メルセデス・ベンツ C63 AMG クーペ 試乗レポート/岡本幸一郎(1/3)
- 筆者: 岡本 幸一郎
- カメラマン:オートックワン編集部
今でこそAMGはメルセデスのラインアップにおいて別格的存在のトップグレードとして位置づけられているが、実はもともとAMGというのはメルセデスとは別の組織だった。
1967年に設立されたAMGは、当初はレース一筋の硬派なエンジンチューナーとして実績を積む傍らで、アフターマーケットにおいてメルセデスの市販車のチューニングを手掛け始めた。その手腕がメルセデスに認められ、ほどなく両社の関係は公式的なものとなり、80年代にはメルセデスへのパーツ供給や、メルセデスの市販車をベースとするコンプリートモデルの販売を行なうようになる。
さらに、93年の「AMG C36」を皮切りに、90年代中盤にはAMGとメルセデスの共同開発モデルが相次いでラインアップするや、ついに99年、AMGはメルセデス本体の傘下に収まり、その一部門となった。現在では一部を除くメルセデスの大半の車種にAMGモデルがラインアップされるまでになっている。現行Cクラスにも、これまで「C63AMG」のセダンとワゴンがあったところに新たにクーペが加わったわけだ。
実車を目のあたりにすると、スタンダードのCクラスクーペよりもずっと精悍な表情のフロントマスクや、ワイド化されたフェンダーが迫力満点だ。
リアビューも、左右両サイドのデュアルマフラーやディフューザーを備えたバンパーなど、よりアグレッシブなデザインとされているのは一目瞭然。これまでは4枚ドアのモデルのみだったところ、2ドアのスタイリッシュなクーペフォルムを手に入れたC63AMGは、やはりスポーティな雰囲気が一気に高まり、AMGのアイデンティティであるスポーティさとダイナミックさも、より際立って目に映る。
タダモノではないオーラを全身から放っているので、それほどサイズは大きくはないのに、その存在感の大きさは絶大だ。
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