ハンドリング性能を高めたA110S! ベース車に比べて95万円高の価値はあるのか?|アルピーヌA110S試乗

画像ギャラリーはこちら

フレンチスポーツカーの雄として君臨するアルピーヌA110に、パワートレインとシャーシの改良を施してスポーツ性を高めたA110Sが追加となった。ベースモデルに対して95万円アップの899万円となるこのクルマは、果たしてそれだけの価値はあるのか? 筑波サーキットコース2000でその実力を試す。

目次[開く][閉じる]
  1. 軽量化・専用タイヤなどA110をさらに磨き上げた
  2. エンジンの伸びが超気持ちいい!
  3. 楽しさではA110に軍配だが、サーキットなど極限領域ではA110Sだ

軽量化・専用タイヤなどA110をさらに磨き上げた

「精度」をキーワードに造られたアルピーヌ A110Sが行った改良ポイントは多岐に渡る。一見しただけで理解できるのはカーボンルーフの採用。シートもSabelt製のモノコックバケットシートを奢ることで、1脚あたり13.1kgに抑えたという。それ以外にもタイヤサイズが前後共に10mmワイドになったことで安定感を増したルックスを手に入れていることが伝わってくる。

ちなみにタイヤ銘柄は変わらずミシュラン・パイロットスポーツ4。専用構造、専用コンパウンドを採用したとあるが、決してサーキットアタッカーを造ろうとしたわけではないようだ。

▼2017年に26年ぶりに復活を遂げたベースモデルのアルピーヌ A110の実力が気になる方はコチラをチェック▼

40馬力アップ! 足まわりも専用チューン

一方で見えない部分にもかなりの手が入っている。足まわりは前後共に引き締められ、ベースモデルと比較するとスプリングレートはフロント30→47N/mm、リア60→90N/mmに変更。アンチロールバーも10→15N/mmへと強化。車高も4mmダウンとしている。

エンジンは最大出力を40PSアップの292PS、トルクは320Nmと同様ながら、最大トルク発生領域を上に1500回転ほど広げているところがポイントだ。

エンジンの伸びが超気持ちいい!

その進化を確認するために、まずはベースモデルをシッカリと乗り、感触を掴んだ上でA110Sを走らせる。すると、まず感心したのは伸び感を増したエンジンだった。

ベースモデルでは高回転へ行けば行くほど苦しいイメージがあるが、A110Sはレッドゾーンまでの爽快な吹け上がりが感じられるのだ。そして何より速い! 最高出力発生回転が420rpm高くなったこと、そして最大トルクが最高出力発生回転数である6420rpmと同様なことが効果を発揮しているのだろう。とにかく気持ちの良いエンジンに仕上がっている。

シャシーは明らかに引き締められ、微操舵した状態からキビキビとした応答をみせ、安定のコーナーリングを展開してくれる。ドライバーがピッチやロールを細かく操らずしてイージーにドライブできることも興味深い。

乗り味は少々硬い傾向にあるが、これくらいなら一般道でも十分にこなせるレベルだろう。その安定感あるシャシーをハイパワーエンジンがやや追い越し、ドライバー次第でスライドを作れる環境を持っているところも絶妙だ。

楽しさではA110に軍配だが、サーキットなど極限領域ではA110Sだ

ただし、スポーツバージョンが誕生してベースモデルが霞むかと言えば答えはノーだ。「楽しさ」というキーワードが最も似合いそうなA110のドライビングの魅力も今回は改めて確認することができたからだ。

A110Sに比べればロールやピッチが大きいその動きは、ドライバーの操作次第でいかようにでも動かせるという面白さがある。しなやかな足でロールやピッチを頼りにワインディングロードを楽しむのも悪くない。要は最終的には好みの問題だろう。「精度」vs「楽しさ」。これがA110SとA110の違いといっていい。充実のラインアップで、ユーザーにはまた新たなる悩みが生まれそうだ。

【筆者:橋本 洋平/撮影:茂呂 幸正】

アルピーヌ A110S / アルピーヌ A110 ピュア 主要スペック比較表

車種名

A110

A110

グレード名

S

ピュア AT

価格(消費税込み)

899万円

806万円

全長×全幅×全高

4205mm×1800mm×1250mm

4205mm×1800mm×1250mm

ホイールベース

2420mm

2420mm

駆動方式

MR

MR

車両重量

1110kg

1110kg

乗車定員

2名

2名

エンジン種類

直列 4気筒 DOHC

直列 4気筒 DOHC

総排気量

1798cc

1798cc

エンジン最高出力

216kW(292PS)/6420rpm

185kW(252PS)/6000rpm

エンジン最大トルク

320Nm(32.6kg・m)/2000rpm

320Nm(32.6kg・m)/2000rpm

トランスミッション

7速DCT

7速DCT

使用燃料

ハイオク

ハイオク

燃料消費率(JC08モード燃費)

12.8km/L

14.1km/L

タイヤサイズ

205/40ZR18

205/40ZR18

アルピーヌ/A110
アルピーヌ A110カタログを見る
新車価格:
990万円1,550万円
中古価格:
648.9万円1,379万円

この記事の画像ギャラリーはこちら

  すべての画像を見る >

【PR】MOTAおすすめコンテンツ

橋本 洋平
筆者橋本 洋平

学生時代は機械工学を専攻する一方、サーキットにおいてフォーミュラカーでドライビングテクニックの修業に励む。その後は⾃動⾞雑誌の編集部に就職し、2003年にフリーランスとして独⽴。 ⾛りのクルマからエコカー、そしてチューニングカーやタイヤまでを幅広くインプレッションしている。 レースは速さを争うものからエコラン大会まで好成績を収める。また、ドライビングレッスンのインストラクターなども⾏っている。 AJAJ・⽇本⾃動⾞ジャーナリスト協会会員。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

MOTA編集方針

「車好きのみんなが見ているメルマガ」やSNSもやってます!
カー用品・カスタムパーツ

愛車の売却を、もっと楽に!もっと高く!

  • 一括査定はたくさんの買取店からの電話が面倒?

    これまでの一括査定は、たくさんの買取店からの電話が面倒でした。MOTA車買取なら、最大20社の査定額をwebで簡単比較。やり取りするのは査定額上位の3社だけ。車の査定が楽に完結する仕組みです。

  • 一括査定は本当に高く売れるの?

    これまでは、買取店に会わないと査定額がわからず、比較がしづらい仕組みでした。MOTA車買取は、申込翌日18時に最大20社を簡単比較。加えて、買取店は査定額上位3社に選ばれるために競い合うから、どうしても高く売れてしまいます。

新車・中古車を検討の方へ

人気記事ランキング
最新 週間 月間

新着記事

新着 ニュース 新型車 比較 How To
話題の業界トピックス・注目コンテンツ

おすすめの関連記事

アルピーヌ A110の最新自動車ニュース/記事

アルピーヌのカタログ情報 アルピーヌ A110のカタログ情報 アルピーヌの中古車検索 アルピーヌ A110の中古車検索 アルピーヌの記事一覧 アルピーヌ A110の記事一覧 アルピーヌのニュース一覧 アルピーヌ A110のニュース一覧

この記事にコメントする

コメントを受け付けました

コメントしたことをツイートする

しばらくしたのちに掲載されます。内容によっては掲載されない場合もあります。
もし、投稿したコメントを削除したい場合は、
該当するコメントの右上に通報ボタンがありますので、
通報よりその旨をお伝えください。

閉じる