DIXCEL新開発スポーツパッドが登場! ストリートメイン&年1~2回サーキットを走るドライバーに最適なブレーキパッド『S TYPE』/ディクセル【Vol.3】
ストッピングパワーを高めるなら、まずはブレーキパッドから!
サーキットでの走行会に参加しようと思っていて、それにあわせてクルマのポテンシャルを高めたいと考えているならば、まず検討してほしいのがストッピングパワーの強化。サーキットでは速度域も高いため、速いクルマをしっかり止めるブレーキ性能はとても重要だ。
そのブレーキを強化する際にまず行いたいのが、ブレーキパッドの交換。なぜなら、ディスクローターの回転を止めるのはブレーキパッドの摩擦力であり、ブレーキ性能においてはもっとも効果が出やすいからだ。
いざブレーキパッドを選ぶ際、どれを選んだらいいのか迷う人は多い。それは、サーキット走行用や街乗り向けなどの用途や、ダスト軽減や鳴きにくいといった特性の異なる多数の商品から選ばなければならないからだろう。
では、普段は街乗りで年1~2回サーキットを走るようなユーザーは、どんなブレーキパッドを選んだらいいのか。国産ブレーキメーカー『DIXCEL(ディクセル)』の金谷さんにお話をうかがった。
用途やニーズにマッチしたブレーキパッド選びが大切
「ブレーキパッドにはそれぞれ性格があるんです。サーキットを走るからといってブレーキパッドの性能を上げればいいわけでもありません。用途やニーズにマッチしたパッドを選ぶことが大切です」と金谷さん。ブレーキバッドの性格でクルマの印象がガラッと変わるくらい、ブレーキのフィーリングが違ってくるという。
街乗りが中心で、年1〜2回サーキット走行会を楽しむケースが一番難しい
なかでも、ブレーキパッド選びで悩みがちなのが、「普段は街乗り用としてクルマを使っているけれど、年に1~2回はサーキットで走行会を楽しみたい」という人たち。
「年に1回でもサーキット走行をするんだから、スポーツ走行用でしょ!」
「やっぱり一番いいパッドを入れておけば間違いないんじゃない?」
「街乗り中心だから、純正より効く程度でよいのでは」
と考え方はさまざま。街乗りとサーキット走行で、別々のパッドを付け替えられるならば問題はないのだが、それはお金も手間もかかる。となれば、街乗りからサーキット走行までをカバーするブレーキパッドを選ぶのが現実的だ。
ストリートでの利用を考慮しながら「サーキット走行でも満足できる」最適バランスを実現
そこで、街乗りもサーキット走行でも満足のできるブレーキパッドを開発すべく、ディクセルは実車テストを繰り返してきた。そして開発したのが、新しく発売する『S TYPE』だ。
「基本はストリートでの使用ですから、レース用の強烈な効きは必要ない。でも、サーキットでは満足できるストッピングパワーが欲しい。加えてストリートで走るため、ダストの量やブレーキの鳴きなども考慮しつつ、最適なバランスで仕上げました」と金谷さん。
ブレーキングに対しリニアな反応と、カッチリした硬質なペダルタッチを両立した『S TYPE』
これまでストリート用に用意されていたスポーツ走行向けパッドは、制動力&コントロール性を重視した『Z TYPE』と、制動力&耐熱性を高めたエコノミータイプの『ES TYPE』の2タイプだったが、今回新たに発売された『S TYPE』は、ちょうどその間を狙って開発したもの。
ブレーキ操作に対してリニアな反応を実現しながら、カッチリとした硬質なペダルタッチを演出。初期の効きとタッチを絶妙にバランスさせたストリート&スポーツパッドだ。ちなみに『S TYPE』は、「ストリート」「スポーツタイプ」の2つの頭文字からとった名称とのこと。
「『S TYPE』は優れた耐熱性を備えているため、ディスクローターの温度が上昇しても効きを維持します。つまり、年1~2回のサーキット走行でも安心の制動力を持っているのです。また、低温下でも安定した効きを維持しつつ、ディスクローターの摩耗量も最小限に抑えるという特徴もありますから、ストリートの利用でも不満はないでしょう」と金谷さん。
ディスクローターにブレーキパッドを押しつけた摩擦により生まれる熱量は相当なもの。サーキットを走るとディスクローターの温度は600~800℃にも達するという。耐熱性に優れたパッドでなければ、ブレーキが効かなくなる恐れがある。
『S TYPE』では、耐熱性、耐フェード性、高温負荷など、純正パッドに比べて高いレベルをマーク。さらにブレーキの鳴きも考慮して開発することで、街乗りから年1〜2回のサーキット走行会までカバーしている。
ストリートがメインで、特にトヨタ 86やスバル BRZ、スズキ スイフトスポーツ、マツダ ロードスターなどのライトウェイト車から軽自動車で、年1〜2回のサーキット走行会を楽しむというドライバーにとって、待ちに待ったオールラウンドなブレーキパッドが登場したというわけだ。
▼ブレーキの構造や性能、耐フェード性などに興味のある方はこちら
ディクセルが用意するサーキット走行会用ブレーキパッドは3タイプ
すべてのドライバー、クルマにとって『S TYPE』がベストとは限らない。ディクセルの「ストリート・ハイウェイタイプ、サーキット走行会タイプ」には3つのパッドがあり、それぞれ個性が違っているため、用途や求める性能に合わせてチョイスして欲しい。効き目や適性温度、そして価格というベクトルで、『Z TYPE』『S TYPE』『ES TYPE』が用意されている。
ただし、いずれも適性温度が高いがゆえに、ストリート専用パッドに比べればダストは出てしまうが、洗い流しやすい性格だ。この特性を理解した上でチョイスしたい。
■ Z TYPE
制動力&コントロール性を重視し、ストリートのスポーツ走行からサーキット走行までこなす超ワイドレンジな最上位モデル。日本車/輸入車向けを用意
適性温度:0~850℃
■ S TYPE
初期の効きとタッチをバランスして両立したミドルモデル。86やBRZ、スイフトスポーツ、ロードスターなどのライトウェイト車から軽自動車がターゲット(輸入車は現在未設定)
適性温度:0~700℃
■ ES TYPE
ハイウェイ、ワインディングのスポーツドライビングでワンランク上の制動力と耐熱性を持つエントリーモデル。日本車/輸入車向けを用意
適性温度:0~600℃
パッドを交換するならば、ディスクローターもあわせてチェック!
ブレーキパッドを交換するならば、ディスクローターも同時に交換したい。
前述の通り、ブレーキパッドをディスクローターに押しつけた摩擦でクルマは止まる。ブレーキダストで真っ黒になったホイールを見たことはあるはずだが、その正体の1つはブレーキパッドがディスクローターを攻撃して削れた鉄粉。ブレーキパッドだけではなく、ディスクローターも削れていることを知っておきたい。
「削れれば当然、ディスクローターは摩耗していきます。制動力を得るには、ブレーキパッドとディスクローターの両方がしっかりと機能しないと、本来の性能は発揮できません。そのためにもディスクローターの具合をこまめにチェックしておきたいところです」
ローターの表面がレコード盤のようになったり、エッジが立っているような状態であれば交換時期。すり減っていたり、表面の状態が悪いローターと組み合わせれば、ブレーキの効きが悪くなるだけなく、ブレーキの鳴きも増大する。
そのまま使用すると、熱害によりさまざまな問題が起こる可能性が高くなる。ホイール越しに見えるローターの状態は、こまめにチェックしておきたいところだ。
▼ディスクローターの寿命や交換の目安についてもっと知りたい人はこちら
愛車にピッタリなブレーキパッドが、手軽に見つけられるウェブサイト!
ディクセルでは現在、46メーカー/1300の新旧車種に向けて1400品目のブレーキパッド、2500品目のディスクローターを用意。世界でも稀に見るラインナップを誇るブレーキメーカーだ。トヨタ2000GTや、日産フェアレディZ(S30)など、旧車までカバーした充実のラインナップも魅力。
そんなディクセルの豊富なアイテム群の中から、自分の愛車に適合するブレーキパッドやディスクローターの価格や在庫状況が一目で分かるシステムが『車名ダイレクト検索』。スマホやパソコンから、すぐに検索できるのが魅力だ。
下記にアクセスしたら、車両情報(型式or車名)を直接打ち込むか、「メーカー名」→「車種」→「グレード」で検索すれば、ズラリとアイテムが現れるので、まずはチェックしてみて欲しい。
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次回は、ストリート用のダスト超低減パッド『M TYPE』をピックアップ。ストッピングパワーを犠牲にせず、低ダストを実現したブレーキパッドの魅力に迫ってみたい。
販売店を探すなら「お取り扱い店舗一覧」をチェック
ディクセル商品を取り扱う店舗を、地図から探せるページが開設されました。都道府県名をクリックすると、地図から取り扱い店を探すことができます。
- 筆者 岡本 晃
- 元自動車雑誌編集者/編集長。現在は「オフィス・アヘッド」という屋号で、ライター/編集者として活躍している。自動車雑誌、カスタム系雑誌への寄稿が多く、関西エリアを拠点に活動中。ジャンルを問わず、面白いモノ・コトを掘り起こして執筆することに力を注いでいる。
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Brand Info - DIXCEL(ディクセル)
株式会社ディクセルは大阪府摂津市に拠点を構えるブレーキパーツメーカーで、2003年の設立以来、一般車やチューニングカー、レーシングカーに向けた製品を製造販売している。社名は、「優れた=Excellent」と「減速力=Deceleration」を組み合わせたもの。高い制動力と低ブレーキダストを両立したブレーキパッド「Mタイプ」をはじめ、そのラインナップは現行車から旧車まで網羅されており、コストに優れたストリート向けから、ワインディングや走行会用途、さらに極限の性能を極めたレーシング向けまでを豊富に揃え、ブレーキパッドだけでも1400品目と世界でも稀に見るラインナップを誇る。