これを買えばトランプさんも喜ぶ!?「キャデラック CT6 プラチナム」にアメ車人気復活の糸口はあるのか(3/3)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
- カメラマン:茂呂幸正
旧来の”キャデラックらしさ”は皆無だが、欧州流に良く出来た高級サルーンだ
キャデラック CT6に搭載されるエンジンはV型6気筒の3.6リッターで、直噴式の採用により4リッタークラスの性能を発揮する。ATは8速だからパワーを有効活用しやすい。
ただしエンジンの性格は、いわゆる実用トルク型ではない。最高出力は340馬力(6900回転)、最大トルクは39.4kg-m(5300回転)だ。実用回転域の駆動力も相応に高く扱いやすいが、往年のアメリカ車を思わせる低回転域の太いトルク感はない。
車両重量は1920kgと重いが、前述のように4WDが採用され、走行安定性は十分に確保している。
運転して意外に感じたのは、重量級のボディを備えながら、操舵感が小さな舵角から機敏なことだ。前輪側のグリップ性能も高くメリハリが良い。カーブを曲がる時にボディを大きく傾かせた往年のLサイズキャデラックとは、性格がまったく違う。
乗り心地も同様だ。2トン近いボディでプラットフォームも新しいから粗さは感じないが、タイヤサイズは20インチ。指定空気圧は220kPaで常識的な範囲に収まるものの、柔軟な乗り心地ではない。重厚感の伴う走行安定性の優れた足まわりを備え、走りは総じて欧州車風だ。
もっと”アメ車”を、もっと”キャデラック”を感じさせるクルマに乗ってみたい
結論をいえば、ここ日本でキャデラック CT6を買うのは相当にマニアックな選択肢だと言わざるを得ない。ブランドの再構築に乗り出した新世代のキャデラックファンが、以前のSTSなどから代替えするのに適している。
ただし価格は前述のように998万円で、「メルセデス・ベンツ Sクラス S300h」と同額だ。S300hは2.2リッターのクリーンディーゼルターボをベースにしたハイブリッドを搭載して、最大トルクは51kg-m(1600~1800回転)に達する。JC08モード燃費は20.7km/Lだから、軽油の安さも考えると燃料代は1.3~1.5リッターの国産コンパクトカーと同等だ。もちろん安全装備や運転支援の機能も進歩している。そのほかのライバルとしては、「ジャガー XJ」も2リッターターボの”ラグジュアリー”を997万円で用意した。
「日本でほとんどアメリカ車を買わない不公平」を解消するなら、日本向けのブランド戦略が重要になる。それは決して新しい試みではない。先に述べたノスタルジックなアメリカ車の復活だ。
「キャデラック フリートウッド」、「ブロアム」、「エルドラドクーペ」&「コンバーチブル」・・・。あれこそが日本の求めるアメリカ車の姿だ。マスタングやカマロのように、そうしたキャデラックの”名車”もぜひ現代に蘇らせて欲しい。
[レポート:渡辺陽一郎/Photo:茂呂幸正]
CADILLAC CTS SEDAN Platinum[4WD] 主要諸元
全長x全幅x全高:5190x1885x1495mm/ホイールベース:3110mm/車両重量:1920kg/乗車定員:5名/駆動方式:フルタイム4WD(全輪駆動)/ステアリング位置:左/エンジン種類:V型6気筒 DOHC ガソリン直噴エンジン/総排気量:3649cc/最高出力:340ps(250kW)/6900rpm/最大トルク:39.4kg-m(386N・m)/5300rpm/トランスミッション:8速オートマチックトランスミッション/使用燃料:無鉛プレミアムガソリン/燃料タンク容量:72リットル/燃料消費率:不明[JC08モード燃費]/サスペンション形式:(前)ウィッシュボーン式(後)マルチリンク式/タイヤサイズ:245/40R20 95W(前後)/メーカー希望小売価格:9,980,000円(消費税込)
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