由良拓也/今井優杏の「あなたの愛車教えてください!」(2/3)
- 筆者: 今井 優杏
- カメラマン:今井優杏
東京~熊本1600km無給油チャレンジはかなりの忍耐が要りました
―風洞実験での開発過程を具体的に教えて下さい。
それから後輪にカバーを付ける。これはメンテナンス性が悪くなるし部品点数が増えるから、メーカーは手を出さない場所です。僕のはベースのクルマに傷を付けなくても装着できるように工夫してあります。
そしてフロントのホイールオープニングを縮める部品です。乗用車のフェンダーっていうのは、FF車は特に、雪道でのチェーン装着時にハンドルを切った際、当たって割れちゃわないように大きめに切りぬかれてるんです。それを僕はスタッドレスしか付けない!っていう想定の元、小さく詰めたんです。
ほかにはラジエターグリル。これを全部塞いじゃうと当然水温が上がっちゃうけど、プリウスっていうのはエンジンがしょっちゅう止まるじゃないですか。止まってる間は冷やす必要がないので全閉で、必要な時は開くような可変式にしました。
バックミラーも空気抵抗には非常に不利なパーツでしょう。それも小さく流線型にすることで、数字で解るくらい抵抗が減ります。
あ、そうそう、それからこれはすごくマニアックで人気があるんだけど、プリウスにはバッテリーを冷やす通風孔がリアドアの内側に付いてるんです。そこに効果的に風を送る、リアウインドウ用のはめ込み式ダクトをカーボンで作りました。これも取り付けはベースのクルマを一切傷つけないようにしています。
―うわ~、コアすぎてもう理解不能です~(涙)。これらはムーンクラフトのパーツとして市販されてるんですよね?
はい、してます。でもウチのパーツは存在感がありすぎて、『由良さんのパーツを付けたら家内が気付くから付けられない』と言われることも多いです(笑)
―“こっそりチューニング”ができないんですね!たしかにこのミラーは目立ちます(笑)
でもここまでやっても本当に大したことないです。ノーマルのプリウスのcd値が0,26、それを0,25にするっていうのは数値的にはたった0,01しか縮められていないわけです。でもその0,01っていう数字は、風洞実験においては結構頑張った数字なんですよ。
どれくらい効果があるかっていうと、時速100キロ時、空気抵抗は2kgくらい変わるんですね。それでも1割弱の性能アップなので、街中を走っている分には大した効果はない。高速道路で長時間走った時には効果は出ます。
100kmじゃなく1000km走れば1のモノも10になるわけですよ。それで、満タン給油でどれだけ走れるかということにチャレンジしたんです。もうやりたくないですけどね~。
―辛かったですか?!
だって道では邪魔者だし(笑)。スピードを出して80km/h、遅い時は60km/h、一般道と高速道路の平均値で70km/hで走ったんです。1600km、エアコンも止めて2日間で走ったわけですから、かなりの忍耐力が要りました。
―ちなみにチャレンジは何月だったんですか?
11月です。空気抵抗というのは真夏、気温が高い方が少ないんです。空気は気温が高いと膨張しますから、空気密度が薄くなってるんですよ。冬は寒くて縮まるので、空気が濃くなる。濃い中を走れば当然空気抵抗は大きくなるんですよね。
このチャレンジした11月というのは昼間で16度くらい、夜は5度くらいで、絶対に燃費が出ないと言われたんです。でもやっちゃいました。夏にやればもちろんもっといい記録を出す自信はあります。だけどもうかったるくて2度とやりたくない(笑)。
―お疲れ様でした(笑)。
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