BMW M6 グランクーペ 試乗レポート／石川真禧照(2/2)

試乗車には高価だが有効なオプションが多数搭載

試乗したBMW M6グランクーペは、多くのオプションパーツを備えていた。

そのなかでも圧巻だったのが、Mカーボン セラミック ブレーキシステム。走り出して最初にブレーキを踏んだときは、その場で停まってしまうほどの強烈な制動力を体感させてくれた。慣れてくると、この制動力を生かせばフツーのブレーキの半分の距離で、減速、停止することができる。ただし、オプション価格も116万円とそれなりだ。

ちなみにタイヤ／ホイールはフロントが265/35R20、リアは295/30R20。これもタイヤ交換はかなり高額だろう。

ハンドリングや乗り心地に関しては、電子制御サスのダイナミック ダンピング コントロールやアクティブMディファレンシャル ドライビングパフォーマンスコントロールで走行条件に合うモードを選択すれば、エンジンパフォーマンス、サスペンションセッティング、ハンドル操作などを変えることができる。

贅沢で美しく、極めてスポーティで、それでいて実用的

4ドアハードトップ(4ドアクーペ)というボディ形状だが、同じ形状のメルセデス・ベンツ CLSよりも、こちらM6グランクーペのほうが室内は広い。とくにリアシートは乗降時こそドア上縁に頭をぶつけることはあるが、座ってしまえば身長170cmでも快適に過ごせる空間が確保されている。シートは中央部もあるが、コンソールが延びており、事実上左右1名ずつが定員になる。

実用面ではリアシートの背もたれは6対4で分割、前倒しができ、トランクと室内を一体化して使うこともできる。試乗車の室内はブラウンとブラックでコーディネイトされたBMW Individualのフル レザー メリノを用いているが、このオプション価格も110万円！ さらに試乗車に塗られ、独特の威光を放っていたBMW Individualのツヤ消しボディカラー「フローズンシルバー」は特別色で60万5千円だ！

BMWのM6グランクーペは、大人4名が長距離走行でき、実用性も高く、美しいスタイリングのスーパースポーツ。実に贅沢で、実に欲張りなクルマである。富豪のプライベートタイム用として、ベストな1台といえそうだ。

[レポート：石川真禧照]

BMW M6グランクーペ　主要諸元

全長x全幅x全高：5,015x1,900x1,395mm／ホイールベース：2,965mm／車両重量：1,990kg／乗車定員：5名／エンジン種類：V型8気筒DOHC Mツインパワー・ターボ／総排気量：4,394cc／最高出力：560ps(412kW)/6,000rpm(EEC)／最大トルク：69.3kg-m(680N･m)/1,500-5,750rpm(EEC)／トランスミッション：7速 M DCT Drivelogic(ダブル クラッチ トランスミッション)／車両本体価格：17,300,000円[消費税込み]

※試乗・撮影車にはイノベーションパッケージ[450,000円：レーンデパーチャーウォーニング(車線逸脱警告システム)／前車接近警告機能／レーンチェンジウォーニング／BMWナイトビジョン(歩行者検知機能付)]／Mカーボンセラミックブレーキシステム[1,160,000円]／4ゾーンオートマチックエアーコンディショナー[110,000円]／バルグ＆オルフセンハイエンドサラウンドシステム[600,000円：1200W16スピーカー／7.1チャンネルサラウンド]／BMW Individual インテリアトリム／ピアノフィニッシュブラック[100,000円]／BMW Individual フルレザーメリノ／コイーバ・ブラウン/ブラック[1,100,000円]／BMW Individual ボディカラー／フローズンシルバー[665,000円]／ノンスモーカーパッケージ[0円]、合計4,185,000円を追加装備。併せて車両トータルの合計価格は21,485,000円。

(本文中表示の価格は全て消費税込み)