アウディ TTロードスター 試乗レポート
- 筆者: 日下部 保雄
- カメラマン:原田淳
スポーツへの拘り。アウディ TTロードスター
アウディTTは、98年に登場した2シータークーペだが、TTが異彩を放ったのはそのユニークなスタイルだ。これほどユニークなデザインはそれ以前にも以後にも出ていない。
現行のTTは初代の遺伝子を受け継いで、昨年登場したモデルだが、スポーツカーの重要な要件である重量にフューチャーしてボディをアルミ化した。その結果、サイズアップされたにもかかわらず、TTクーペの2.0TFSIは現代のクルマとして1340kgに過ぎない軽さだ。FFでありながら軽快なハンドリングはこの軽量コンセプトが大きな影響を与えている。
クーペをベースにして作り上げられたのがTTロードスターだ。オープンはボディを補強する関係で重量が増えるがTTロードスターは70kg増に抑えられている。最近はクーペ・カブリオレが流行っているが、TTロードスターでは重量増を嫌ってソフトトップとしている。ここにもスポーツへの拘りがある。
クーペよりもむしろロードスターに俊敏性を感じる
初代の鮮烈でインパクトあるデザインはサイズアップされた2代目になり薄められたが、一目でTTと分かるデザインテーマは変らない。1830mmの全幅はコンパクトな初代に比較するとちょっとサイズを感じさせる。しかしロードスターは4,180mmの全長と僅か1,365mmに過ぎない全高で、かなりシャープに見える。クーペよりもむしろロードスターに俊敏性を感じることが出来る。
サイズアップはコックピットの余裕をもたらした。ヘッドクリアランス、肩回り、そして余裕のある操作系などはタイトなスポーツカー感覚の中にもユッタリとしてユトリを感じさせる。またステアリングホイールは下側がフラットになって太ももとの干渉を避けているが日本人の体格では実際の必要性はそれほどないだろう。ぐるぐる回す時にはちょっと違和感を覚えた。操作系はより便利に使いやすくなっている。
オープンボディでも妥協はない
TTロードスターのエンジンは一機種。すなわち200ps/28.5kg-mの2リッター直噴ターボのみ。駆動方式はFFだ。組合されるトランスミッションはクーペ同様、6速のSトロニックとなる。
エンジンはさすがにトルクがあってグイグイと引っ張ってくれるところはターボらしい。しかも自然な吹け上がりで、レスポンスもスポーツカーとして納得の行くものだ。急発進をすると一瞬ホイールスピンするところはFFの宿命だがESPが押さえ込む。気持ちいいのはシフトアップした時にボッという燃焼音が一瞬は入ることで、もし作為的にやっているとしたらなかなか泣かせる演出だ。
ボディはクーペに負けず劣らずの剛性をひねり出しており、ワインディングロードでもクルマとドライバーの一体感はまったくそこなわれないのは嬉しい。オープンボディでも妥協はない。マグネティックライドはダンパー内の磁性によって減衰力を変えるこれまでのダンパーの概念を変えるものだ。ハードにするとかなりゴツゴツ感があるがロールはかなり抑えられる。瞬時に変化するので非常にメリハリのあるシステムで、ややフリクションは大きいものの変化を求めるドライバーにはお勧めだ。
ドライビングそのものが目的になるクルマだ
TTロードスターはシュアな電動パワーステアリング、ライントレース性に優れたシャシー、一体感のあるボディ剛性、優れたトランスミッションとエンジン、それらが気持ちのよいリズムを作って、ドライビングそのものが目的になるクルマだ。
いつでもソフトトップを下げて爽快な空気を感じると、「クルマっていいなぁ~」と改めて思うに違いない。しかし何でもオープンモデルがいいというものではない。やはり基本の性能がしっかりしており、オリジナルにドライビング・プレジャーがなければオープンにしたところで喜びは半減だ。
言うまでもなく現代のクルマの基本性能は非常に高い。今後さらに進化していくのは間違いない。今や機械的な性能はもはやサーキットでもない限り、試せないスポーツモデルも少なくない。振り返ってオープンは陽を感じ、においを感じ、空気を感じて走る乗り物だ。前述の条件を整えていれば、オープンの可能性はこれからとっても大きいと思う。もしかしたらギスギスした交通環境が変るかもしれない。
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