ホンダ エリシオン 試乗レポート

ホンダ エリシオン 試乗レポート
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”主張するデザイン”個性的かつ洗練されたエクステリア

街中に乗り出す前にエリシオンを眺めてみた。ボディサイズはアルファード、エルグランドと比較してもスペックほどの違いはない。とくに、全高は130㎜以上も低いというが、全体に大きいので、背の低いミニバンという感じはしない。

フロントマスクはグリル上部のHマークとメッキ部分が、エリシオンを主張する。サイドからリアにかけては、スライドドア用のサイドレールとテールランプのデザイン処理が上手。個性的に仕上がっている。リア上部を半周するハイマウントストップランプ内蔵の テールゲートスポイラーは、ディーラーオプションだが、これはぜひほしいアクセサリー。エリシオンのリアビューを引き締める。

リアビューでは、ほかにマフラーに目がいく。左右2本出しはV6モデル。4気筒モデルは右側からの1本出しになる。

タイヤ/ホイールは4気筒のX・FF車とV6のVXとVZのFF車が215/60R17で17インチホイー ル。あとのモデルは215/65R16で16インチホイールを装着している。

8人乗っても余裕の室内空間。使い勝手のよい、上級ミニバン

フロントシートに乗りこむ。シートは上下高の調整幅が大きい。着座はやや高め、という程度。座面を低くセットするとスポーティカーのような沈みこんだポジションだ。この雰囲気はアルファードやエルグランドにはない。シートのホールドも背中から腰にかけて体にフィットする。

ドアミラーの面積が大きく、見やすい。Aピラーは太めだがあまり死角にはならない。

リアシートに移動してみる。ウォークスルーもできるが、左右スライドドアから乗る。サイドステップはないが、乗りこみやすい。サードシートに乗りこむときはセカンドシートをチップアップさせる。これも操作しやすく、使い勝手はよい。もう少しスライドドア が後方まで開くとさらに便利な気がするがこのスライドドアは閉まり方がよい。音も小さく、重厚な感じでカチリと閉まる。上級なミニバンという雰囲気だ。

室内はゆったりしている。スペックを比較すればアルファードやエルグランドよりも狭いのだが、実際に座ってしまうと、室内に開放感があるので、あまり気にならないのだ。

ライバルよりも馬力で上回るエンジン。峠道でもスムーズなドライビングフィール

V6、3Lエンジンは250馬力、31.5kgmの性能だ。ライバル2車よりも馬力は上回ってい る。車両重量はFF車で1930㎏から1950㎏。これはライバルの中間に位置する。

ミッションは5速AT。D、2、1のポジションでD3はプッシュボタンで選択する。Dレンジ でスタートする。スタートからのトルクは太く、4名乗車では力強く加速する。

V6エンジンは一気に6000回転まで上昇する。音は2500回転からやや高まるが、5000回転 でも耳ざわりではなかった。

5速ATはシフトアップ/ダウンもスムーズ。D3ボタンを選択すると、3速までしかシフト しないので、峠道ののぼりでは不必要にアクセルを踏みこむこともなく、楽だった。

電動パワーステアリングは低速ではやや重めの操舵力、車速を高めるとやや軽め。 コーナーでのロールはやや大きめだった。

余裕が欲しいならV6モデルを。のんびりドライブには4気筒モデル。

4気筒2.4Lエンジンは160馬力、22.2kgmを発生する。アルファードは159馬力、22.4kgm だ。ミッションは2.4も5速AT。ただしギア比は3Lモデルとは異なる。

このエンジンも6000回転強までスムーズに上昇するが、低回転域でのパンチ力はいまひ とつ。とくに4名以上の乗車では軽快感に欠ける。やはり、余裕がほしいならV6モデルだ ろう。それでも3000回転を越えるとアクセルレスポンスは鋭くなる。

100km/h巡航はDレンジで2000回転。ここから加速をするときはD3にシフトするほうが、 速い。

サスペンションはコーナーでのロールはやや大きめのセッティング。スポーティな走行 よりも、のんびりドライブ向きだ。フロントにベンチレーテッド、リアにソリッドのディ スクブレーキを備えている。

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石川 真禧照
筆者石川 真禧照

1947年東京都生まれ。1970年日刊自動車新聞社入社。翌年同社退社後、フリーの自動車評論家となる。1982年「I.W.OFFICE」を設立し、自動車を中心としたメディア活動を開始。「自動車生活探検家」として、『GORO』『DIME』(小学館)、『HOT DOG PRESS』(講談社)、『カーセンサー』(リクルート)など多数のメディアで活躍、現在に至る。日本モータースポーツ記者会会員。日本自動車ジャーナリスト協会副会長。記事一覧を見る

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