メルセデス・ベンツ E63AMG 試乗レポート(1/3)
- 筆者: 岡本 幸一郎
- カメラマン:茂呂幸正
「高級」「高性能」「日常性」の巧みなバランス
もともと独自にメルセデス車を駆るレーシングチューナーであったAMGが、その傍らでメルセデスの市販車のカスタマイズを手がけ始めると、両社の関係は徐々に親密度を深めていき、やがてそれは公式のものとなる。
そして1999年、AMGが正式にメルセデスの傘下に入るや、メルセデスの大半の車種に「AMG」の名を冠した最上級モデルがラインアップされるようになった。
一連のAMG車には、これまでもたびたび試乗の機会を得てきたが、そのたびにため息と感嘆符の連続であった。AMGが高級車として世界中のセレブに愛されているのは、たんにメルセデスの最上級であるからにとどまらず、本当に「素晴らしい高級車」であるからだろう。
それはまず性能が「高級」だからに違いない。圧倒的性能を持つパワーユニットによる高い動力性能しかり、優れたハンドリングによる運動性能しかり。それを高級かつ快適な居住空間に包まれつつ、何もわずらわしい思いをすることなく、ごく普通に扱いながら味わえるところが偉い。
「高級」で「高性能」、そして「日常性」を巧みにバランスさせているところに、まずAMGのスゴさがある。そして、このたび現行W212型のEクラスをベースとする最新のE63をドライブするチャンスに恵まれた。
価格は1,495万円と、先代W211型のE63に対して少し上昇。参考までに、C63が1,060万円、CLS63が1,543万円、S63が2,230万円で、AMGではないE550アバンギャルドが1,080万円となっている(すべてセダンの価格)。
S63、SL63、CL63などと同じ最高出力386kW[524ps]/6,800rpm、最大トルク630Nm[64.2kgm]/5,200rpmというエンジンスペックは、6.3リッターV8における現状のトップパフォーマンスとなる(なぜか公表値の「kW」は同じものの、「ps」の数値に若干の差があるのだが・・・)。
ちなみに、ヒエラルキーか車両重量のせいか、C63では最高出力336kW[457ps]/6,800rpm、最大トルク600Nm[61.2kgm]/5,000rpmとなっているし、一世代前の仕様のCLS63や、SUVのML63も、2010年2月時点では、微妙にピークパワーが低めとなっている。
一般的に排気量の大きなエンジンは、内部ムービングパーツの重量や摺動面の抵抗が増えるため、ロスが大きくなり、高回転まで回すことが難しくなるものだ。ところがこのエンジンは、レーシングテクノロジーの注入により、6リッターを超える排気量を持つエンジンとしては異例の7,200rpmという高い回転にも耐える。
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