BMW M6 海外試乗レポート(2/3)
- 筆者: 河村 康彦
- カメラマン:BMW グループ・ジャパン
血縁関係の色濃い5シリーズと6シリーズ
そんなM6の走りの実力のほどを紹介して行く前に、まずはこのクルマの位置付け、アウトラインをもう少し深く掘り下げて見ることにしよう。
2シーターのオープン・モデルであったZ8がカタログ上から姿を消して久しい現在、BMWラインナップ全体のイメージ牽引役を担うのがラグジュアリーな2ドア・クーペの6シリーズ。中でも、シリーズのトップモデルとしてこれまで6シリーズのイメージリーダーとなってきたのが、8気筒エンジン搭載の645Ciだった。645Ciの4.4リッターのV8エンジンが生み出す最高出力は333ps。すでにこのモデルでも抵抗なく『フラッグシップ』と呼ぶに相応しい高い走りのポテンシャルの持ち主であった事は、こうしたデータからもすんなりと納得して貰えるはずだ。
ところが、M6のカタログに並ぶスペックは、そんなこれまでのフラッグシップであった645Ciの数値すらも霞んで見せてしまう。90度のバンク角を備えるV10エンジンが発生する最高出力は、実に507ps! しかも、5リッターという大排気量ユニットでありながら最高出力を7,750rpmという極めて高い回転数で発生させる点に、このクルマに用いられた高回転・高出力テクノロジーが並大抵のものではない事が無言のうちに示される。
“M”の頭文字が与えられたBMW車が、モータースポーツのシーンと深いかかわりを持った特別なモデルであるというのはもうご存知の通りの事柄。そして、現在のBMWを代表するモータースポーツといえば、それはもちろんF1だ。
M5/M6に搭載される『V型10気筒』という心臓のデザインが、やはりV10エンジンを積む現代のF1マシンとリンクをしたものである事は当然偶然などではないはず。そう、いずれはV8に限定をしたい、という現在浮上中のF1のレギュレーション変更案に対し、ウイリアムズBMWチームが「強硬に反対をしている」とされるのも、まさにBMWの市販モデル戦略と利害が反するからと考えるのが自然だ。
そんなV10エンジンはもちろんの事、M6は他にも多くのアイテムをM5から譲り受けている。すでに紹介済みの7速SMGやその差動制限率を可変としたディファレンシャル・ギア(“Mディファレンシャル”)、コンフォート、ノーマル、スポーツ、と3つのポジションを備えた可変減衰力ダンパーなどがそれらに該当。フロント・セクションの骨格部分を全てアルミ化した“ハイブリッド・ボディ”を共に採用するなどそもそも血縁関係の色濃い5シリーズと6シリーズだが、そんな血のつながりというのはM5とM6との間にはいよいよ際立つ事になる。
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