどうか。動力性能からはガッチガチの足まわりを連想したが、意外に粗さは感じない。タイヤは20インチ(245/45ZR20)のグッドイヤー・イーグルRS-Aで、もちろん硬めの設定ではあるが、突き上げ感は伴わない。サスペンションの選択スイッチを「オートモード」にしておけば、ごく普通にドライブを楽しめる。

走行安定性にも特に不満はない。小さな舵角から正確に反応するドイツ車的な上質感とは異なるが、2020kgの車両重量を特に意識することはなかった。ベースのクライスラー300は比較的素性の良いクルマで、高性能モデルにも仕立てやすいのだろう。

(次ページへ続く)

クライスラー 300 SRT8 荷室・ラゲッジクライスラー 300 SRT8 デュアルペイン パノラミックサンルーフクライスラー 300 SRT8 リアシートクライスラー 300 SRT8 フロントシート(レッドレザー・SRTロゴ入りナッパレザー/スエードコンビシート)クライスラー 300 SRT8 インパネ・インテリア周り
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渡辺 陽一郎
筆者渡辺 陽一郎

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心がけている。記事一覧を見る

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