三菱ふそう「スーパーグレート」トラクター試乗&解説|21年ぶりのフルモデルチェンジ、先進の安全機能やスムーズさを体感(1/4)
- 筆者: 遠藤 イヅル
- カメラマン:小林 岳夫
2017年5月、スーパーグレートは21年目のフルモデルチェンジで2代目に
国内4社の大型トラック・バスメーカーのひとつ三菱ふそうトラック・バス株式会社。同社の基幹車種となる大型トラック「スーパーグレート」は2017年5月15日に新型が発表され、1996年の初代発表以来2代目に進化した。
精悍なヘッドライトを持つ新型スーパーグレートは、新しい時代のトラックに必要な「経済性」「安全性」「快適性」「コネクティビティ」に開発を注力。この4つの柱に関するベンチマークを目指している。
新型スーパーグレートはダウンサイジングエンジンの採用によりハイパワーと高燃費を実現、「トラックと言えばマニュアルトランスミッション」という時代の終焉を感じさせる全車12段AMT「ShiftPilot」の搭載により経済性を向上。安全性ではさらに進化した衝突被害軽減ブレーキ「AMB Plus」/「ABA4」やドライバーの顔や視線の動きからドライバーの状態を察知して注意を促す運転支援技術「アクティブ・アテンション・アシスト」、アダプティブ・クルーズ・コントロールである「プロキシミティ・コントロール・アシスト」はじめとした最新の安全装置を採用する。
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スーパーグレート、9月に「トラクター」を追加、新エンジンも搭載
2017年5月の発表では、キャブ(運転台)の後ろに荷台がついた“一般的に想像されるトラック”の姿をした、いわゆる「単車」と呼ばれる車型が発表されていた。そして追って9月8日、大型トラックのラインナップでは重要なバリエーションである「トラクター」が追加発表された。
こちらは「トレーラー」(エンジンを持たない“けん引される側”)と連結するけん引車で、大型コンテナや重機、大きな建築構造物、鉄道車両の輸送などでおなじみだと思う。トラクターでは運ぶ対象が重い場合が多く、各メーカーともにハイパワーエンジン搭載モデルを用意する。
スーパーグレートには単車に搭載されて発表済みの「6S10型(7.7L)」と「6R20(10.7L)」という2種類のダウンサイジングをしつつもハイパワーを実現した最新エンジンがあるが、今回発表のトラクターももちろんそのエンジンを搭載。さらにトラクターでは6R20に新たに「T4」と呼ばれる338kw(460ps)を発生する新エンジンも用意されている。
車外から各種コントロールも可能なアプリの発売など、新しいサービスも
新型スーパーグレートでは「コネクティビティ」も強調されている。デジタルタコグラフ、車両情報収集・通信用テレマティクスデバイスを全車に標準装備し、稼働中のトラックの状況や位置情報をリアルタイムにオフィスのPCで確認ができるだけでなく、ドライバーの運転技術を評価する機能や登録してあるトラックの経費を詳しく管理するなど、広い範囲にわたって車両管理を可能とするサービス「Truckconnect(トラックコネクト)」を採用する。
また新サービスとして、専用アプリを用いてスマートフォンをリモコンにしてキャブ内の照明やヘッドライトのON/OFFが出来るようになり、キャブ内での快適性や運行前のヘッドライトの点検を1人で可能とするなど利便性が増す「FUSO remote」(2017年内サービス開始予定)、オイルの交換インターバルを延長、メンテナンスコストの削減を可能とする「FSS(フレキシブル・サービス・システム)」が同時に発表された。
「FSS(フレキシブル・サービス・システム)」ではコンピュータがオイルの劣化をモニターすることで、従来は単純に距離や時間経過で交換していたオイルを、エンジンオイル(純正のハイグレードオイルを利用、高速道路走行が70%以上の場合)は最大で10万キロ→12万キロに、トランスミッションオイルは同じく30万キロ→40万キロに交換インターバルを伸ばすことが出来るという。
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