アルファロメオ アルファブレラ 海外試乗レポート(2/3)

  • 筆者: 西川 淳
  • カメラマン:フィアット・オート・ジャパン
アルファロメオ アルファブレラ 海外試乗レポート
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コンセプトカーを非常に高いレベルで再現

ブレラコンセプトを見て気に入った人を裏切らないスタイリングになったことを、素直に喜びたい。コンセプトカーと異なるのは、前ヒンジのカウンタックドアでないこととミラーデザインぐらい。ガラスルーフやリアセクションの造形など、コンセプトカーとほぼ同じイメージに、非常に高い再現性をみせた。特にガラスルーフはすべてのモデルに標準で、ルーフインナーライナーを3分割で開くシステムのみオプションだ。これも、コンセプトカーのあのデザイン性を重視した結果である。

ただし、中身=メカニズムはコンセプトカーと随分違う。ブレラコンセプトはマセラティクーペベースのV8トランスアクスルミッションのFRであったが、市販ブレラは159ベースのFFである。これは早くから言われてきたことなので、アルファ好きにとってはもう”消化”できている事実なのかも知れない。

いかにマセラティと同じグループになったとはいえ、フェラーリ製とも言えるあのシャシー&エンジンを容易く手に入れることができるわけもなく、またできたとしても販価の高騰は避けられまい。現実的な選択肢であった。

とはいえ、そのまま2+2のハッチバッククーペボディを被せたわけではない。ホイールベースを75mmほど縮め、足回りには専用チューニングを施した。位置付けとしてはBMW3シリーズやM・ベンツCクラスのサルーンに対するクーペモデルであるが、アルファ ロメオ首脳陣に言わせればライバルはアウディTTの次期型だという。そういえば、東京モーターショーに出ていたアウディシューティングブレイクは同じようなスタイリングコンセプトであった。

魅力的なスパイダーモデルも控えている(試乗会当日にもテストコース上で目撃された!)から、事実上、GTV&スパイダーの後継といえよう。アルファGTに関しては、もう少し実用的なクーペとして今しばらく存在理由が認められそうだ。なんせ後席の居住性はアチラの方が上なのだ。ボディサイズが小さいにも関わらず。

乗り込むと、159と同じ景色が広がる。パネルとメーターが異なるのみで、ダッシュボードは共有だ。ただし、彩色されたトリムレベルを選ぶことも可能で、展示されていたブラックボディに赤×クリームの内装の組み合わせなどは、かなりエキサイティングな装いであった。

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西川 淳
筆者西川 淳

別名ボンジョルノ西川が示すとおり、大のイタリア好き。乗り手をワクワクさせる、刺激に満ちたクルマが好きなので、自然にイタリア車に接することが多い。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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