ポルシェ、ル・マン24で1-2フィニッシュ! ~16年ぶりの復帰から2年目で掴んだ歴史的勝利~

予選から見せつけた速さで文句なしの完全勝利!

24 Stunden Le Mans LMP1

FIA世界耐久選手権(WEC)第3戦として開催された「第83回ル・マン24時間」において、ポルシェ「919ハイブリッド」が圧倒的な速さを見せつけ1-2フィニッシュを達成した。LMP1クラス(トップカテゴリー)は、ポルシェ、アウディ、トヨタ、日産の4メーカー11台が激しいバトルを見せた。

見事ル・マンを制したのは19号車のアール・バンバー/ニコ・ヒュルケンベルグ/ニック・タンディ組。2位には17号車のティモ・ベルンハルト/ブレンドン・ハートレー/マーク・ウェバー組、5位には18号車のロマン・デュマ/ニール・ジャニ/マルク・リーブ組が入った。

ポルシェの優勝はアラン・マクニッシュ、ローレン・アイエロ、ステファン・オルテリが1998年に「911 GT1」で1-2フィニッシュを達成して以来のことで、歴代最多となる17回目の優勝となった。

24 Stunden Le Mans LMP1

ポルシェは昨年WECのLMP1クラスにおける新しいレギュレーションが導入されたのに伴い、耐久レースのトップカテゴリーに16年ぶりに復帰。なんとトップカテゴリーに戻って2年目で伝統のル・マン優勝を果たしたのだ。ポルシェが誇る919ハイブリッドは、トレンドであるダウンサイジングターボと2つのエネルギー回生システムを採用し、合計出力は1,000馬力以上を発揮する。

なお、GTE-Amクラスでは、アメリカの俳優でもあるパトリック・デンプシーが「911 RSR」のステアリングを握り、自身のレーシングドライバーとして最高の成功となる2位でチェッカーフラッグを受けている。

予選1-2-3!コースレコードも達成!

ポルシェは予選において、1位から3位を獲得しただけでなく、13.629kmのコースにおけるラップタイムのレコードを塗り替えた。

6月13日(土)の15時にスタートした世界でもっとも厳しい耐久レースとして知られるル・マン24時間レースにおいて、ポルシェのLMP1プロトタイプカー、919ハイブリッドは日曜日の朝より4スティントごとにドライバーを交代する作戦を実行し、すべてのドライバーがミスなくこの戦略をこなし、チームによるピット作業も完璧なものだった。

24 Stunden Le Mans LMP1

カーナンバー#19の919ハイブリッドを駆るアール・バンバー/ニコ・ヒュルケンベルグ/ニック・タンディ組は一時、8位まで後退したが、土曜夜からトップに立ち続け、そのままトップでチェッカーを受けた。現役F1ドライバーであるヒュルケンベルグは初めてのル・マンで栄誉あるスタートドライバーを務めた。

バンバーにとってもル・マン参戦は初めてのことだったが、タンディはGTクラスにおいて2度ル・マンを経験していた。このトリオは24時間レース中、終始力強いパフォーマンスとミスのないドライビングで勝利を呼び寄せた。

24 Stunden Le Mans LMP1

序盤からレースをリードしていた#17のティモ・ベルンハルト/ブレンドン・ハートレー/マーク・ウェバー組は、土曜午後に受けた1分間のピットストップペナルティでペースを乱され、4位まで順位を落としたが見事に復活し、2位を獲得。

木曜日の予選でトップタイムを記録しポールポジションからスタートした#18は、スタート直後にジャニが#17のベルンハルトにパスされトップを交代。#18のドライバーたちはブレーキのスタビリティに違和感を覚えながらのレースを強いられたが、粘り強い走りを見せ、5位を獲得した。

各コメント

LMP1担当副社長 フリッツ・エンツィンガー氏

「ポルシェが復帰してわずか2回目の挑戦でル・マン優勝を飾るというのは信じ難い結果です。3年半のあいだに成長したこのすばらしいチームに感謝します。当初からポルシェ取締役会が私達を100%バックアップしてくれました。達成したことが実感できるまで数日かかると思います。大勢の人々がこの夢を実現するために頑張り、最高の献身によってそれが達成できました」

チーム監督 アンドレア・ザイドル氏

「このような偉業が達成できたことがまだ信じられず、言葉が見つかりません。チームがこの3年半にわたりヴァイザッハとサーキットで行ってきたタフな仕事に対するすばらしい報酬だと思います。私達は、昨年を上回る確実な準備を行ったことはわかっていましたが、この結果は想像以上です。すべて完璧だったわけではありませんが、ガレージのメカニックや戦略を立てるエンジニアなどあらゆる点で優勝レベルにありました。ピットストップは見事でした。ドライバーたちは素晴しかった。3名のドライバー、おめでとう」

LMP1テクニカル・ディレクター アレクサンダー・ヒッツィンガー氏

「非常にうれしいです。ル・マンで優勝を飾れたことが信じられません。言葉が出ません。プロジェクトのために大きな情熱を注ぎ過酷な仕事を行ってきたチームには本当に満足しています。2年でこのような素晴しい開発を行うことができて、ワン・ツーフィニッシュの結果はその報酬です」

24 Stunden Le Mans LMP1

【優勝 19号車】

アール・バンバー選手

「信じられません。すべてのスティントを楽しみました。夜から朝へと長いレースでした。少ししか休めませんでしたが、疲れはまったくありません。アドレナリンがほとばしっています。車内に異音が聞こえたような気がしましたが、ル・マンの優勝に向かっているときは、あらゆる種類の音が聞こえるのに違いありません」

ニコ・ヒュルケンベルク選手

「あらゆる瞬間を楽しみました。この車は走るのが楽しくて、このように大きなサーキットを走ることも同様です。耐久レースにしてはペースが本当に速かったです。特に夜間に、温度が少し下がったときの車の走りはすばらしかったです。この非常にタフなレースに、実際に参加できるとは思っていませんでした。でもやりました。チームのおかげです」

ニック・タンディ選手

「今日はすばらしい日になりました。ポルシェでル・マンの覇者になったことをまだ実感できません」

【2位 17号車】

ティモ・ベルンハルト選手

「19号車のチームメイトが達成した偉業には頭が下がります。すばらしいレースでした。私達も頑張りましたが、ペナルティーによる遅れを取り戻すことはできませんでした。グラベルに入ってしまったことについては、遅い車両が突然ライン変更してきました。接触を避けるために道を逸れてグラベルを走らなければなりませんでした。大事には至りませんでしたが、大きな事故につながる可能性がありました。しかしこれがレースですね。次回もあります」

ブレンドン・ハートレー選手

「最終ラップで、目から涙が出ました。この結果のために一生懸命努力してきました。表彰台は夢でした。信じられません。2台のポルシェがワン・ツーフィニッシュしたことを誇りに思います。皆さん全員に感謝します」

マーク・ウェバー選手

「19号車は見事でした。3名全員が抜群のレースをしました。特に夜間は、19号車が速かったです。ポルシェにとって最高の日になりました。私達も滑らかなレース運びでしたが、終盤の速さが十分ではありませんでした。ブレンドンとティモは見事でした。ポルシェを誇りに思います。私達は優勝できなかったですが、チームメイトが達成してくれました」

【5位 18号車】

ロマン・デュマ選手

「ポルシェにとって見事な成功となりました。残念ながら私達はトラブルのために最高のレースを行うことができませんでした。しかし最も重要なことはポルシェが優勝できることを証明したことです。それが主な目標でした。確かに私達車両にとってそれは容易なことではなかったですが、それがレースです。この成功は2012年末から私達が行ってきたあらゆる努力に対する大きな報酬となりました」

ニール・ジャニ選手

「18号車のクルーにとっては良いレース結果とはなりませんでした。しかしゴールできたので選手権ポイントは稼ぐことができました。ポルシェにとって、このワン・ツーフィニッシュは本当にすばらしいです」

マーク・リーブ選手

「チーム全体とポルシェにとって本当にすばらしい日となりました。私はその一員となれたことを誇りに思います。19号車と17号車の皆さんおめでとうございます。ポルシェのワン・ツーフィニッシュは本当に快挙です。私達も優勝できれば良かったのですが、残念でした。しかし今夜は私達も大いに楽しみます」

GTE-Amクラスは惜しくも2位に

24h Le Mans GT
24h Le Mans GT24h Le Mans GT

GTE-Amクラスでは、デンプシー・プロトン・レーシングからエントリーした俳優でもあるパトリック・デンプシーが470PSを発生するポルシェ「911 RSR」のステアリングを握り、26万人の観客を前にしてGTE-Amクラス2位でチェッカーフラッグを受けた。

彼にとってポルシェで3度目となるル・マンで一緒にチームを組んだのは、ポルシェのワークスドライバー、パトリック・ロングとマルコ・ゼーフリート。この3人は、2015年世界耐久選手権(WEC)を初めてシーズンを通してともに戦っている。

スポーツカーの象徴ポルシェ911の第7世代をベースとし、軽量構造と洗練されたエアロダイナミクスを特徴とするポルシェ911 RSRをドライブした3人は、ル・マンで強力なチームワークを発揮して、世界で最もタフなこの自動車レースの最終フェーズでチャンスをつかみ取った。

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筆者
樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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