クライスラー 300 SRT8/ジープ グランドチェロキー SRT8 2013年モデル 試乗レポート/渡辺陽一郎(2/2)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
- カメラマン:茂呂幸正
背が高く車重の重いグランドチェロキーにV8 6.4リッター「HEMI」が載ると・・・
クライスラー300 SRT8のV型8気筒6.4リッターOHV「HEMI」エンジンは、ジープの「グランドチェロキー」にも搭載される。グレード名はクライスラー300と同じSRT8。同じエンジンがSUVに積まれたらどうなるのか。「グランドチェロキー SRT8」にも試乗した。
動力性能の数値は300SRT8と少し異なり、最高出力は468馬力(6250回転)、最大トルクは63.6kg-m(4100回転)になる。わずかにチェロキーの数値が下がるが、大した違いではない。
走りに影響を与えるのは、むしろSUVになることだ。全高は1750mmだから、300SRT8よりは300mm近く背が高い。車両重量も400kg近く重い2400kgになる。
ベースモデル+400kg増など、モノともしない超絶加速!
3.6リッターのV型6気筒エンジンなら、400kgの重量差は運転感覚にも違いを与えるだろう。しかし、6.4リッターのV型8気筒となれば、この程度の重量差はまったく相手にしない。5速ATの最終減速比を300SRT8の3.067から3.700にローギヤード化したこともあり、アクセルを踏み込むと、やはり怒涛の加速が始まった。
そして195mmの最低地上高(路面とボディの最も低い部分との間隔)を確保したから、120mmしかない300SRT8に比べると、当然ながら目線が高まる。そこに怒涛の加速が加われば、違和感は超絶的だ。
目線が高い分だけ、アクセルを踏み込んだ時の車両前方の持ち上がり方も大きく感じられ、「さあ走るぞーっ!」という意気込みも盛り上がる。次に訪れたのは不安感。腰高なボディから見える風景が、急速に後ろへ流れ去るからだ。
グランドチェロキーの素直な運転感覚をそのまま継承
しかし、実際には意外なほど安定している。フルタイム4WDの効果も大きいだろう。試しにコーナーでアクセルを踏み込んでも、ハンドルの舵角に応じてグイッと確実に回り込む。挙動の乱れに慌てる心配はない。
過去を振り返れば、グランドチェロキーは、2世代前からアメリカンSUVの中では運転感覚の素直なクルマだった。ルーズな印象が抑えられ、アメリカンSUVらしいリラックス感覚を味わいつつ、普通に運転できた。この特徴を現行型も継承しているから、6.4リッターエンジンを積んでもまとまりが良い。
車種によらず、高性能モデルではベース車の素性が大切。それは「スイフトスポーツ」、「インプレッサWRX STI」といった日本車にも当てはまる。
エコカー全盛の時代だからこそ、今あえて選ぶ価値のある2台
それにしてもインパクトの強い試乗であった。最近試乗したクルマといえば、シルフィ、ムーヴ、ハイブリッドが注目されるクラウンなどで、どれもこれもエコロジーがキーワードになる。
その点、この2車はV8の6.4リッターエンジンを搭載し、JC08モード燃費は300SRT8が5.9km/L、グランドチェロキーSRT8は5.3km/Lだ。エンジンの排気量や動力性能の数値と同じく、燃料消費量も2リッタークラスの約3倍に相当する。
まだ残っているんですねぇ、こういうクルマが。でもこのご時勢、おそらく長くは続かない。こんな生粋のアメリカン・パフォーマンスカー、今のうちに味わっておくのが良いでしょう!
[レポート:渡辺陽一郎/Photo:茂呂幸正]
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