マツダ新型アクセラへ新たに追加された15XD(1.5Lディーゼルターボ)の実燃費を測定してみた(1/3)
- 筆者: 永田 恵一
登場から3年、大幅改良(ビッグマイナーチェンジ)が施された新型アクセラ
マツダ アクセラはライバル車に日本車ではトヨタ プリウス、スバル インプレッサ、輸入車ではVWゴルフ、メルセデス・ベンツAクラス、ボルボV40といった強豪がひしめく、ヨーロッパでいうCセグメントに属するモデルである。
かつてのファミリアの後継モデルとして2003年に初代モデルが登場したアクセラは、2013年10月デビューの現行モデルで3代目となった。マツダの世界での販売台数においてアクセラは実に3割を占めており、マツダにとっては大黒柱的な存在となっている。
新型アクセラは、現在のマツダの基幹技術である「運転する楽しさと燃費をクルマ全体で向上させる」というコンセプトのもと開発されたSKYACTIV技術をフルに盛り込んだモデルとして、CX-5やアテンザに続く第三弾として登場した。
躍動感あるデザイン、ドライビングポジションも含めてごく自然にドライバーの感性に馴染むドライブフィールを特徴として、日本車では初めてガソリンエンジン、ディーゼルエンジン、ハイブリッド(トヨタから技術供与)と3つのパワートレーンを持つモデルであったことでも話題になった。
SKYACTIV以降、細かな改良を矢継ぎ早に市販車へと盛り込むマツダ車らしく、新型アクセラも主に安全装備やバリエーションの充実という形で一部改良を数回受けていたが、現行モデルの登場から約3年が経った2016年7月、マツダでは大幅改良と表現するビッグマイナーチェンジが実施された。
大幅改良の目玉の一つ、新型アクセラへ新たに追加された15XDの実燃費をテスト!
今回の大幅改良の目玉は2つ。
1つ目は、Gベクタリングコントロールの採用だ。Gベクタリングコントロールは、運転が上手なドライバーがコーナーを曲がる際にアクセルを調整して行う荷重移動(スポーツで例えればスキーやゴルフの体重移動のようなもの)を、ハンドル操作に応じてエンジンの駆動トルクを緻密に制御することで、ごく自然に曲がりやすく、かつクルマの動きを滑らかにしてくれる。これにより、安心感・運転する楽しさ・快適性の向上に貢献する。
Gベクタリングコントロールは制御だけで成立しているデバイスであるために、新たなハードウェアを必要としない。その為、コストアップがほとんど無いことでも注目を集めている。
2つ目は、パワートレーンの変更だ。新型アクセラのハッチバックモデルには新たに、デミオとCX-3にも搭載されている1.5L直4ディーゼルターボエンジンが加わった。なお、新型アクセラのセダンには1.5Lディーゼルターボが採用されない代わりなのか、登場時から継続してハイブリッドが設定されている。
1.5Lディーゼルターボエンジンを搭載する15XD系は、フラグシップとなる2.2Lディーゼルターボの過剰ともいえる動力性能や300万円を超える価格から購入対象にならなかったユーザーへ向けた手頃なディーゼルモデルであると同時に、軽油という燃料コストの安さを武器に昨年末に登場したトヨタプリウスに対抗するモデルという役割も持つ。
新型アクセラに搭載される1.5LディーゼルターボはCX-3と同じチューニングが施され(最高出力105馬力、最大トルク27.5kgm)、トランスミッションはマツダ内製の6速ATのみの組み合わせで、アイドリングストップも装備。
カタログに載るJC08モード燃費は21.6km/Lと、1.5Lガソリンの20.4km/L、2.2Lディーゼルターボの19.6km/L(それぞれ6速AT)と意外と変わらないが、果たして実燃費については当記事のテスト結果を見て欲しい。
今回の燃費テストでは1.5Lディーゼルターボを搭載する15XD系では最上級グレードとなる15XD Lパッケージ(268万9200円、JC08モード燃費21.6km/L)を起用。
燃費テストについては、高速道路でのテストを9月4日(日)の午後3時過ぎから、郊外路と市街地は翌9月5日(月)の午前7時ごろから行い、12時半頃帰京するという若干変則的な日程で行った。
テスト中の気候は両日とも晴天、最高気温30度という残暑を感じさせるもので、交通状況は高速道路は休日の午後の下り線ということで平日と変わらずスムース、市街地の混雑は平均的なレベルだった。
燃費測定の基本ルール
・燃費の測定は、車両に純正搭載されている車載燃費計を使用
・スピードは流れに乗ったごく一般的なペースで走行
・車両の状態もエアコンは快適に過ごせる温度(オートエアコンなら25度)に設定
・走行モードが選択できる場合にはノーマルモードを選んで走行
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