トヨタ“ヨタハチ(S800)”復活は86では無理?S-FRで独自のFRスポーツ開発へ(2/2)
- 筆者: 桃田 健史
最初からトヨタはもっとFRっぽくしたかった
ここからは、いまから4年ほど前に遡って話を続けたい。
2012年にツインリンクもてぎで開催された、スバル BRZのサーキット試乗会の際、86とBRZの関係性、つまりは本プロジェクトにおけるトヨタとスバルの関係について、筆者はスバルの商品企画、開発、実験それぞれの担当者に詳しく聞いた。
その際、スバル側からは(1)開発と実験はスバルがほぼ100%行った、(2)トヨタは企画段階で参加した、そして(3)当初は86とBRZの乗り味はかなり近かったが、最終的な判断の時点で「86はBRZより、FRっぽいセッティングに変更された」という説明を受けた。
実際に走行してみると、確かにBRZは四輪駆動車のようにコーナーリング中の姿勢が安定しており、いや“安定し過ぎている”と思えるほどだった。そのため、過去にさまざまなFR車を製造販売してきたトヨタがひと味違うことを欲したとしても、まったく不思議ではないと思った。
こうした基本セッティングが、今年のビッグマイナーチェンジにより修正された。実際に走行してみると、BRZも86もリアがかなり積極的に動く。つまり、トヨタが最初から求めていたFRらしさがさらに強調されたのだ。
全くの白紙からスタートするのか?
仮に、S-FRの初期コンセプトが完全になくなり、86とは違うエントリーモデルのトヨタ製スポーツカーが誕生するとなると、その外観やスペックはどうなるのだろうか?量産決定の噂が絶えない“スープラ”に対する、“ミニ・スープラ”になるのか?ハイブリッドなのか?
はたまた、EVなのか?2シーターなのか、2+2なのか?そして、気になる価格は86より安いのか?
一連の噂が本当だったとしても、現時点ではまだまだ開発準備中。トヨタの新しいFRスポーツの姿は、これから徐々に具現化されていくことになる。
通常、開発から量産まで3~4年かかる。となれば、東京オリンピック・パラリンピックの頃には、トヨタ新FRスポーツカーが全国各地を元気に走り回っているかもしれない。
[Text:桃田健史]
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