スーパーGT開幕戦 レクサスが二連覇!若手のニューヒーロー誕生!

雨に翻弄されたレースでカルダレッリ/平川組LEXUS RC Fが劇的勝利!

レクサス/スーパーGT2015 開幕戦 岡山国際サーキット
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スーパーGT2015年シーズンが開幕。開幕戦岡山は雨が降ったりやんだりと変わりやすい天候で順位もめまぐるしく入れ替わる波乱の展開。

今季初フル参戦のルーキー、平川亮が初のポールポジションを獲得した『レクサス・KeePer TOM’S RC F 37号車』が、途中首位を奪われるも、終盤雨量が増す中で劇的な逆転を果たし、チームとアンドレア・カルダレッリにとっては昨年に続く開幕戦2連覇。平川にとってスーパーGTでの初勝利を飾った。

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6チーム中4チームがドライバーラインナップ変更のレクサス陣営

スーパーGT第1戦「OKAYAMA GT 300km RACE」が4月4日(土)、5日(日)の両日、岡山県の岡山国際サーキットで開催された。日本で最高の人気を誇るレース、スーパーGTがいよいよ開幕。スーパーGTは昨年より車両、エンジンの両方が全く新しいものとなったが、今季は基本的にそれを踏襲。熟成が進められたレーシングカーにより、更に熱いバトルが期待された。

LEXUS RACINGは昨年よりLEXUS RC Fをベースにした車両に、新型の2リッター直列4気筒ターボの「RI4AG」エンジンを搭載。昨年は全8戦中、最多となる4勝を挙げたものの、僅か2ポイント及ばずタイトル獲得はならなかった。

今季も6台体制での参戦となるが、一部ドライバーが変更となり、更に強力な体制でタイトル奪還を目指す。

ENEOS SUSTINA RC F 6号車の大嶋和也/国本雄資組、WedsSport ADVAN RC F 19号車の脇阪寿一/関口雄飛組の2台は昨年と変更無し。

昨年最後までタイトルを争ったトムスの2台は、中嶋一貴がWECにフル参戦するため、PETRONAS TOM’S RC F 36号車に伊藤大輔が移り、ジェームス・ロシターとコンビを組み、伊藤が抜けたKeePer TOM’S RC F 37号車は、昨年速さを見せたアンドレア・カルダレッリと平川亮という若手がタッグを組む。

ZENT CERUMO RC F 38号車は、ベテラン立川祐路と、石浦宏明という組み合わせに。昨年38号車に乗っていた平手晃平がDENSO KOBELCO SARD RC F 39号車に移り、元F1ドライバーのヘイキ・コバライネンとコンビを組む。

昨年、新規定の車両及びエンジンでの記念すべき初レースとなった開幕戦岡山では、LEXUS RC Fが1-2フィニッシュを飾っている。3月半ばに岡山で行われた公式テストでも速さを見せているLEXUS RACINGの活躍に期待がかかった。

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【GT500クラス】

■予選

予選はノックアウト方式で行われ、昨年スーパーGTにスポットで2戦のみ参戦し、今季より初めてフル参戦となる平川の37号車が、GTデビュー3戦目にして初のポールポジションを獲得した。

■決勝

5日の決勝日は朝から雨に見舞われ、午前中のフリー走行では決勝を見込んでのウェットセッティングに勤しんだ。しかし、決勝が始まる少し前に雨は止み、各チームタイヤ選択、戦略に頭を悩ませたが、GT500クラスのLEXUS RC F勢は全車がウェットタイヤを装着してのスタートとなった。

午後2時半曇り空の下、気温18度、路面温度20度、湿度74%のコンディションで、地元岡山県警の白バイ、パトカーの先導によるパレードランとフォーメーションラップを経て、82周の決勝レースがスタートした。

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トップ3グリッドのRC Fが順当にスタートを切り、5番手スタートの36号車ロシターが前を伺ったが、濡れた路面に足をすくわれスピン。幸いにもコース上でくるりと360度回転してすぐにレースに復帰したが、いくつかポジションを落とすこととなった。首位を逃げるカルダレッリの37号車は、一時は2位に5秒近い差をつけるも、周回を重ねていくうちに好転していく路面に、タイヤ選択が合わずグリップの低下に苦しむことに。逆に、そのコンディションにあわせてきたライバル勢の追撃を受け、24周目に3位に後退。しかし、大きく離されることなく、首位を追い続けた。

一方、39号車は朝のフリー走行時のペナルティ、36号車もGT300クラスとの接触でドライブスルーペナルティを受けることとなり、大きく順位を落としてしまった。中盤戦に入ると再び雨が降り始め、難しい判断の下、各チームドライバー交代とタイヤ交換、給油のためのピット作業が始まった。LEXUS RC F勢はライバルよりも遅めのタイミングでピットへ向かい、37号車は42周終了時にカルダレッリから平川へとドライバーチェンジ。ここでピットが素晴らしい作業を見せ、ライバルを逆転。全車がピットを終えた時点で、再び首位に復帰した。

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その後、路面状況が好転すると再びホンダのNSX勢が速さを見せ、周回遅れの車両で混み合う中、37号車平川はNSX 100号車と激しい首位争いを展開したが、惜しくも49周目に首位の座を奪われ、2位に後退。雨は止み、首位100号車と2位37号車との差は一時8秒近くまで広がった。

しかし、残り20周を切ったあたりから再び雨が降り始め路面の水量が増していくと、後半戦に向けタイヤを温存していた37号車平川はペースアップ。猛烈な勢いで首位との差を縮めていき、71周目に追いつくと、ダブルヘアピンでパス。首位を奪還した。

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その後方では、30秒ほどのギャップをおいて、日産GT-R、ホンダNSX、そして38号車石浦のレクサスRC Fという3メーカーによる3位争いに。同じく後半の追い上げを狙っていた石浦は、ヘビーウェットコンディションをものともせぬ走りで残り5周で3位へ。なおもペースを緩めず、がっくりとペースの落ちた2位のNSXとの差を一気に縮めていった。残り4周で15秒差、計算上ではファイナルラップには2位に追いつくかと思われた38号車石浦だったが、周回遅れ車両にも阻まれ逆転はならず。最後は1.6秒差まで追い詰めたが惜しくも届かず3位でチェッカー。

首位を逃げた37号車平川は、フル参戦初年度、スーパーGTでは参戦3戦目ということを全く感じさせない走りでヘビーウェットの終盤戦を独走。最後は2位に40秒もの大差をつけ、トップチェッカー。自身スーパーGTでの初勝利を劇的な逆転によるポール・トゥ・ウィンで飾った。トムスの37号車とカルダレッリにとっては、昨年の開幕戦に続く岡山2連勝となった。

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ペナルティを受け、大きく順位を落としながらも、終盤、元F1ドライバーの参戦で注目を集めたコバライネンが猛烈な追い上げを見せた39号車は5位フィニッシュ。6号車は交換したタイヤが合わず、再度のピットインを強いられ後退、9位フィニッシュ。

19号車は14番手スタートから追い上げ10位に入り、LEXUS RC Fはメカニカルトラブルで無念のリタイアを喫した36号車をのぞく、5台がトップ10フィニッシュでのポイント獲得を果たした。

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表彰台獲得ドライバーコメント

【優勝】KeePer TOM'S RC F 37号車

▼アンドレア・カルダレッリ 

「良いシーズンのスタートを切ることが出来た。今週は、常に好タイムで、ミスもなく、クルマの調子も非常に良くエンジョイ出来るレースウィークだった。オフシーズンにテストを頑張って来た結果だと思う。レースはとても難しいコンディションだった。特にタイヤ選択に悩んだが、結果的に戦略が奏功した。開幕戦はハンデがないので純粋に速さを競えることになり、そこで勝てたのは嬉しいが、シーズンはまだ長い。昨年は2ポイントでタイトルを逃したので、今年こそは昨年と違う結果を得たい」

▼平川亮

「ポール・トゥ・ウィンが果たせ、幸先の良いスタートが切れたと思う。今日のレースはコンディションが本当に難しかった。タイヤの選択は、チームもぎりぎりまで雨の状況を見ながら考えてくれた。雨が降るというチームの判断を信じ、タイヤを温存していたので終盤ライバルをパスすることが出来た。今季、次戦以降はハンデを理解した上で、クルマのポテンシャルを引出し、レース中ミスをしないように、チームと力を合わせてシーズンを通して戦って行きたい」

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【3位】ZENT CERUMO RC F 38号車

▼立川祐路

「レース中めまぐるしく雨量の変わる難しい路面コンディションで、使っているタイヤによって順位が大きく変化する難しいレースだったが、終わってみれば3位ということで、手ごたえはまずまず。これくらいで満足するつもりはない。今年は、クルマも戦える状態に仕上がっているので、コンスタントに良い結果を残して行きたい。あくまでも目標はタイトルだ。スーパーGTは、ウェイトハンデによって苦しいレースになることもあるので、そこでどれだけ耐えられるかだと思う」

▼石浦宏明

「立川さんと同じタイヤを選んでいたので、雨が止み路面が乾くと厳しかった。雨量により、路面コンディションから走行のペースが変わるという中、とにかく、ぶつからない、スピンしないことを心がけた。今季、チームを移籍して、チームからの信頼も欲しかっただけに、表彰台に乗ることが出来たのは最初のステップ、シーズンの出だしとしては良かった。こういう難しいレースこそ、取りこぼし無く行くことが大事だと思う。昨年表彰台に乗っていないのにこういう事を言うのもなんだが、3位もあまり嬉しくはない。チャンピオンを期待されていると思うし、手ごたえを感じているので、最終的にはタイトルを獲れるよう頑張りたい」

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第1戦 リザルト GT500

(1)KeePer TOM’S RC F (A.カルダレッリ/平川 亮)

(2)RAYBRIG NSX CONCEPT-GT (山本 尚貴/伊沢 拓也)

(3)ZENT CERUMO RC F (立川 祐路/石浦 宏明)

(4)ARTA NSX CONCEPT-GT (松浦 孝亮/野尻 智紀)

(5)DENSO KOBELCO SARD RC F (平手 晃平/ヘイキ・コバライネン)

(6)ドラゴ モデューロ NSX CONCEPT-GT (小暮 卓史/オリバー・ターベイ)

(7)カルソニック IMPUL GT-R (安田 裕信/J.P.デ・オリベイラ)

(8)S Road MOLA GT-R (本山 哲/柳田 真孝)

(9)ENEOS SUSTINA RC F (大嶋 和也/国本 雄資)

(10)WedsSport ADVAN RC F (脇阪 寿一/関口 雄飛)

(11)D’station ADVAN GT-R (佐々木 大樹/ルーカス・オルドネス)

(12)KEIHIN NSX CONCEPT-GT (塚越 広大/武藤 英紀)

(13)MOTUL AUTECH GT-R (松田 次生/ロニー・クインタレッリ)

(14)PETRONAS TOM’S RC F (伊藤 大輔/ジェームス・ロシター)

(15)Epson NSX CONCEPT-GT (中嶋 大祐/ベルトラン・バゲット)

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筆者
樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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