メルセデス・ベンツ E63AMG 試乗レポート(2/3)
- 筆者: 岡本 幸一郎
- カメラマン:茂呂幸正
ドライブフィールはスポーツカーそのもの
早速試乗してみたが、V8ユニットは重低音を奏でつつ全域にわたり図太いトルクを吐き出し、踏み込めばもっと排気量の小さいスポーツユニットのように、なんの抵抗感もなく吹けきってしまう。
過給機付きエンジンの豪快なフィーリングもそれはそれで好きだが、個人的にもずっと思っている「大排気量の自然吸気エンジンに勝るものナシ」という信念を象徴するエンジンだ。
トランスミッションは、7Gトロニックにおけるトルコンに換えて湿式多板クラッチを用いたAMGスピードシフトMCTが組み合わされるのはSL63と同じ。
ただし、フロアセレクターを左右に動かしてマニュアルシフトできるティップシフトは廃され、ステアリング裏のシフトパドルに集約されている。
変速モードは、コンフォートのほか、スポーツ、スポーツプラス、マニュアルの4つが用意されていて、スポーツプラス以上でシフトダウン時にブリッピング(空吹かし)を行なう。
好みに応じて、ときにはATのようにリラックスして乗れるし、いざとなれば人間が操作したMTよりもはるかに素早いシフトチェンジを任せられる。
また、「RS(レーススタート)」を選ぶと、アクセルを踏んでブレーキを離すだけで、誰でもイージーに最大限のゼロスタートを楽しむこともできる。加えて、同機構は燃費面でも有利。10・15モード燃費で6.1km/Lというのは、褒められた数字でもないが、先代E63に比べると1割ほど向上しているのだ。
シャシーも大きく変更されている。フロントフェンダーの拡幅からも一目瞭然だが、フロントサスペンションはワイドトレッド化した専用品が与えられる。ステアリングは可変ギアレシオを廃するとともに、通常のEクラスより22%もクイックとし、ステアリングコラムの剛性強化、車速感応サーボの特性変更なども行なっている。
また、サスペンションは、W211では4輪AIRマチックだったのに対し、W212ではリアをエアサスのまま、ステアリングのダイレクト感にこだわりコイルサスとしたとう点も大いに注目に値する。
一連の変更によるドライブフィールの変化は明快だ。
メルセデスらしいステアリングの精度感や高い安定性を損なうことなく、大幅に俊敏性が増している。通常のW212ではやや気になった応答遅れや、接地感の希薄な印象も見事に払拭されている。この感覚はスポーツカーそのもので、とても車両重量が2トン近くあるクルマとは思えない。
高い動力性能を御するために与えられた高性能ブレーキも強力そのもので、一般走行ではありあまるキャパシティを持つ。とくにフロントにはレースでも使われるコンポジットディスクがおごられる。おそらくサーキットを本気で攻めても、そう簡単に音を上げることはないだろう。
スポーツ走行も視野に入れた3ステージESPは、2番目に調整すると若干のパワーオーバーステアを許容する。カウンターステア量にしてほんのわずか。そこで介入して安定した姿勢にもどすのだが、この部分があるとないとでは、いわゆる「おしおき制御」と感じるかどうかの分かれ道。
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