アウディ 新型S6 試乗レポート/大谷達也(2/3)
- 筆者: 大谷 達也
- カメラマン:アウディジャパン株式会社
4リッターV8ツインターボを搭載しながらも燃費は10km/L超え!
この新型S6、何がすごいかというと、最近のアウディらしく、とにかくハイテク満載なのである。
まずエンジンは、4リッターV8のツインターボ直噴エンジン。普通だったらVバンクの外側に置かれている排気系を内側に収めた新しいレイアウトが採用されている。別の言い方をすると、従来は内側から空気を吸い込んで外側に吐いていたのに対し、今度は外側から吸い込んで内側に吐き出す構成としたのだ。
こうすると、ターボからインテークマニフォールドまでの距離を短くできるのでエンジンのレスポンスがより鋭くなるメリットがあるらしい。さらに、エンジンの負荷が小さいときは8気筒のうちの4気筒を休ませて、実質的に4気筒と同じように働かせる“シリンダーオンデマンドシステム”という技術も採り入れている。
ものすごくシンプルに説明しちゃうと、これは4リッターの排気量を一時的に半分の2リッターにしちゃうようなもの。だから、燃費がぐんと良くなるのは当然のこと。
いっぽうで8気筒が4気筒になると振動が増えるんじゃないかと心配になるけれど、新型S6はエンジンマウント自身が自分で振動を打ち消しちゃう“アクティブエンジンマウント”や、不快なエンジン音をやはり電子的に打ち消す“アクティブノイズコントロール”を装備。
誰にも気づかれないうちに8気筒から4気筒へ、そして4気筒から8気筒へと切り替えてしまう静けさとスムーズさを手に入れているのだ。
ほかのエコ技術をついでに挙げておくと、アイドリング時にエンジンが自動的に止まるスタート/ストップシステム、そして減速時などには積極的にオルタネーターを回して発電量を増やすエネルギー回生システムなどを装備。
ボディ全体の約20%にアルミニウムを用いて1,895kg(アヴァントは1,950kg)と軽量に仕上げた恩恵も手伝って、ヨーロッパ式の燃費計測方法では10km/Lを越す経済性、そしてエコ性能を手に入れている。
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