トヨタ“ヨタハチ(S800)”復活は86では無理?S-FRで独自のFRスポーツ開発へ(1/2)
- 筆者: 桃田 健史
漏れ聞こえてきたトヨタ独自のFRスポーツ開発への動き
業界筋によると「86とは違う、トヨタ独自開発の新型FR(フロントエンジン・リアドライブ)車の開発を来年にも始める」という。
その対象となる車が、2015年東京モーターショーで世界初披露された『S-FR』だ。
ただし、トヨタは、S-FRのデザインコンセプトを基に量産化を目指すのではなく、86とガチンコ勝負するような車を目指すという。
こうした噂の前段として、2015年東京モーターショー開催時点で、大手自動車雑誌が『S-FRはすでに量産計画がなくなった』と書いていたことを思い出す。
筆者は東京モーターショーで、自動車ジャーナリストと巡る会場ツアーの案内役を努めているが、昨年のツアー実施中も「どうしてトヨタは、量産しない車を展示するのですか?」と、複数のツアー参加者からS-FRの今後について質問された。
S800復活路線が企画変更の主な原因ではない?
60年代後半に青春を謳歌した団塊の世代にとって、S-FRはまさしく“トヨタスポーツ800の復活”に見えるだろう。
トヨタの広報資料にも『クルマを運転する楽しさを教えてくれるTOYOTAライトウエイトスポーツの系譜を継承』とあり、トヨタスポーツ800の流れを汲むことは明白だ。
となると、60年代のライバルだった、ホンダ S600が現在のS660へと系譜が継承されただけに、S-FRも軽自動車をベースとする可能性が考えられる。
だが、業界筋がいう『トヨタ独自開発の新型FR車』という表現では、『軽でS660と戦う』という議論にならない。
そう考えると、『86同等で、もっとFRらしいFRをトヨタ自身で作りたい』という文脈が見えてくる。
換言すれば、『86はスバルがBRZとして開発したものを、OEM供給してもらっている。それとは別にトヨタが開発し、トヨタの工場で生産するトヨタ独自のFRが必要だ』ということになる。
トヨタとしては、まずはスバルの全面協力によりライトウエイトスポーツ分野に復帰し、実売する中で十分な市場調査を行った上で、トヨタとしての“次の一手”を考えたいとの思いがあり、それが現実味を帯びてきたのだろうか。
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